私訳 ラームチャリットマーナス

中世ヒンディー語の宗教詩人、トゥルシーダースの、「ラーマーヤナ」の私訳。

少年の巻 180

2015-07-03 08:57:17 | ラームチャリットマーナス
1801 幸福、財産、息子、軍隊、助力者、勝利、威光、力、名声、これらすべてがラーヴァナには、日々新たに増していった。ちょうど新しく得るたびに、欲望が増大していくように。

1802 ラーヴァナにはクンバカルナのような、きわめて強力な弟がいた。クンバカルナに匹敵するような戦士は、かつてこの世に生まれたことがなかった。彼は酒を飲むと、六ヶ月間眠った。彼が目覚めると、三界は恐慌を来した。

1803 クンバカルナがもし毎日食事をしたら、すべての世界はたちまち破滅してしまうであろう。彼は表現を絶するほど、勇猛な戦士であった。しかもランカーには彼のような力強い勇士が無数にいた。

1804 さらにラーヴァナにはメーガナーダという長男がいた。メーガナーダは世界で一番の戦士であった。戦で彼に対抗できる者は、だれもいなかった。彼を恐れて、天国の住民たちは絶えず遁走していた。

180do ラーヴァナの配下にはその他にも、ドゥルムカ、アカンパナ、ヴァジュラダンタ、ドゥーマケートゥ、アティカーヤなど、それぞれ単独でも世界を征服できる、数多の戦士がいた。