カメラといっしょ#2

散歩に旅に、日々カメラとともに……

光を読む

2009-06-03 21:06:34 | 正方形
 
 
以前、「斜光」というタイトルで「いちばん厄介なのは"光の加減"が揃わない、つまり同じ明るさやトーンを出しづらいことにある」といった内容に触れているけれど、これは常日ごろから見慣れている"色のある世界"に関する話題として書いたことだったりする。
たとえば"赤いボート"を写し込んだカットなら、どのカットでもその"赤いボート"が「同じ赤さに見えるか」という意味であり、「少しだけハードルを下げる」ということで「同じような赤さに見える」でもいいのではという提案だった。

ところがモノクロームになると、途端に悪戦苦闘することになる。
たとえば"あの雲"というように指定した雲を白く、それこそどのカットでも指定した雲を真っ白に揃えて撮ることは可能なことだけれど、それによって写真が成立しないのがモノクロームの難しさだろう。

一番明るい部分を白飛びするギリギリ手前の"白"に、逆に一番暗い部分を黒潰れするギリギリ手前の"黒"にしてやるのがある意味で基本的かつ理想的な設定だと言えるだろう。
そこにどれだけ白と黒の間の階調を使って表現するかということを考えつつ、場合によっては主題を活かすために先に基本的とした設定すら変えてしまう必要だってあるのだから。

さらにプリント時(デジタルならレタッチ時)にテクニックを駆使できるかで、仕上がりをコントロールすることも可能になるのだから奥が深すぎると思うのだ。

ともかく、まずは"色を揃える"ために光を読むのではなく、"モノトーンにおける階調情報"として光を読めるようにならなくては……。

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