外と内

いやぁ～、旨かったなぁ～。
スパゲッティーを頬張ると、口の中で素材が踊っていた。
少し遅れて、麺の味が・・・・・・。

昨日、イタリアンレストランを訪れた。
あのシェフの味を、楽しむために。
期待していた以上の旨さに、我を忘れて追加注文をしたのである。

地図とパンフレットを頼りに、店を探した。
野生の”カン”を持つ私だから見つけられたが、初めてだと分かりにくいと感じた。
目立つ看板がなく、店の外観もそれと分かりにくいのだ。
黒っぽい外壁は、まるでカモフラージュされているかのようだったのである。

落ち着いた異国の雰囲気。
店内は、外観と別世界であった。
会話を邪魔しないBGMが流れ、シックなテーブルや椅子が適度な間隔で並んでいた。
壁には棚が穿たれ、洒落た小物が並べられている。

手頃な価格のランチではあるが、贅沢な気分になれた。
バイキング形式の前菜は趣向をこらしてあり、一品ごとに旨い。
食後のコーヒーを飲み終えるまで、ゆったりとした時間を過ごせた。

「憩いの空間」。
そんな言葉が、私の脳裏に浮かんだ。