建築士の裏側

建築士の違法行為等についての注意喚起を記し、特に違法な代願が減っていくことを願います。

デベロッパーから請けたことのある代願

2024-08-22 14:31:15 | 日記

私はハウスメーカーやデベロッパーからの代願は現在やっていませんが、過去に一度だけやったことがあります。

土地を分譲して建売住宅を建てる為の確認申請+フラット35図書の作成と申請代理。

設計者と工事監理者はデベロッパー側で私は代理者。

基本的にはデベロッパー側で確認申請を行っているけど、その時の物件数が多すぎた為、複数棟の依頼が来ました。

仕事の詳細は、

平面図、立面図等の基本的な図面はデベロッパーが作成してCADデータ支給。

データを取り込んで、私は法検討とともに確認申請用の図面に仕上げる。

矩計図と基礎伏せ図、N値計算書を作成。

確認申請書とフラット35申請図書を作成し、申請。

以上で15万円/棟(税抜き)。これは平成18年なので、今の単価を反映すると20万円/棟(税抜き)位?

データ支給で設計者・工事監理者名義はデベロッパー側なので、棟数も複数あるから安くてもこれは良いでしょうか。

しかし、現地調査、役所調査、基本図面作成、設計者・工事監理者名義を記載となると、全然話にならないでしょう。

それを含めてこの値段でやっていまう人がいるようなのが怖い所。

はたまた、安くとった物件をかかえすぎて、やりきれずに確認済証を偽造して行政処分を受ける人も毎年後を絶ちませんね。

 


久しぶりの仕事💦

2024-08-20 23:13:53 | 日記

今年の初め頃から手をつけたが、なかなか進まなかった木造軸組み工法の平屋建て住宅 約140㎡の代願

大工の親子二人の小さな小さな工務店からの仕事

工務店が施主と打ち合わせして手書きの平面図を作成して、私がCADで配置、平面、立面図を書いて、その後何度か変更

契約したから確認申請を出してほしいと今日連絡があった

施主は土木業者で大分昔に木造の基礎をやったことがあり、基礎は施主が施工するとのこと

しかし昔のいい加減な基礎しか経験していないので、瑕疵担保保険の検査があると伝えたら受けた経験がなく嫌がっていたそう

なので私と工務店で指導することになった

今暇だし、工務店も代願の費用を値切ったりしないので、恐らくいい加減になるだろうアンカーボルトの配置をきちんとやって

もらうため、アンカープラン図をサービスで書いてあげようかと思う(本来は施工者が施工図として書くべきだが、できないので)

筋交いの取りつく柱元、土台継手の男木側、etc....に設置

本件は打ち合わせ用の図面を何度か書き直したりしたけど、確認申請図書一式(申請書、求積、配置、平面、立面、24h換気計算等)が15万、

瑕疵担保保険+保存義務図書(断面図、軸組み計算書、N値計算書・柱頭柱脚金物図、基礎伏・詳細図、※大工作成の木伏図と軸組図は仕様規定チェック)で10万、

工事監理(配置、基礎配筋、基礎出来形、軸組み、外壁準防火構造の屋内側被覆、法令仕上げ・設備等の確認)及び完了検査申請立ち合い費が18万、

諸経費10%の合計に消費税+確認+完了申請審査手数料

仕事量と内容からすると安いけど、違法な代願(設計者でありながら申請に必要な図面しか作成せず、工事監理者でありながら、完了検査の時だけ現場に行く)

をしている方からすると高いと感じると思われます。更に今回はアンカープラン図サービス

工務店が建築士事務所登録してあり、当方は代理者で申請図書の作成のみだったら安くなるけど、建築士として名義を使用するなら、保存義務図書の作成と

工事監理はきちんとやらないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続・違法な代願断った ~説明したら合法対応に~

