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【日本で働きたい インドネシア人看護師の挑戦】(上)のしかかる言葉の壁(産経新聞)

2010-03-01 15:00:31 | 日記
 「とても厳しい…」。21日の看護師国家試験を終え、ピピット・サフィトリさん(37)の表情はさえない。

 ピピットさんは平成20年9月に看護師候補者の第1陣としてインドネシアから来日。半年の語学研修を受けた後、神奈川県秦野市の鶴巻温泉病院で介護士の仕事をしながら、試験に備えてきた。

 「試験の出題範囲が広くて勉強する時間が足りない」

 試験対策に苦労するピピットさんだが、インドネシアではジャカルタの大病院の療養型病棟に13年勤めたベテラン看護師だ。

 薬剤や医療の専門知識は各国共通の点も多く、出題内容に関する知識は十分すぎるほど持っている。「日本の医療現場で勉強させてもらう一方で、自分が持っている看護知識や経験を日本の現場で生かしてもらおうと考えていました」

 だが、言葉の壁がハードルとなっている。国家試験には「瀉血(しゃけつ)=体から血液を抜き取ること」「褥瘡(じょくそう)=床ずれのこと」など、日本人にもなじみのない専門用語が登場する。

 さらに、医療保険制度や介護保険制度といった日本固有の制度や法規に関する問題も出題される。

 「特に健康保険はインドネシアにはないので、理解するまでに本当に時間がかかった。漢字の勉強だけでも大変なのに…」

                   ■

 厚生労働省では「日本国内の病院や施設などで働くことを前提にしており、日本語の読解能力や日本人スタッフとの意思疎通が有資格者に求められるため」と、外国語受験が認められない理由を説明する。

 平成20年の1期生、翌年の2期生を合わせて日本にいるインドネシア人看護師候補者は計277人。全国113施設で、試験合格を目指しながら働いている。ほかに介護福祉士を目指す人が約300人おり、同様に現場体験を積みながら試験を目指している。

 ピピットさんの教育を担当する鶴巻温泉病院の増渕優子看護師は、「将来、看護師不足が深刻になった際、外国人看護師の養成ノウハウがあればスムーズに増員できる」と受け入れの理由を説明する。「それともう一点。異なる文化を持った人が加われば、職場に活気が生まれる。ピピットさんは、その期待に応えてくれています」

 ピピットさんが同院に配属されて間もないころ、病室のゴミ回収を頼むと、患者が使ったおしぼりも一緒に回収してきた。日本人ならそうはしない。

 けげんに思い尋ねた日本人スタッフに、ピピットさんは「布類は放置しておくと感染症の心配があります」と注意を促した。増渕さんは「感染症の多い地域で働いていたナースならではの発想に感心した」と話す。

 糖尿病患者に欠かせない足のケアや、体に負担のかかりにくい運動療法。ピピットさんから同院のスタッフが教わった知識も多い。

                   ■

 「漢字にルビを振り、英語やインドネシア語で訳を書き込み、寝る間を惜しんで何度も読み返した」というピピットさん。しかし、国家試験に合格しない限り日本で正式な看護師として働くことはできない。

 増渕さんは、「どうにかして合格させてあげたい。看護師としての仕事をしないまま、気を落として帰国することだけはなんとしても避けたい」と話す。

 「合格したら、夫と2人の子供を日本に呼んで4人で暮らしたい」と目を輝かせて話すピピットさん。不安と期待で3月26日の結果発表を待つ。

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 日本の看護・介護現場で働くことを目指してきたインドネシア人たち。高い志がある一方で、言葉の壁や、日本の国家資格が必要といったハードルも高い。日本で働くことを夢みるインドネシア人たちの声を拾ってみた。

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