羽生市ムジナモ保存会

食虫植物ムジナモの国内最後の自生地で、国の天然記念物の羽生市宝蔵寺沼ムジナモ自生地の復元には自然環境保全が不可欠である。

荒海山 1580m  福島県南会津町

2018-11-09 20:37:00 | 自然環境
荒海山(太郎岳)登山  2018年10月23日

362号線➝7:00戸坪沢(登山口)7:15➝尾根➝11:00荒海山11:35➝15:13戸坪沢

標高差約800m、紅葉はほぼ最盛期であった、モミジは少ないが頂上からは360度の展望は素晴らしい。








                 荒海山を臨む


                 七ヶ岳方面












               頂上からの展望は素晴らしい




              荒海山は分水嶺でもある











                   戸坪沢へ下山





   

守門岳1537m(新潟県魚沼市)

2017-11-20 20:21:31 | 自然環境
守門岳は、45年以前から5万分の1の地図を購入していた。以前から憧れの山であった。
2017年6月18日大白川登山口7:15➝10:20守門岳➝10:45星雲岳1527m下山は同一コースをもどる登山口着13:50 寿和温泉入浴





 











                   シラネアオイ





                  守 門 岳

 



                   青 雲 岳

 
                    青雲岳で昼食








                    シラネアオイ










羽生市宝蔵寺沼ムジナモ自生地の現状

2015-06-25 21:02:50 | 自然環境

 羽生市宝蔵寺沼ムジナモ自生地は埼玉県の北部のいわゆる加須低地に位置し羽生市の東部にある。高度経済成長期に埼玉県の人口の増加水需要増を安価な地下水依存し地下水の多量に汲み上げにより、地下水位が下がり地表の乾燥化とともに、湧水が途絶し1965年(昭和40年)以降羽生市宝蔵寺沼ムジナモ自生地は、水質汚濁が進行しムジナモの自生が困難となり野生絶滅に至っている。

 宝蔵寺沼の水環境を改善するため2009年3月から沼の水をポンプで排出させ水郷公園側からの水の流入を図り、停滞していた沼の水質の改善を図ることにした。ポンプ稼働5~6ヶ月後には永年消滅していたタヌキモ、ヒシが沼の中央部に回復し、時間経過と共に他の水生植物も増え、これらの分布が拡大してきた。2011年7月に前年放流したムジナモが宝蔵寺沼の中央付近で、ウシガエルのオタマジョクシ、アメリカザリガニ、コイ、カルガモなどの厳しい食害に遭いながら、1年以上自然状態で増殖・生育していることが確認できた。その後定点を定め各所に放流を継続している。2015年(平成27年)3月現在沼中央部の1地点では再放流することなくムジナモの継続自生が確認されている。


『館林はなぜ暑い』 群馬県の自然環境と水資源の問題

2014-03-24 19:52:35 | 自然環境

『 館林はなぜ暑い 』

群馬県の自然環境と水資源の問題

                                                    羽生市ムジナモ保存会(SECA会員)

  最近テレビの天気予報やニュースで夏季の日中最高気温を示す地名に群馬県「館林・高崎」の名が度々出てくることにお気づきのことと思います。以前に比べ夏の暑さの厳しさが一段と加速していることを実感していることと思います。なぜこのようになってしまったのでしょうか、考えてみたいと思います。

