建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

続・違法な代願断った ~説明したら合法対応に~

2024-04-05 10:46:27 | 日記

先日の施工者からの違法な代願依頼。

確認申請を頼みたいけど施主の予算が少ないので、完了検査は受けない、地盤調査なし、基礎は仕様規定に適合しない等。

施工者からは、予算内でないと受注できない裏の意味は、確認申請の仕事も受注できない)と迫ってきた。

うちも仕事が無くて厳しいが違法するほど堕ちたくはないので、法令通り施工して工事監理を行い完了検査合格が前提と突っぱねた。

その後、施主に見積もりを出し、受注できたら合法で行うと

他に一部農地があるので、それも含め不透明だけど、受注できたら合法で進めたいとのこと。

きちんと説明してわかってくれる業者なら、違法にならない範囲で協力したり、良く対応してあげて付き合っていきたい。

違法だろうがお金が全てで、設計事務所の責任なんて関係ないと考える業者もいるので要注意です。

建築士は最低限の法令は遵守して、違法な設計(確認申請)を依頼する施工者を排除するようになっていけたらと願います。

また、違法の意識がなく問題のある代願を違法とは知らなかったり、知ってても『見つからないでしょ』という建築士がいるのもまた事実なんすね・・・

 

 

 

 


木造住宅の違法な代願 断った

2024-04-04 15:49:54 | 日記

2023年後半~2024年の4月の時点で当事務所の仕事は激減

知り合いの業者(工務店、基礎施工、地盤改良、地盤調査)、瑕疵担保保険の検査員、県に聞いても物件がとても少ないとの事。

全てにおいてのインフレ、建築材料の高騰が原因と思われる。

世間では会社の給料アップの話がわんさか。

当事務所としては今後の存続にも喉から手が出るほど仕事が欲しい

そこに昔から時々確認申請を頼みに来る大工ベースの建築屋さんから代願の見積もりの依頼があった。

30坪の木造平屋住宅の案件。

柱は4m材で和風。ざっと3000万円かかりそうだが、1800万が施主の予算なので、構造を切り詰めてなんとか受注したいとのこと。

瑕疵担保保険はやらない。※建設業のない業者なので任意。

基礎は仕様規定に準じない仕様。→その場合は構造計算が必要と回答

柱頭柱脚金物もやりたくない。→それは計算で出すからNG

確認申請とれれば良いから、工事監理と完了検査はなし。→後で問題になる可能性があるからNG

どこか探せば未だに確認申請に必要な図面だけ作成して終わりか、工事監理者として記名して現場確認せずに完了検査を申請する設計事務所もあるかもしれないけど

今仕事が無く収入に困っているけど、違法はできない

一度やったら今後も同じような事を頼んでくるでしょう。

貧しくなっても違法には染まりたくない

 

 


工事監理のリスク~鉄骨工事~

2024-04-04 10:28:07 | 日記

鉄骨工事の工事監理リスクは基礎工事から始まります。

ベースパック等の認定柱脚はもとより、一般のアンカーボルトも鋼製フレームで固定して生コンを打設しているか。

基礎の鉄筋に縛り付けたり合板テンプレートを使用したりする手抜きがあります。

そうすると鉄骨工事の時にアンカーボルトがズレベースプレート孔を規定より広げたり、ダブルナットのボルト頭の出が足らなかったりと問題が起きます。

また、饅頭を設置せずに建て方を行うとベースプレート下に金属プレートを挟んで胡麻化したりと問題が出てきます。

私は経験がありませんが、検査員から聞いた話では以下の事例があったそうです。

・柱と大梁の剛接合の仕口は完全溶け込み溶接とすべきであるが、隅肉溶接になっていた。

・ボルト接合部のボルト本数が図面と異なっていた。

グレード工場であれば一定の品質は確保できると思いますが、グレードの無い鉄骨工場が鉄骨工事を行う場合は要注意

素人に毛が生えた程度の鉄骨業者もいるようで、設計者、工事監理者の責任も問われるので注意が必要。

法令上NGではないようなので、平屋の小さな建物程度で止むを得ずにグレードなし業者とするなら、第三者の超音波探傷試験は30%ではなく100%とすれば工事監理者としては安心でしょうか。


工事監理のリスク~鉄骨造の基礎~

2024-04-04 08:45:59 | 日記

鉄骨造の工事監理について記します。

確認申請が下りてから着工して『工事監理』と進みますが、確認申請書に『工事監理者』と記した以上は

建築主との監理契約の場合はもちろん、代願でも『工事監理責任』が生じます。最低限以上はやらないとなりません。

代願で名義だけだからと完了検査の時だけ立ち合いは違法になります。

基礎の配筋は立ち会わないとならない『工事監理』項目の一つですが、現場で見てわかりますか?

基礎伏図と基礎詳細図のみで検査していませんか?

構造特記仕様書とRC標準図も併せて必要になります。

ゼネコンや専業の鉄筋施工業者は特記仕様書と標準図の内容を落とすことはないと思いますが、

木造が主体の工務店、土木が主体の業者、鉄骨工場、不動産業者等が請け負う場合、分離発注を行う場合は要注意。

基礎伏図と基礎詳細図だけ見て、構造特記仕様書とRC標準図を見ない場合が多いです。落としがちなのは以下

基礎梁主筋の継手可能な位置、ダメな位置がある。

・端部の基礎柱に接合した基礎梁の主筋は柱の奥まで行って90°折り曲げ、規定以上の柱内定着寸法が必要。

アンカーボルトの設置方法が問題(フレーム固定していない)→鉄骨柱のベースプレート孔を大きく開けて辻褄合わせ。

これ以外にもビックリするような基礎に出くわしたこともあります。

基礎の図面はもとより仕様書や標準図含め知識が乏しい場合は、構造設計事務所に工事監理を依頼するか補助してもらいましょう。

後に問題が発覚した場合、『工事監理者の責任』となっていまうので、工事監理する者は基準を勉強して現場で確認しましょう。

私は構造設計事務所経験はありませんが、勉強したり構造設計事務所に質疑して知識を得てきました。

そして、着工前(代願の場合は受託前~確認申請提出の前)に施工者に仕様書と標準図の内容を伝えるようにしています。