制作日記

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リクエスト頂いた、擬人化魔王のドラクエ小説第2話(リク頂いた本人様に限りお持ち帰り自由)

2012-12-19 23:09:12 | 日記

「気持ち良い、体が温まるね…」
「あー‥やっぱり、温泉は気持ち良いな…」
人肌の暑さのお湯に足からゆっくり浸かった後
カチュアと遥架は気持ち良さそうに目を細めてそう言った。

「こんな場所、貸切で使わせて貰えるなんて私達って幸せ物だよね…」
その隣でリュリュが言うとおり、軽く家一軒分のスペースを越える
広さの温泉にはカチュア達、三人の他に誰一人客は浸かっておらず
カチュア達は丁度良い加減の湯を楽しんでいた。

「…それにしても、遥架‥一段とこの辺りが成長したね♪」
「わあっ!カチュア、またそんな所を…」
温泉に入った途端、目の色を変えて迫ってきた
カチュアに色々な所を撫でられて遥架はお湯の中でジタバタ動き回った。

「フフフ!遥架良いではないか!‥ってあれ?…何だろうこれ…」
そんな風に二人で乳繰り合ってる時、カチュアは自分が浸かっている
お湯の中に何か黄金色にキラキラ輝く物が沈んでいるのを発見した。

「…きゅう」
「これって…何かのモンスター?」
「これは多分…スライム系のモンスターじゃないかな?」
カチュアが拾い上げたのは黄色い体に小さな羽根が生えた
三人の世界のスライム様なモンスターで
それは温泉で上せたのか目を回したまま気を失っていた。

「でもさ、こんなスライムは私達の世界でも見た事無いぜ‥」
遥架が言う通り、そのスライムの様なモンスターは
魔王の立場で魔物たちの事をよく知っている三人でも
まるで見た事の無いタイプのものでカチュア達はそのモンスターをどうして良いか分からず
温泉に浸かりながらその場でうーんと深く考え込んでしまった。

「やっぱり、お風呂から上がったらムーアちゃんに聞いてみようよ」
「ああ、それが一番手っ取り早いな」
「りゅ!私もそれに賛成!」
そして、カチュアのその意見に遥架とリュリュも賛成して
温泉から上がると手早く着替えを済ませてムーアが居る管理室へと急いだ。





「…クソッ…なんて事だアレを奪われるとは…」

三人が風呂場から離れた後
怪しげな人影が一人、虚空から突如として出現した。

「…まさかこの世界にあんな魔王共が着ていたなんて思わぬ計算違いだ…」
その人物はカチュア達が金色のスライムを拾った事を
初めから見ていた様で憎らしげに三人が走り去った後の脱水所を睨み付けていた。

「フォフォフォ…さっそく一つ失敗をしおったの」
「!貴様は…」
その背後からまた一人、空間を割って今度は
一人の魔術師の様な魔物が現れ、先ほどから悔しがっている
人間そっくりなの姿をしたその男を嘲る様な口調で笑った後
更に話を続けた。

「ワシらには時間が無いのじゃぞ、一度滅びたワシと
無から生み出された虚像のおまえは奴らから
アレを手に入れられない限り待っているのは破滅じゃ」
「五月蝿い!分かっている…ああ、分かっているさ…
俺なんて所詮、アイツから作られた偽の存在だって事を…」
「分かっているなら話は早い、貴様のオリジナルである大魔道士の
名を語りたくばアレを取り戻して来い!」
男はその魔道士の言葉に頷くと再び虚空へと姿を消した。

「…ワシの理想、自分の体は傷つかず思い通りに動かせ尚且つ
一方的に相手をいたぶる事、思う存分に利用させてもらうぞ、偽の大魔道士よ」