ナーバスのベクトル

憂いと喜びのベクトルが今日もあちこち上下する

雑費ということ。

2005-07-25 21:05:17 | ベクトル→マイナス
ちょっと前のblogで、「酒とタバコと食べ物以外は、お金を使わなくてもいいかも」なんて書いたが、とんでもない間違いだった。
ここ1週間ほど、家を徘徊する蚊が1匹いて、毎日、ちょこちょこと噛まれる。引き出しのガラクタの中から発見した数十年前の香港旅行で買ったマンキンタンを噛まれたら付けていたのだが、ぜんぜん効かない。
たった1匹の蚊を抹殺して、平和な日々を取り戻すか、刺されることを考慮して液体ムヒを買うか迷った。蚊の撲滅が成功すれば、液体ムヒを買わなくてすむのだ。
ほんで、見つけた。お風呂に入ったら、あのブヨ~ンという不愉快な音が。ドアを閉めて完全密室の中でじっくりと探し、パチンとやっつけた。
ところが、こいつではないみたいなのだ。パチンとやった蚊の残骸から血らしきものが出ない。あんなけ毎日、人の血を吸ってるんだから、赤い血のりがつくはずなのに。「ジョーズ」と同様に、腹を割いてみなければ、真実はわからないものである。
ほんで、ダイコクで430円の液体ムヒを購入してしまった。
さらに、電車賃を惜しんで車で出かけたら、ガソリンが空っぽで、40リッターで5250円も取られる。高速道路をぶっ飛ばした方がガソリンの消費が抑えられるのではという判断の元、高速代1400円使うが、どちらが得だったのか、本当のとこはわからない。普段はほとんど自転車で、交通費ゼロだったのに。
ほんで、今日、マンションの管理費を振り込んだら315円、手数料でとられた。手から手の現金徴収にして欲しいものである。
というわけで、酒とタバコと食べ物以外でも、お金、使ってるやないのぉ。けっこうあるやないのぉ。これらが、雑費・交通費と呼ばれている消費なわけだ。
とっても誤算。とっても悔しい。
「それより、タバコ、やめたらええんや。将来的な医療費が節約できるでぇ」
「ついでに、酒もやめたらええんや。忘れ物と恥かくのが減るし、一石二鳥や」

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※ジュンイチ君のbblog『Vietnam-sketch.com』を更新しました。

ブームということ。

2005-07-21 16:45:41 | ベクトル→プラス
7月1日から5日まで、高知県の西の端・柏島をめぐる4泊5日の旅行に出かけた。
初日は、朝の5時に出発し、山陽自動車道→瀬戸大橋→高松自動車道→松山自動車道をひた走り、面河渓谷を目指すハードドライブ。ほんで日程は下記。宿泊代、交通費・飲み代・昼食合わせてお一人5万3000円なり。
7月1日(金) 国民宿舎面河 TEL 0892-58-2211  一人 6,800円
http://www.town.kumakogen.ehime.jp/nature/damu/index.html
7月2日(土) 徳田旅館(柏島) TEL 0880-76-0040  一人 6,800円
http://66.102.7.104/search?q=cache:rnjQ4GuCJT4J:www.d9.dion.ne.jp/~aquas/sta
y.htm
7月3日(日) 民宿「司」(柏島) TEL 0880-76-0203  一人 6,500円
7月4日(月) 体験の宿 くらうど (清流仁淀川流域) TEL 088-892-1001 一人 7,800円
http://www.orienthotel.jp/kuraudo/hotel_syuku.htm

で、柏島が素晴らしかった。天気予報は集中豪雨注意報まで出ていたが、ギリギリ曇りでちょい晴れ間の天候をキープできたスーパーウルトラ晴れ女の強運のおかげで、スノーケリングに磯遊びと日に2回は海に入り、とれたてピチピチのサバや鯛のさしみを食べ、ガキのように遊びたおしたのだが、
「柏島の海の美しさはこんなもんやないきにぃ~。透明度50メートルやきぃ~。晴れてたらよかったのに~な~。またおいでやぁ~」と島の人たちは残念がってくれる。ほんでも都会もんは、熱帯魚が泳ぐ紺色の海に体を沈められただけでも、ハラリハラリと気分が浄化するのであった。
で、柏島の名物がところてんである。黒蜜でも酢でもなく、ダシで食べる。
このあたりでは、ところてんはおやつや間食ではなく、おかず。食卓に納豆やみそ汁やキムチが出るように、ところてんがあたりまえにおかずの一品として毎日出されるそうだ。民宿の晩ご飯にもこれが出て、食堂にはところてん定食まである。大阪で言うとうどん定食のようなもんだ。
島を散歩すると、どの家の軒先に七輪やコンロの上に大きなお釜が置かれていて、テングサを湯だてて自家製ところてんを作るそうだ。
今朝見たテレビで、ところてん・かんてんが空前のブームで、売り切れ続出、このままではてテングサが足らなくなるというニュースをやっていた。たぶん、テレビで「ところてんが体に良い」という番組が放送されたはずだ。
柏島の人たちは、テングサがなくなり、ところてんが食べられなくなる、なんて心配はぜんぜんしてないだろう。目の前の海からテングサを取り、自分で湯だててところてんを作るのだから。
そして、ロンドンの同時多発テロの事件で、潜在的な不安や心配のようなものがわき上がることもないだろう。遠い遠い異国での出来事なのだから。
田舎に暮らすということは、こういうことなのだろう。目の前に、美しい海と自然があり、新鮮な野菜と魚を食べ、清らかな水があり、みんな仲良く助け合って暮らす人々・・・。
なにかすごく素晴らしいモノに囲まれていると、テレビから流れてくる悪意のニュースや意地悪なネタ、お得な情報やブームなどで、生活を変えたり、振り回されたり、おびやかされたりはしない。
しっかしである。柏島の人たちはテレビ好きである。お店も民家も必ずテレビを付けている。3つしかチャンネルはないのに。きっと、テレビを付けっぱなしにするのが、柏島のブームなんだろう。
で、私は、高知から帰ってきてから、短パンとTシャツで過ごしてる。ちょっと海に接すると、服を着たくないのが、いつものブームだ。
「北浜で、短パンとTシャツやでぇ。なめとんか、ほんまに」
「ご近所さんに、涼しい格好してはるねぇって言われまくってニコニコしてるけど、それ嫌みやぞぉ」
ええの、ええの、ちょうど大掃除もしてたし。
「ほんなら、ブラジャーくらいは着けろよなぁ。シャラポアやないんやから」

