耳よりな話、西から東から

みぃママが聞きかじった各国の聴覚障害児教育情報

えっ、私だったら…というお話

2008年05月12日 | みんながんばってる
今日は翻訳物ではなく、ちょっとブログらしいブログにします。

先日「みぃママさんの娘さんが今2歳で東京にお住まいだったらどこで療育を受けさせますか?」と聞かれて思わずことばに詰まってしまいました。「まだあちこちの施設を見学したわけじゃないので・・・」みたいな逃げをうって保留にしていただきましたが、まったく、本質を突いた質問で内心のけぞってしまいました。

私たちがオーディトリーバーバルに辿り着いたのは偶然の連鎖の結果でした。ヨーロッパならどこでもオーディトリーバーバルができたかというと決してそうではなく、(今でもそうですが)一握りの先生たちが独立開業セラピストとして点でやっている。アメリカやオーストラリアもオーディトリーバーバルを謳う施設は多くても何しろ国がでかいので、だれもが通える範囲に住んでいるわけではない。そんな中でシュミット先生に巡り会ったというのは運命的です。

でも、じゃあ自分たちはただ運命を受け身で待っていたかというとそうではない。ろう学校、聴覚口話法の学校と見学して「私たちの求めているのはコレではない」と感じ、その勘をたよりに捜す範囲を広げてみた。そしてシュミット先生に出会った時瞬時に「コレだ!」と確信した・・・。そういういきさつです。

昨日「ハリーポッター」を続けて観ていたらDumbledore教授が「It is not our abilities that make us what we are. It is our choices.」と言っていました。abilitiesをcircumstancesと言い換えて、make us what we areをmake our children what they areと言い換えたら(Rowlingさんに言い換え過ぎ!と怒られちゃうけど)、療育の選択という課題に戻ってきます。informed choiceという可能性を、いかにして自分の手元にたぐり寄せるか?

これからママになるという人たちに「もしお子さんの聴覚に異常があったとしたら、どう育てたいと思うか」と聞いたところ、98%が「可能なら自分たちと同じ話ことばで」と答えたという調査があるそうです。ところが実際にそうする人の割合はずっと低い。いろいろな理由があるでしょう。そうしない人たちの選択も選択です。どこまでが果たしてほんとうにinformed choiceであったか、そこまではわからない。

選択権を個人の権利として強く希求するという文化史をもたない日本という国でこういうことを言うと「バタ臭い」と敬遠されがちなんですが、だからといって、たまたま診てもらった耳鼻科医やろう学校の先生の言うことをそのまま信じるというのではあまりに芸がなさすぎます。とことん貪欲に情報を集め、あらゆる施設の卒業生に会って、「こう育てたい!」というモデルを見つけてほしい。見学させてくれないような施設や他流をけなすような権威に対しては「どっかおかしいんちゃう?」と感じてほしい。逆に、自説の正しさを証明するためではなくてほんとうに子どものために熱く議論する先生には「ホンマもん」の香気を感じ取ってほしい。

私が10年前日本にいたら、多分質問しまくって、セカンド、サードオピニオンを求め、先生と呼ばれる人たちに蛇蝎のごとく嫌われて、あげく三ヶ月ごとにオーストラリアへ通ってオーディトリーバーバルのセラピーを受ける、そんな生活をしていたんじゃないかな、と思います。今の日本なら・・・そうですね、勘を頼りに「ホンマもん」のセラピストを捜して全国をまわっているでしょう。幸い今はみぃママのホームページも声援隊もあることですし(ほらほらほら、こういう手前味噌は「臭い!」と思ってください!)。

まったくどなたの役にも立たなそうな回想記になりました。あしからず。

2 コメント

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納得です。。 (ママ)
2008-05-17 00:54:56
うちの娘も人工内耳の手術をして1ケ月経ちます。

まだと言うより
もう経ってしまった。
・・・そんな感じです。

今はあのろう学校ではやっぱり???
娘のためにならないと思い、
みぃママさんの所のHPや声援隊にも
お世話になりつつ療育の場を再検討しています。

見学すら受け付けてくれないところや私たちとの
教育方針の違い。
目線が大人目線で子供のコトを一番に考えてくれていないところ・・・

いろいろ見歩いてはいても
正直、まだ信頼できる先生に会えていません。

この1年が勝負!!!
と、思っているので時間をゆっくり掛けられませんが
体は重いけどフットワーク軽い自分を生かして(笑)

「ホンマもん」を見つけ出したい。
と言うか、見つけ出します。

今日のブログは
今の私にはすごくリアルタイムで・・・

よっしゃ~!!頑張るぞっ!!!!

って気持ちになりました。
ありがとうございマシタ♪

焦るお気持ち、わかります (みぃママ)
2008-05-19 14:19:08
すっごく本音の投稿、ありがとうございました。
術後のことなど、いろいろお聞きしたかったけど今回は時間がなくて残念でした。
時間がどんどん経ち、子どもも成長は待ってくれない。その焦り、よくわかります。ありきたりのことしか言えないけど、一日一日を大切に、聴く力が伸びる環境づくりを心がけてください。