2024-04-05 10:46:27 | 日記

先日の施工者からの違法な代願依頼。

確認申請を頼みたいけど施主の予算が少ないので、完了検査は受けない、地盤調査なし、基礎は仕様規定に適合しない等。

施工者からは、予算内でないと受注できない裏の意味は、確認申請の仕事も受注できない)と迫ってきた。

うちも仕事が無くて厳しいが違法するほど堕ちたくはないので、法令通り施工して工事監理を行い完了検査合格が前提と突っぱねた。

その後、施主に見積もりを出し、受注できたら合法で行うと

他に一部農地があるので、それも含め不透明だけど、受注できたら合法で進めたいとのこと。

きちんと説明してわかってくれる業者なら、違法にならない範囲で協力したり、良く対応してあげて付き合っていきたい。

違法だろうがお金が全てで、設計事務所の責任なんて関係ないと考える業者もいるので要注意です。

建築士は最低限の法令は遵守して、違法な設計(確認申請)を依頼する施工者を排除するようになっていけたらと願います。

また、違法の意識がなく問題のある代願を違法とは知らなかったり、知ってても『見つからないでしょ』という建築士がいるのもまた事実なんすね・・・

 

 

 

 


木造住宅の違法な代願 断った

2024-04-04 15:49:54 | 日記

2023年後半~2024年の4月の時点で当事務所の仕事は激減

知り合いの業者(工務店、基礎施工、地盤改良、地盤調査)、瑕疵担保保険の検査員、県に聞いても物件がとても少ないとの事。

全てにおいてのインフレ、建築材料の高騰が原因と思われる。

世間では会社の給料アップの話がわんさか。

当事務所としては今後の存続にも喉から手が出るほど仕事が欲しい

そこに昔から時々確認申請を頼みに来る大工ベースの建築屋さんから代願の見積もりの依頼があった。

30坪の木造平屋住宅の案件。

柱は4m材で和風。ざっと3000万円かかりそうだが、1800万が施主の予算なので、構造を切り詰めてなんとか受注したいとのこと。

瑕疵担保保険はやらない。※建設業のない業者なので任意。

基礎は仕様規定に準じない仕様。→その場合は構造計算が必要と回答

柱頭柱脚金物もやりたくない。→それは計算で出すからNG

確認申請とれれば良いから、工事監理と完了検査はなし。→後で問題になる可能性があるからNG

どこか探せば未だに確認申請に必要な図面だけ作成して終わりか、工事監理者として記名して現場確認せずに完了検査を申請する設計事務所もあるかもしれないけど

今仕事が無く収入に困っているけど、違法はできない

一度やったら今後も同じような事を頼んでくるでしょう。

貧しくなっても違法には染まりたくない

 

 


工事監理のリスク~鉄骨工事~

2024-04-04 10:28:07 | 日記

鉄骨工事の工事監理リスクは基礎工事から始まります。

ベースパック等の認定柱脚はもとより、一般のアンカーボルトも鋼製フレームで固定して生コンを打設しているか。

基礎の鉄筋に縛り付けたり合板テンプレートを使用したりする手抜きがあります。

そうすると鉄骨工事の時にアンカーボルトがズレベースプレート孔を規定より広げたり、ダブルナットのボルト頭の出が足らなかったりと問題が起きます。

また、饅頭を設置せずに建て方を行うとベースプレート下に金属プレートを挟んで胡麻化したりと問題が出てきます。

私は経験がありませんが、検査員から聞いた話では以下の事例があったそうです。

・柱と大梁の剛接合の仕口は完全溶け込み溶接とすべきであるが、隅肉溶接になっていた。

・ボルト接合部のボルト本数が図面と異なっていた。

グレード工場であれば一定の品質は確保できると思いますが、グレードの無い鉄骨工場が鉄骨工事を行う場合は要注意

素人に毛が生えた程度の鉄骨業者もいるようで、設計者、工事監理者の責任も問われるので注意が必要。

法令上NGではないようなので、平屋の小さな建物程度で止むを得ずにグレードなし業者とするなら、第三者の超音波探傷試験は30%ではなく100%とすれば工事監理者としては安心でしょうか。