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持ってるということ。

2005-07-20 19:33:32 | ベクトル→プラス
いらないモノを捨て、必要なものを整理することは、なにがどこにあるか、全てを把握することでもあった。約1ヶ月にわたる部屋のガラクタとの壮絶な戦いの中で、自分とモノとの交渉と和解と断絶、自分の生きてきた過去の整理、自分の思いのええかげんさ、中途半端さの現状などが、少しずつパズルを解くように収拾されていく。
ほんで、大きな成果を得た。『私は、全てを、持っている』
今後工夫すれば、食べ物と酒とたばこ以外、モノは買わなくてもすむという事実。これは定期収入もなく、お金がいつも乏しい生活をしている身にとって、金にまさる収穫だった。
Tシャツ、タオル、服類は、一生分あった。押しピン、電池、釘、シャーペンの芯、糊、ノート、ファイル類は、ストック充分。もらいモノや粗品の、石けん、シャンプー、洗剤、クリーナーなども、3年は持つだろう。
電気のこぎりに、電動ドリル、板きれ、パイプ、ペンキ、網戸の網ほか、大工道具一式、絵の具、筆、キャンパスなど絵の道具に習字道具、端切れなどを含む裁縫道具もあるので、壊れたり、破れたりしたら修繕・修理すれがいいし、発作的に芸術したくなっても、出費は不要だ。
こうして、確実に使うモノと、未来への可能性を秘めたモノたちが、それぞれ仲間同志に結束し、それぞれの所定の位置に待機してくれているという安心感は絶大だ。
今は、モノを持たないシンプルライフが高等なライフスタイルとして取り上げられているが、持ってるということから得られる精神的なやすらぎもあるのだ。
たぶん、みんないろんなモノを持っている。ただ、何を持っているかを把握できていないのだ。あっちの引き出し、こっちの引き出しから意味もなく出てきた電池たちとペン類。1ヶ月の旅行にも対応できる化粧品・シャンプーなどのお試しキッド。買ったことを忘れていたアロマ・キャンドル、読んでない本・読み忘れてる本、衝動買いしたポストカードに外国製の香辛料、いろんなお茶ッ葉・・・。
今までは存在していても忘れられていたモノたちを、しっかり使って消費して、楽しんで味わって、モノたちの人生に華を持たせたあげるのが、持ち主の天命なのである。
持っているモノたちとの楽しい相互依存が、モノを持つという生活の醍醐味なのだ。
「ほんなら、トイレの水漏れ、修繕しろよな。皿を置いてるけど、カッコ悪いでぇ」
「西側のエアコンも壊れているし、CDコンポはCDが聴かれへん」
「小さいモノを大切にする以前に、この家はインフラがなっとらん」

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かたずけるということ。

2005-07-19 17:56:53 | ベクトル→プラス
『ガラクタ捨てれば自分が見える~風水整理術入門』という本に夢中になった。タイトルはベタだが、カレン・キングストンという英国女性の著書で、風水以前に、家の中のいらないモノを捨てなさいというスペース・クリアリングの話である。
実はだいぶ前から、片付けなければというスペースがいくつかあった。なんとなくモノを積み上げてしまうスペース、使用不可なものまで収納している引き出し、押入の奥の開かずの段ボール・・・。
そんな乱雑で無駄が多く、片づいてないスペースやエリアが、エネルギーを停滞させ、どんどん澱をため込み、人生にまで影響を及ぼすという実は恐ろしい話なのだ。
自分ではどこか許して、見て見ないふりしてたが、心のどこかで「かたずけなければ」という脅迫観念からおさらばするべく、6月10日からはじめた、大掃除と整理整頓がやっとこさ完了。
トラック1杯分ぐらいのガラクタを捨て、目的・アイテム・用途・ジャンル別にモノをかため、ホコリの溜まったデッドスペースをクリアにし、インテリアも大変更した。
ほんで、ものすごぉ~く、頭使った、体使った、精神使ったぞぉ。想像以上の大変な作業で、収拾不可能な呆然状態、思い出にしたるセンチメンタル状態、自分のバカぶりが露見した自暴自棄状態、うまくまとめて自画自賛状態・・・、と、いろんな紆余曲折を体験して、おさまる所に全ておさまった。
すると、すると、なんとも気持ちいい。風も光も空気も通り、人間で言うところの、便秘と中耳炎とむくみと肌荒れが直ったという感じだろうか。
今考えると、よくもまぁ、ガラクタと無駄なもので空間を圧迫していた所に住んでいたものだと思う。これからは、なにもかも風通しよくうまく運ぶはずだ。
「たしかに家はきれいになったけど、人間がかたずいとらん」
「1ヶ月以上もドタバタしとったから、今は腑抜けやなぁ」
「この1週間、あっちこっちの椅子に座って、本読んでるだけやないか」
ええやん、ずっと肉体労働やったんで、優雅に疲れをとってるの!
「それにしても、家からほとんど出ぇへんと、それ、引きこもりやでぇ」

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