161cm

切り上げ

延長戦

2008-03-12 22:09:41 | Weblog
モラトリアム延長につき。

トップをねらえ
のりぴー、鉄下駄、エーテル……昭和だ。
商業主義を加味しながらこのクオリティ。スケールはそうそう真似できるものではない。
それにしてもガイナの数字の使い方は絶妙。ラストの12000は妙技だった。

トップをねらえ2
こっちは平成だ。
1に比べてスケールとサイエンスとラストで見劣りするが、別物だ。1を意識はしてるけどね。良作。
世界観が良い。okama万歳と思っていたら、全部okamaというわけではないらしい。

変化はないが浮沈の激しい精神状態を持て余して

2008-03-05 20:13:07 | Weblog
・宇宙のステルヴィア
どうしたんだ、大河内。ってなくらいの現実感のなさ。途中までは成長の丁寧な描写がよかったが、地球の危機を主人公が救ったところであーあってなって切。

・銭の城 白石一郎
時代小説。漁師の子が島脱けして商人として大成するまで。
こう書くと堂島物語と被っているが、こちらは純然たる教養小説。主人公は成功者だが、その有能性も適度に削られていてよし。この微妙なバランスは白石の得意とするところだと思う。
久々の再読だがやはり名作。青春+海洋+ぼんやりとした主人公は白石作品の王道だに。是非。

・余燼 北方謙三
時代小説。天明の大飢饉での民衆の窮乏を背景に巻き起こる政争、それを巡る人々の理想とその末路。
個人的には一番好き。何よりも素晴らしいのは、山場が中盤で終わること。それまでの上昇とそれからの下降は北方の筆致の確かさがあってこそ。
北方の最大の特徴はハードボイルドであることよりも、地に足のついた丁寧さだと思う。物語の論理性がしっかりしているし、感情の描写も丁寧。是非。

引き続きモラトリアム特有の宙ぶらりん感の中で

2008-03-04 19:20:48 | Weblog
・魔岩伝説 荒山徹
伝奇時代小説。朝鮮通信使の秘密を巡る陰謀。
荒山にしては冗長気味。しかし物語の本質的な部分は流石荒山。
何といってもハッピーエンド至上主義としてはこの物語の収斂の仕方は最高ですね。

・堂島物語 富樫倫太郎
時代経済小説。農村出の主人公が享保期の堂島市場で米商人になるまで。
主人公の人物には好意がもてるが、サクセッサーぶりはやりすぎ。基本的に失敗しないし、窮地に陥っても呆気なく脱して物語に緩急がない。
見所は落ち着いた筆致で描かれる江戸期の大阪経済。少し冗長だが分かりやすい。

・人類は衰退しました 田中ロミオ
言葉選びの淀みなさは流石としか言いようがない。
まったりとした感じが良い。今後の展開に期待。