13トリソミー 陽花の記録

すべての幸せが君のものであれ

その後

2017-03-08 00:57:12 | 陽花の記録
■その後
 
 突然陽花がいなくなった。それが事実とわかってはいても受け入れられず、「何で!」「何で逝っちゃったの!」の連続。込みあげてくる悲しみを押さえることができない。何もする気にならず、家から一歩も出る気になれない。職場に戻った夫にうながされ一緒に買い物に出たが、ベビーカーに乗っている赤ちゃんが目に入ったら、とたんに涙があふれてきた。「陽花…」
 もっともっと一緒にいたかった。もっともっと。お散歩にも行きたかった。お買い物にも、お出かけにも。かわいいお洋服も着せたかった。この風景を見せたかった。一緒に風を感じたかった。遊びたかった。もっともっと。一緒に楽しい時間を過ごしたかった…。そうなったらもう湧き上がってくる感情を押えることは出来ない。泣くしかない。その繰り返し。そうやってやり場のない自分の感情を吐き出し、自分をなぐさめていた気がする。

 同時に、ずっと励まし支えてもらい、たくさんの心のこもった言葉を頂いた方々にはお礼のお返事をしなくちゃ、と思った。そして実際にそうする中で、少しづつではあっても自分の感情と折り合いをつけ、落ち着かせ、静かにありのままの事実を受け入れる方向に向かっていけたように思う。病院から引き上げて来たままだった荷物も片付け始めた。
 陽花の病気が縁で知り合ったAちゃん、Rちゃんにも会いにいった。実際に会うのは初めてなのにそんな気がしなかった。陽花の分も頑張ってね、と自然に思えた。その後も近況をお聞きするのが楽しみになった。
 年が明けて2月には陽花がずっとお世話になったS病院小児科病棟にご挨拶にいった。ずっと気になりながら恐くて足が向かなかった所だ。N先生はじめ皆さんが「心配していたのよ。」と迎えてくださった。最後の時を思い出して泣いてしまうかと思っていたが大丈夫だった。ひとつ乗り越えられたと思った。

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