1.地球の温暖化と候変動

 かつて産業革命以前の18世紀中頃までの地球を取り巻く大気中の炭酸ガス(CO)濃度は、何世紀もの間280ppm程度とほぼ一定だったと推測されている。ハワイのマウナロア山の測候所(富士山頂と同程度の高所、日本のスバル望遠鏡も近年隣のマウナケア山に建設されている)は半世紀に亘り大気中の炭酸ガス濃度を測定し続けています。1960年の年平均炭酸ガス濃度は337ppmであったが、2004年には377ppm となり44年間に40ppm増加したことになる。この増加の原因は、ご承知のように先進国及び発展途上国の化石燃料の大量消費が最大要因で、毎年大気中の炭酸ガス(CO)濃度は約1ppm増加し続けています。炭酸ガスを代表とする大気中の温室効果ガスの増加は大気の放熱をおさえ、地球の気温上昇・温暖化が進みその結果、極地の氷の解氷、気候変動、エルニーニョ現象、異常気象等が世界各地に頻発している。地球規模の温室効果ガスの増加は当然日本にもその影響が及び、このままいくと関東地方の気候は50~100年後には現行の鹿児島と同じ気候・照葉樹林帯に移行すると考えられている。館林のみならず日本全体が夏暑いのは地球の温暖化の延長線上にその原因があると考えられる。

2.地表の乾燥化による温暖化の進行(群馬県の平野部及び館林市の特異性)

 群馬県における水道水の水源はどのように確保されているか、この現状を認識している人は少ないと考えられる。館林市の平成19年度の水道水の水源の内訳は地下水が65.7%で県の浄水場(河川・表流水)からの水が34.3%である。館林以外の群馬県内の他の自治体、前橋、高崎、伊勢崎、太田市、板倉、明和、千代田、邑楽町等すべて館林市と同様に地下水に大きく依存しているのが現状である。また企業が使用する工業用水も地下水に依存しており平成17年度群馬県の地下水汲み上げ採水量の合計は15,567万mで、1日当り42.6万m、毎分296mの水を汲み続けている。 

 地下水の水質は必ずしも良質であるとは言えず、地域によってはシリカ(Si)、鉄、マグネシウム、カルシウムなどが過剰な物質が溶解し、お茶や紅茶を入れても本来のおいしさが損なわれてしまうのである。水源を河川水とする浄水場を経由する水(県水)の方がむしろ地下水より水質が安定し好ましいと考えられる。

地下水を長年汲み続ける弊害はその地域の地下水位が次第に下がってしまうことである。

 かつて地下水位が地上付近まであったころは、多々良沼や城沼にも地下水が湧き水となり、また市内の小河川にも地下水がしみだし「川や沼の浄化機能」を果たしていたが、地下水位が低下してしまった現在はそれを望むべくもない。かつて多々良沼に生育していた「ムジナモ」が絶滅したのもこれが原因と考えられる。           

 地下水位が下がると次第に地表は乾燥化が進み、その地域固有の湿地性の植物はまず衰退し乾燥に強い植物移行し、地表の乾燥化は次第に自然環境を変化させ生育する動植物に多大な影響を及ぼしていると考えられる。また地下水位低下による地表の乾燥化は、夏の暑さ厳しくするヒートアイランド現象を加速しているのである。

 館林(他の地下水を汲み上げている都市)が暑いのは温暖化によるものと、地下水汲み上げによる地表の乾燥化が原因していると考えられる。

 ちなみに館林市に3箇所ある地下水位を観測している観測井の、平成18年度の平均地下水位は、1号観測井:-17.2m 、2号観測井:-17.23m 、3号観測井:-4.41mで、深いところは地表から17mも下がってしまったところにあるのが現状で、浅いところでも4mである。

 地下水を汲み続けることによる地下水位の低下は同時に地盤の沈下を引き起こす原因となり、一度沈下した地盤は決して元に戻ることはないとされている。地盤沈下は道路の沈下・損壊、水道配管の漏水など、これらの長期に渡るインフラの補修・復旧に莫大な経費をつぎ込む原因にもなっている。

 以上のように地下水を汲み上げによる弊害は、地下水位の低下による自然環境への影響、ヒートアイランド現象の加速、池・沼・小河川の汚濁の進行、地盤沈下、道路を含む地下インフラの損壊等平野部においては計り知れない負の弊害がある。

 この解決策はこの水需要の水源を地下水依存から脱却し、将来100%表流水・河川水(県水)に移行していくことが重要であり、群馬県は表流水の確保に一層の努力が必要と考える。

