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【from Editor】武道が求める境地とは(産経新聞)

2010-03-12 15:40:17 | 日記
 大阪府警剣道部は剣道の達人を数多く輩出している。警察職員で剣道部を指導する石田利也さん(48)もその一人だ。ある会合で、石田さんから剣道の話を聞く機会があった。

 姿勢正しく、訥々(とつとつ)とした口調ながらよく通る声で語った。父親(故人)の勧めで小学校から剣道を始めた際、礼をしてから道場に入り、正座を手始めに基本姿勢を徹底的にたたき込まれた。礼に始まり、礼に終わるといわれる剣道とはどういうものか、体で覚えさせられた。そして、年齢を重ねるうち、なぜ礼が必要なのかを理解できるようになってきたという。

 石田さんの名刺には「剣道教士八段」とある。この称号と段位は、剣道界の最高峰の一角にいることを示している。高校から剣道のエリート街道を驀進(ばくしん)し、全日本剣道選手権大会の2度の優勝をはじめ、輝かしい戦歴を残してきた。だが、技が抜群にうまく強いからといって最高峰に到達できるわけではない。

 全日本剣道連盟の規定では、最高位の八段は、七段になってから10年以上を経て、年齢46歳以上になった者の中から選ばれる。「剣道の奥義に通暁、成熟し、技りょう円熟なる者」。3つある称号のうちの教士は「剣理に熟達し、識見優秀なる者」でなければならない。剣道は、ただ勝つことに専念するものでなく、礼節を重んじ精神の鍛錬をする武道であると説く。

 現在放送中のNHKの大河ドラマ「龍馬伝」で、剣術修行をしていた坂本龍馬はペリー率いる黒船を目撃して驚く。思い悩んだ揚げ句に「黒船に対して剣は役に立たない」と吐いてしまう。もともと合戦の武器であった剣(日本刀)は、武士としての身分を示す道具にしかなっていない現実を見てしまう。戦の武器は剣から銃、大砲へと移っていく。しかし、剣道は剣から竹刀による剣術へと変化しながらも、武士の精神を大切にする思想の流れは一貫している。

 では、礼節の具体的な形とは何か。例えば、試合で相手を打ち込んだ選手がガッツポーズをしたときを考える。試合直後、打ち込んだ選手に審判3人の旗が上がったとしても、合議の末、取り消しになる。剣道ではガッツポーズは礼に反する、やってはならない行為であるという。

 引退した大相撲の元横綱、朝青龍が、もし、剣道をしていたら、「教士八段」という称号と段位をもてただろうか。(大阪社会部長 内野広信)

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