1年ほど前に知り合った先輩の訃報が届いた。
じつは昨年出版させていただいた「Buono Libretto Series」の制作に関係して接点が生まれ、そのためにご尽力くださり、ピザ関連の広告代理店との橋渡しまでしていただいた先輩であった。
それだけに、本当に驚いた。
どこか気持ちが通じるというか、居心地の良さを感じる先輩であった。
一方的に何度も会社までお邪魔したが、仕事ではないからとアポなど取った試しもなかった。
いつも勝手に押しかけていたが、運良くかなり高確立でお会いすることができていた。
その度「カレーどうですか？」と、なぜかカレーばかり……それこそ毎回いただいていたんじゃないかとさえ思えるほど、じっくりと煮込んで旨味の増したカレーをご馳走してくださった。
とてもパワフルでバイタリティのある先輩でもあり、仕事もそっち退けに岩手まで復興のお手伝いに出かけていた。
それも頻繁に。
もちろん仕事もかなり多忙だった先輩であるし、事務所にいることはほとんどないと言っていたが、それでも突然やって来てはカレーを食べて帰る自分のことを快く迎え入れてくれていた。
……ああ、そういえば本を貸してくれたこともあったっけ。
ちきしょう。
こういうことは順番だってわかっているけれど、少しばかり早過ぎましたよ……先輩。
なんだかとても残念です。
先輩……どうぞやすらかにお眠りください。
さようなら。