3.表流水確保に「八ッ場ダム」は必要

(1)気候変動・異常気象による利根川水系の集中豪雨時の急激な増水をおさえ、利根川下流域の低地における堤防の決壊を防ぐ多大な役割がある。

 現在異常気象により関東地方に何時集中豪雨があってもおかしくない状況にあって、集中豪雨の際のダムの役割は下流の都市の安全確保に重要な受け皿となり、大水害防止に寄与する。

(2)上記2.による地下水くみ上げを中止し、県水(表流水)の供給能力拡大のための、水資源確保に群馬県にとって「八ッ場ダム」は不可欠であり、日量42.6万mの水需要を満たすには八ッ場ダムでもまだ足りない状況にあると考えられる。

(3)八ッ場ダムの完成により、水力発電による自然エネルギーの有効活用が促進される。

4.埼玉県の水需要

  平成16年度置ける埼玉県における水道水及び工業用水として1日当たりの地下水揚水量は72.5万mで群馬県と比較し1.7倍多く、現在約30%地下水に依存していると推定される。1985年代の埼玉県北東部は日本一の地盤沈下地帯であり、現在も沈下は進行している。埼玉県も群馬県と同様に地下水依存からの脱却を図るための表流水確保に「八ッ場ダム」は不可欠である。

 

 


埼玉県の水資源と環境問題

2013-11-18 22:23:50 | 自然環境

 

                          羽生市ムジナモ保存会(埼玉環境カウンセラー協会会員)

 埼玉県は全国で5番目700万を超える人口を有し、その多くの人が平野部の自治体に居住している。埼玉県は50年以前に水道水用の水源の多くを安価な地下水に頼り、資金のかかるダムへの投資に力を入れなかったため、利根川水系から十分な表流水の水利権が確保されぬまま、昭和30年代以降県内の自治体は現在に至るまで営々として地下水を汲み続けている。平成15年度埼玉県の水道水と工業用水の1日当たりの使用量は、およそ276万m3で荒川・利根川水系からの表流水の取水が約74%で、不足分の26%に相当する72万m3が水道水用の地下水と推計されている。県内平野部の各自治体は水道水として20%から多いところで、70%地下水を汲み続ける現状を残念ながら認識している県民少ないと思われる。

 地下水を汲み続ける結果起こる弊害・環境への影響は多岐に及んでいる。その環境影響は、1地下水位の低下、2地盤の沈下、3湧水の途絶、4河川汚濁の進行、5地表の乾燥化・ヒートアイランド現象の加速、6自然環境(動植物)への影響等があり、これらについて述べてみたい。

1地下水位の低下 

 地下水は雨水や河川水が地下に浸透することにより供給されており、埼玉県平野部では当初地下水位は比較的地表付近にあったが、昭和30年代以来供給されている量以上に地下水を汲み続けた結果その水位は低下してしまっている。従って供給量を上回る過剰の地下水を汲み上げる限り、地下水位は下がり続け上昇することはない。平成21年度県内各地の地下水位は、浦和6~17m、大宮13~14m、越谷7~14m、所沢60~62m、行田5~19m、深谷17~18m、加須19~20m、栗橋28mのレベルにあり、地下水の汲み上げを完全に停止しない限り地下水位を地表付近まで回復させることは艱難であると考えられる。

2地盤の沈下

 地下水の過剰な汲み上げにより地下水位が低下し、粘土層の水がしぼり取られ収縮により地表面が下がってしまう、これが地盤沈下である。過去の観測開始昭和36年以降累積沈下量が100㎝を越える地域は、越谷市、八潮市、三郷市の東部地域、川口市、鳩ケ谷市、戸田市、さいたま市の中央部地域、栗橋町、鷲宮町、幸手市、久喜市の北東部地域、所沢市,三芳町の西部地域があり、その周辺地域は累積沈下量が50㎝を超える地域が広範囲に広がっている。

