先輩は部室にいつもの定位置にいた。
やっぱり夢じゃなかった。
朝になっても先輩は帰ってこないから
少しだけ夢なんじゃないかと思ってたのだ。
夜は恋人じゃないからダメでも
朝はいいんじゃないかと勝手に私が思っただけなんだけど。
今も生きてるみたいに当然のようにそこにいて
読むとうつになるんだけど、
辞められないんだよねと言っていた小説を集中して読んでいた。
生前からその本を読んでいる姿をよく見た事はある。
その本を読んでいる時の先輩は
少し寂しそうで悔しそうで
眉を潜めていることが多い。
だから別人みたいに雰囲気が違くて声をかけずらい。
その本から何かを読み取ろうとして
でもそれができなくて苦しくて その気持ちのまま
私の知らない何処か遠くに行ってしまうな儚さがある。
普段の先輩ならまず思ったりしないイメージと違う儚さが私は怖かった。
私の知らない先輩がたくさんあるんだなあと思うけど
それだけじゃない何か異質なものを感じて怖かった。
先輩は私が入ってきたことに気がつくと
「おかえり」とにかり、と笑った
先輩が私の知らない所から私の元に帰ってきたようで嬉しい
え なに今の新婚さんみたいじゃない?
そう思う心を顔に出さないようにクールに演出する。
「お疲れ様です、先輩」
「もうクールだなぁ。川津は。」
「はぁ、どうも。で、結局昨日はどうだったんですか?」
「あぁ。俺の事が見えてさ
上川の部屋に 隼也も呼んで3人で3時ぐらいまでゲーム対戦してたよ。すげー白熱した!!!」
先輩は元気よくガッツポーズをする。
「そうですか 良かったですね」
ゲーム対戦って。
せっかくなんだからもっと特別なことすればいいのに。
わざわざいつでも出来たようなことしなくてもいいんじゃないか。
それほどまで先輩はゲームが好きなのだろうか。
先輩は読むと鬱になる本をテーブルに割れ物かっていうぐらい優しく置いた。
「川津、今日はどうだった?」
「まあなんてことない日でしたね。
体育が1限目じゃなかったらいいのにとかしか思わなかったです。」
「体育1限目は辛いよなぁ。
4次元目も腹減っててきついし、食べたばかりの5時間目もきついしなぁ。あと最後の時間に体育なのも最悪だなぁ。」
先輩は腕組みしながらウンウン頷く。
「先輩は何してたんですか?」
「んーまずゆっくりの部屋で寝てからここに来てこの本を読んでたな。そろそろ鬱になりそうなきがしてたら川津が来た。」
「なら、読まないでくださいよ。最初から。」
「そういうわけにはいかないんだよなぁ」
先輩は困った顔をする。
ハハーン、。これはきっと理由があるな。
「ずっと気になってたんですが先輩
鬱になりそうだっていう割によくそれ読んでますよね。」
「ひぐぅ……川津よく見てるなあ」
先輩は痛いところをつつかれたと言いだけだ。
「そう言えば先輩ってどうして夜中に歩いていたんですか?暗い所は怖いからダメなのに。
それでも外に出たい何か理由があったんじゃないんですか?」
「うぐ……それはちょっと勘弁な」
先輩が弱々しく笑った
やはりこれも答えてくれないか。何かあるな。
死んだ時に夜中に関わらず外を歩いていた理由。
さすがにこれ以上問い詰めても収穫はないし可哀想なので 辞める。
しかし要らないこともいることもポンポン話してくれる先輩らしくない。
余程知られたくないのか。
それほど迄言いたくない理由とはなんだろう?
「わかったよ 言うよ あんなに泣いてくれた川津に申し訳ないから。」
「はい……?無理して言わなくても……いいんですよ」
「いや言うよ。あんまり恥ずかしいもんで言わなかったけれど、逆の立場なら知りたいと思うのは当然だと思うしさ言うよ。」
「ありがとうございます?」
つい疑問形になる。
「実は失恋したからなんだ メールで告白して振られたからなんだ
それで気持ちを落ち着かせるために歩くかーと思ってな。フラフラ外に出て飲酒運転の車に轢かれちまった」
「はあ……………」
思っていたより間抜けな声が出てしまった。
「はあ……ってもっとあるだろ?」
「それっぽすぎて はあとしか言えないです。
先輩振られたら落ち着かなくてその場所にとどまることできなくて外出しそうですもん」
「あはは……」
先輩は恥ずかしさを紛らわすために無理やり笑顔を作り笑った。
「で、その人には会いました?死んでから」
「………会ってない……もし俺の姿が見えなかったらショックすぎて死ねるから。もう死んでるけどな。」
「まあ……そうですね その気持ちはわかります。」
「それに見えたところで合わせる顔ないよ。気まずすぎる」
先輩は窓の方を見て大きくため息をついた。
その姿があまりにも痛々しすぎて心が苦しい。
どうすればいつもの様に笑ってくれるだろう。
「先輩……これからなにか食べに行きませんか?
