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言葉のデッドボール

「いや、もう……最高でしょ」(中野 信治)

耐久レース×2

2012年10月14日 | レースのたぐい
 WEC富士、決勝日。


 サイバーフォーミュラを間近で見たいのでピットウォークに行きました。
 しかし各ガレージでドライバーがサイン会をしているので、人気チームはまったくマシンに近づきようがない。


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 琢磨もマシンもまったく見えねえ。


 OAKとトヨタは当然だが、それに匹敵する人だかりができていた下位クラスのチームが1つ。
 フィジケラであった。
 なるほど、何十回鈴鹿に行こうとも、6桁の値段のパドックパスを買わない限りF1ドライバーを間近で見ることはできない。
 フィジケラなんて非常にレヤなのだ。
 F1というだけならリウィッツィやブルツやマクニッシュもいたが、フィジケラ人気は桁違いでした。






 ロータス系は空いていた。
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 いやー、やっぱりブラックゴールドはかっこいいなぁー。
 マシンだけでなく、服とか機材までかっこいいもの。


 こちらは偉いロータス。
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 ヘッドライトの配置もかっこいいなぁー。サイバーフォーミュラだなー。






 シュティールも見たかったが、人だかりで近づけず。


 でも、シュトロブラムスアウディはピットウォールの司令室も凄かった。
P1000693
 密室…だと…?


 さすがにこんなのはF1でも見たことない。
 ロス・ブラウンがバナナ食ってても見えない。
 ライトの時間差点灯といい、アウディの演出センスはなかなかかっこいい。


 なお、このピットウォーク中、ピットウォールには決勝でグリッドガールをやる地元女子高生の皆さんが和装で並んでいました。
 かなりの選抜があったようで、皆異様に美少女でした。
 でもレースクイーン撮るのと同じ感覚のおっさんに色々要求されてて心配でした。タレント志望とかなら修行で済むんでしょうけど、レース嫌いにならないでください。






 10時にはもうスタート進行に突入し、11時スタート。
 ここから6時間のレースである。


 このシリーズは、5つのクラスのマシンが混走する。
 乱暴に分けると、


ワークスチームのハイブリッドプロトタイプ車
プロチームの上級プロトタイプ車
プロチームのプロトタイプ車
プロチームのGT車
アマチュアのGT車


 GT500とGT400とGT300とGT200とGT100が同時に走ってるようなもので、500と100のタイム差は数十秒にもなる。
 数周で周回遅れが出てきて、もうわけがわからなくなる。
 しかも100はアマチュアが乗ってるので、周回遅れにされるときにプロではありえない挙動をしたりしてしばしば混乱を招くという。
 実際、今年のルマンでも後ろを見ていなかったアマチュアにトヨタがぶつかって、アンデビが死にかけるようなクラッシュが起きている。


 そんな具合なので、クラス違いのマシンをロスなくかわすのに慣れているスーパーGTのドライバーが非常に強い。
 500の両陣営でトレルイエ、ロッテラー、カズキが猛威を振るった。歴戦のクリステンセンやブルツも富士ではスーパーGT組のやられ役であった。






 で、肝心の15号車はというと、400クラスの最下位からスタートして、1台だけ置いて行かれていた。
 やはり今日は勝負になりそうにない。ふぬー。


 2スティント目から早くも琢磨が搭乗した。
 交代前に自分用のクッションを持って待ってるのが面白かったです。
 だが、ずーっと単独走行。速いのか遅いのかもわからぬ。


 3スティント目も引き続き琢磨が走った。
 だが、ずーっと単独走行。速いのか遅いのかもわからぬ。


 役目を終えて琢磨が降りると、マシンはガレージに引っ込められてしまった。マシントラブルの様子。
 そのまま20分くらい修復してコースに復帰。
 20分くらいロスしたのに、100クラスを何十周も周回遅れにしていたので最下位ではなかった。
 そして200と100クラスをごぼうむきして順位を多少回復してゆく。全クラス通算で順位つける意味あるのかなあ、これ。


 琢磨がインタブーで今日の出番はこれでおしまいと言っており、マシントラブルも出たし、帰ろうかと思った。
 でもマシンは直ったし、絶望的な順位になったので、ゴールのときにまた乗せてもらえるかもしれん、と思いとどまる。
 しかし琢磨がGパンに着替えてきたので本当にもう乗らないのだと確信し、帰ろうかと思った。
 でも夜のレース(特にシュピーゲル)を見てみたかったので思いとどまった。






 アウディ対トヨタは始終白熱。


 作戦が分かれてコース上では離れていたが、どっちが勝ってるのか本当にわからない展開であった。
 たぶん地力はまだアウディのほうが上なんだけど、アウディはアマチュアと接触がありロスした。


 果たして、最終ピットを終えたとき、トヨタがアウディの3秒前にいた。
 5時間45分走ってきて3秒差とはしびれる。


 今日は結局後半乗りっぱなしのカズキがぶっ飛ばして、差を10秒以上まで広げて逃げ切った。
 今日のカズキは強かったですね。こんなに強いとこ初めて見た。
 GTやFポン優先のためWECは欠場したレースもあり、トヨタではサードドライバーのポジションのはずだった。
 だが富士に関する限りは明らかにチームメイトより速くて他クラスの処理にも長けていました。
 エースのブルツがアンカーだったのに予定変更して乗せ続けるというのは、よっぽどのパフォーマンスですよ。
 F1では琢磨とカムイに挟まれているために「そのシート琢磨によこせ」「カムイはカズキの上位互換」などと散々な扱いを受けてきましたが、でかい勲章を一個つかみましたね。
 3台だけの勝負とはいえ、地元で初開催で社長の御前試合でポールと優勝というのは大きい。


 しかし、それ以上に感銘を受けたのが中野信治でした。
 300クラスのトップでトップでバトンを受け取ると、もともと10秒程度だったリードを2スティントで50秒まで広げてみせた。
 ぶっちぎりでした。中野のターンで完全に勝負が決まった。
 スポット参戦でこの圧倒的優勝は、たいへんかっこよかった。仕事人でした。
 F1でもインディでも同世代の虎之介にスポットライトを奪われていたけど、すごい人だったんですね。
 今日は地味系のF1ドライバー2人を見直した日でした。






 残念ながら17時ではあんまり暗くならず、ナイトレースを見ることはできなかった。
 でも面白かったです。
 やはり静かに駆け抜けていくシュピーゲルが気に入った。予想外の大収穫でした。


 耐久レースというだけあって、リタイヤはゼロ。
 OAKが20分ガレージにこもっただけでしたね。


 OAKは速さも信頼性も、だいぶ遅れを取ってたなー。
 2週間後、上海でも琢磨はWECに出るが、「今日完走してデータ取れた」くらいでは厳しそうだ。






 帰路。


 富士で最後までレースを見てしまうと、まず敷地を出るまでの渋滞にハマってしまう。
 そこから4時間半の耐久レースでした。


 炎天下&富士山麓の寒さにさらされながら6時間レースを見た後、渋滞4時間半というのはたいへん過酷でした。
 JAF-GPも同じ展開だよなあ。きっついなあ。