これら地盤沈下は不等沈下による道路の損壊・陥没、河川の橋脚の損壊、建築物と道路の段差、埋設インフラ・水道管等の損壊、漏水の原因になっている。

3湧水の途絶

 県北東部地域では吹き井戸と呼ばれた湧水が各地に存在し、自社の吹き井戸で酒作りを行っていた酒造メーカーも多くあったが、その地域に簡易水道や、市の水道の深井戸が掘られ、地下水を汲み上げるようになって以降、次第に湧水が枯れてしまった事例が多くある。湧水の途絶による野生動植物の生育が困難になったものに熊谷市久下のトゲ魚の仲間の「ムサシトミオ」や羽生市宝蔵寺沼の食虫植物「ムジナモ」の野生絶滅はその一例である。

4河川汚濁の進行

 平野部市街地内を流れる河川は元来その地域で最も低いところを流れている、地下水位が地表近くにあった当時は常時地下水が自然に河川に浸み出し、あるいは湧水となって湧き出し、自然にこの水が河川の浄化機能を果たしていた。昭和20年代当初鴻巣市吹上町の元荒川にもムサシトミオが生息しており、子供のころ元荒川で泳いだ人の話では、冷たい水が足に触れることがあったそうである。子供のころ川や沼で泳いで局所的に冷たい水が足に触れた経験のある人は昭和30年代頃までは羽生市でも確認されている。元荒川のムサシトミオは現在では、熊谷市久下のごく一部に管理された状況で生息しているが、かつては下流の吹上まで生息していたのである。地下水を汲み続けた結果、数mから10mに下がってしまえば、当然河川への水の供給が途絶え、自然の流れ自浄作用は望むべくもなく、生活排水や雨水が主流となってしまった現在では河川の汚濁の進行は必然といえる。

5地表の乾燥化とヒートアイランド現象・夏の暑さを加速

 地下水位が地表から1~2mと浅いところにあった当時は、その地下水により地表の湿潤が維持されていたが、過剰な地下水の汲み上げにより埼玉県平野部の全域において地下水位は低下してしまった。地下水を汲み続ける限り、地下水位は地表付近まで上昇・回復することはなく、深いところでは50~60m下がってしまった地域もあり、浅いところでも4~5m程度である。

その結果かつて地表近くにあった地下水位の低下により次第に地表の乾燥化が進行し、ヒートアイランド現象を加速させ、夏の暑さの原因になっていると考えられる。

6自然環境(動植物)への影響

 自然環境への影響としては、地下水位が下がってしまった結果次第に地表の乾燥化が進み、乾燥に弱い動植物は衰退し、乾燥に強い動植物へと生態系の変化が進行している。長期に亘る変化のため、通常人の気が付かぬ間に生態系の変化が進行し、これに伴う動植物への影響は図り知れないものがある。植物ではミソコウジュ、カワジシャ、ワレモコウ等が減少し、動物ではイシガメ、ニホンアカガエル、カラスガイは殆どいなくなった。かつてどこにもいたメダカなど見つけることが困難になってしまった。

 今後人口減少に伴い水に需要量は余裕があり増加しないと言う人がいるが、自分が地下水に依存して生活している事実を知らない人が多いと考えられる。多くの水資源を地下水に依存している埼玉県、群馬県は、自然環境への影響を考えると極めて深刻な状況にあると思われる。地下水の収奪からの脱却を図るためには、新たな表流水の確保に力を注ぐ必要があり、八ッ場ダムの実現は埼玉・群馬県民にとって不可欠である。

 県土の保全・自然環境回復には、地下水の収奪を防ぐ手立てを講ずることが急務と考える。水道水の水源を地下水に頼るのではなく、100%表流水を確保すべきで、これが困難であるならば、莫大な費用が掛かっても、シンガポールのように下水の再生利用あるいは、海水の淡水化による水資源の確保を真剣に考えるべきである。