ラーメンでも焼肉でもなんでも付き合いますよ。」
これしか思いつかない自分がとても嫌だ。
「川津 ごめん
気持ちは嬉しいが俺は一応死んだ身だ。
あまりに人が集まりそうな所にはいってはいけないと思う。混乱を招く。
まあ学校に来てる時点で破ってるようなもんだけどな。」
先輩は寂しそうに笑った
そんな顔するぐらいなら笑わないでくださいと言いたくなるようなぐらい痛々しい。
そういや先輩は昨日本屋にそれが理由で行かなかった。
あまりにも先輩が生きてる時と変わらなすぎてその事を考えられていなかった。
「そうですよねでも……」
「その代わり付き合って欲しい場所があるんだ」
やっぱり夢じゃなかった。
朝になっても先輩は帰ってこないから
少しだけ夢なんじゃないかと思ってたのだ。
夜は恋人じゃないからダメでも
朝はいいんじゃないかと勝手に私が思っただけなんだけど。
今も生きてるみたいに当然のようにそこにいて
読むとうつになるんだけど、
辞められないんだよねと言っていた小説を集中して読んでいた。
生前からその本を読んでいる姿をよく見た事はある。
その本を読んでいる時の先輩は
少し寂しそうで悔しそうで
眉を潜めていることが多い。
だから別人みたいに雰囲気が違くて声をかけずらい。
その本から何かを読み取ろうとして
でもそれができなくて苦しくて その気持ちのまま
私の知らない何処か遠くに行ってしまうな儚さがある。
普段の先輩ならまず思ったりしないイメージと違う儚さが私は怖かった。
私の知らない先輩がたくさんあるんだなあと思うけど
それだけじゃない何か異質なものを感じて怖かった。
先輩は私が入ってきたことに気がつくと
「おかえり」とにかり、と笑った
先輩が私の知らない所から私の元に帰ってきたようで嬉しい
え なに今の新婚さんみたいじゃない?
そう思う心を顔に出さないようにクールに演出する。
「お疲れ様です、先輩」
「もうクールだなぁ。川津は。」
「はぁ、どうも。で、結局昨日はどうだったんですか?」
「あぁ。俺の事が見えてさ
上川の部屋に 隼也も呼んで3人で3時ぐらいまでゲーム対戦してたよ。すげー白熱した!!!」
先輩は元気よくガッツポーズをする。
「そうですか 良かったですね」
ゲーム対戦って。
せっかくなんだからもっと特別なことすればいいのに。
わざわざいつでも出来たようなことしなくてもいいんじゃないか。
それほどまで先輩はゲームが好きなのだろうか。
先輩は読むと鬱になる本をテーブルに割れ物かっていうぐらい優しく置いた。
「川津、今日はどうだった?」
「まあなんてことない日でしたね。
体育が1限目じゃなかったらいいのにとかしか思わなかったです。」
「体育1限目は辛いよなぁ。
4次元目も腹減っててきついし、食べたばかりの5時間目もきついしなぁ。あと最後の時間に体育なのも最悪だなぁ。」
先輩は腕組みしながらウンウン頷く。
「先輩は何してたんですか?」
「んーまずゆっくりの部屋で寝てからここに来てこの本を読んでたな。そろそろ鬱になりそうなきがしてたら川津が来た。」
「なら、読まないでくださいよ。最初から。」
「そういうわけにはいかないんだよなぁ」
先輩は困った顔をする。
ハハーン、。これはきっと理由があるな。
「ずっと気になってたんですが先輩
鬱になりそうだっていう割によくそれ読んでますよね。」
「ひぐぅ……川津よく見てるなあ」
先輩は痛いところをつつかれたと言いだけだ。
「そう言えば先輩ってどうして夜中に歩いていたんですか?暗い所は怖いからダメなのに。
それでも外に出たい何か理由があったんじゃないんですか?」
「うぐ……それはちょっと勘弁な」
先輩が弱々しく笑った
やはりこれも答えてくれないか。何かあるな。
死んだ時に夜中に関わらず外を歩いていた理由。
さすがにこれ以上問い詰めても収穫はないし可哀想なので 辞める。
しかし要らないこともいることもポンポン話してくれる先輩らしくない。
余程知られたくないのか。
それほど迄言いたくない理由とはなんだろう?
「わかったよ 言うよ あんなに泣いてくれた川津に申し訳ないから。」
「はい……?無理して言わなくても……いいんですよ」
「いや言うよ。あんまり恥ずかしいもんで言わなかったけれど、逆の立場なら知りたいと思うのは当然だと思うしさ言うよ。」
「ありがとうございます?」
つい疑問形になる。
「実は失恋したからなんだ メールで告白して振られたからなんだ
それで気持ちを落ち着かせるために歩くかーと思ってな。フラフラ外に出て飲酒運転の車に轢かれちまった」
「はあ……………」
思っていたより間抜けな声が出てしまった。
「はあ……ってもっとあるだろ?」
「それっぽすぎて はあとしか言えないです。
先輩振られたら落ち着かなくてその場所にとどまることできなくて外出しそうですもん」
「あはは……」
先輩は恥ずかしさを紛らわすために無理やり笑顔を作り笑った。
「で、その人には会いました?死んでから」
「………会ってない……もし俺の姿が見えなかったらショックすぎて死ねるから。もう死んでるけどな。」
「まあ……そうですね その気持ちはわかります。」
「それに見えたところで合わせる顔ないよ。気まずすぎる」
先輩は窓の方を見て大きくため息をついた。
その姿があまりにも痛々しすぎて心が苦しい。
どうすればいつもの様に笑ってくれるだろう。
「先輩……これからなにか食べに行きませんか?
ラーメンでも焼肉でもなんでも付き合いますよ。」
これしか思いつかない自分がとても嫌だ。
「川津 ごめん
気持ちは嬉しいが俺は一応死んだ身だ。
あまりに人が集まりそうな所にはいってはいけないと思う。混乱を招く。
まあ学校に来てる時点で破ってるようなもんだけどな。」
先輩は寂しそうに笑った
そんな顔するぐらいなら笑わないでくださいと言いたくなるようなぐらい痛々しい。
そういや先輩は昨日本屋にそれが理由で行かなかった。
あまりにも先輩が生きてる時と変わらなすぎてその事を考えられていなかった。
「そうですよねでも……」
「その代わり付き合って欲しい場所があるんだ」
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