房総半島沖でプレート境界面のゆっくり滑り(スロースリップ)現象を検出
概要
房総半島の電子基準点観測データに、平成26年1月2日頃から、通常とは異なる地殻変動(非定常地殻変動)が検出されました。これまでに検出された非定常地殻変動は大きいところで約1cmです。
こ の変動は、房総半島沖のフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面※で発生している「ゆっくり滑り(スロースリップ)現象」によるものと推定されま す。検出された非定常地殻変動からプレート境界面上の滑りを計算したところ、房総半島沖で最大約6cmの滑りが推定されました。
※この境界面は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を引き起こした太平洋プレートと陸側のプレートとの境界面とは別のものです。
房 総半島沖では、1996年5月、2002年10月、2007年8月、2011年11月に、同じような場所でゆっくり滑りが発生したことが、電子基準点の観 測データで確認されています。発生間隔は、それぞれ77か月、58か月、50か月でしたが、今回は27か月となり、電子基準点の観測データがある1996 年以降に限ると最も短い間隔で発生しました。過去4回のゆっくり滑りでは、房総半島を中心とした領域で非定常地殻変動が約10日間観測されました。
なお、この非定常地殻変動は現在も継続しているとみられます。このため、今回得られた解析結果はあくまでも暫定的なものであり、今後のデータの蓄積、精査により、情報が更新される可能性があります。
国土地理院では、引き続き、この非定常地殻変動を注意深く監視していくこととしています。