「食べ過ぎていませんね？」。
眼鏡の奥からキラリと光る目を私に向け、いつものように彼はそう言った。
「ハイ」。
元気よく、グレー色の返事をする。
間食はしていないが、三食の量はそのままなので。
コレステロールを下げる薬をもらい、歩いて「JR」の駅へ。
途中、目星をつけておいた所で撮影をする。
「シャッター商店街」に、ポツリとポロシャツらしき物があった所である。
ガランとした通路から、さらさらの秋風が・・・・・・。
手早く着替えて、「フェデラル」を玄関から出す。
ペダルを回してすぐ、さらさらの秋風が私を包んだ。
空の色が、かわった。
雲も、モコモコしていない。
上を見ながら、クランクを回す。
さらさら。
それに吹かれていると、ここが自分の好む居場所だと感じる。
ノイズだらけの「ゴミ空間」なんて、願い下げだと想ったのだ。
人達の声と機械の作動音がし、これに電話の呼び出しが加わる空間は不味い。
正午になったので、カロリーメイトを頬張る。
・・・・・・・、やけに、旨いじゃないのさ。
