ユーラシアに夢馳せる……

作家で冒険家の戸井十月さんが、今夏、４ヵ月かけたユーラシア大陸横断行へと旅立つ。これまでも世界各地を旅してきた戸井さんだが、自身の旅の総集編的な意味合いで世界五大陸を２輪＋４輪駆動で走破するプロジェクトに取り組んできた。その旅も、とうとう最後のユーラシア大陸を残すのみとなり、それがついに決行されるということなのだ。



もう還暦を迎える年齢でありながら、決して容易ではないはずのモーターサイクルを相棒にするという。これまでもそうだったが、いつだってバイクに跨って旅をしてきた人なのだ。
だからきっと、今回の旅もモーターサイクル以外は考えられなかったのだと思う。
同行のサポートクルーは４輪駆動車×２台という布陣。ボディサイドに旅のルートが示され、ユーラシア大陸横断行プロジェクトをアピールしている。
このクルーの中にはボクの仲間の１人が参加していて、これまでの４大陸すべてに同行しているというからなんとも羨ましい限りだ。




以前、バイトとして使っていただいたことがあり、そのせいで戸井さんとは面識がある。面識があるというよりも、もっと深い関係であるとボクは思っているが、如何せん戸井さんとはそれ以来数年に一度くらいのペースでしかお会いしていないため、ちょっと言い切れないところがある。
ボクなどが軽々しくそう言うのはかなりはばかるけれど、それでもすでに親を亡くしているボクのことを叱ってくれる数少ない先輩でもあるし、人生のいろいろな意味での大先輩であるとも思っている。

もう何年もかけて準備をしては旅をして、また次の旅の準備をして……と繰り返しながら、これまでに４つの大陸を走り抜けてきた戸井さん。
資金繰りはもちろんのこと、決して容易ではない道のりを、いつだって自らが先頭に立つことで実現してみせてくれた戸井さん。



「いよいよプロジェクトを締めくくる旅が始まろうとしていますね。こんな時代に夢をみせてくれる、貴方のような大人がいてくれることを誇りに思います。どうかご無理をなさらずに。旅の成功と安全をお祈りしています。」