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中国古代 ~春秋時代前期~

 史記を元に中国古代について書いています。初めての方はまず目次からご覧ください。

襄公 人臣たるもの、忠を尽くして死を得たる者を忘るるなかれ

2012-11-05 18:40:42 | 
 楚の荘王は大いに怒り、解揚を殺そうとした。
解揚「君はよく(荘王の)君命を制するを義となす。臣はよく(晋の)命をうくるを信となす。我が君の命を受け、もって出づ。死する有るも(命令に)そむく無し。」
荘王「汝の我に許し(承諾し)、すでにこれに背きしは、その信いずくにか有る。」
解揚「王に許せし所以は、もって我が君命を成さんと欲したればなり。」

 それでも荘王は解揚を殺そうとした。すると彼は楚の諸将の方を向いて叫んだ。
「人臣たるもの、忠を尽くして死を得たる者を忘るるなかれ。」
荘王の諸弟は皆彼を殺さないよう諫めた。王は解揚を赦し、彼は晋に帰って上卿となった。

 余談ですが、これと似た話が、晋=徳川、楚の荘王=武田勝頼、宋=長篠城、解揚=鳥居強右衛門で日本の戦国時代にありました。ただ、そっちでは鳥居は勝頼に殺されました。