電柱に烏がとまっている。 じっと体を低くしている。 構えているようだ。 群れない烏が好きだ。 高い場所から、下界を睨んでいる姿が。 媚びない、群れない。 「個」を貫く、意思を感じる。 「個」を確立し、群れるのならば文句はない。 群れに属するだけで、群れの意思しか持たない者はいただけない。 蜃気楼のように思えるからだ。 薄暗い空に、じっと動かない烏。 頼もしく感じる。 そうありたいと思う。