湘南空手道連盟OB会

第1回湘南空手道選手権大会

昭和54年の第11回全日本空手道選手権大会の2週間前の
5月5日に辻堂海岸で第1回湘南空手道選手権大会が行なわれた。
これが湘南空手道連盟のスタートである。
当初は33名の参加予定者がいたが
当時はまだフルコンなる言葉もなく
極真のルールでやると聞いただけで参加選手がビビってしまい次々に欠場、当日にはなんと5名になってしまった。
トーナメント表も出来ており
そのままやるはずだったが
はじめから準々決勝もしくは準決勝では話にならんので
急遽総当り(リーグ戦)でやることになった。

笹本VS芦原戦(引き分け)

パン職人でもある笹本選手だが大会に備えてかなり稽古を積んできたようでスタミナ十分。対する芦原選手は横浜高校柔道部のOBで打撃もそれなりに研究している。
出だしは笹本選手が攻勢をかけて良く技が入る。



芦原選手が投げに入るが外される、豪快な後ろ回し蹴りを出すがモーションが大きく当たらないが追っ払うことは出来た。





阿部VS村田戦(引き分け)

優勝候補の1人である阿部選手は排球実業団のチームの責任者も務め体力は十分、
村田選手をジリジリ追い詰めるが村田選手も黙って押されていない。
全空連系の経験のある両者はお互い乱戦に持ち込まず引き分け。阿部選手の貫禄が光った一戦だった。





芦原VS白澤戦(引き分け)

もう1人の優勝候補白澤選手は長いリーチと安定した足腰を持つ選手だ。芦原選手の多彩な攻撃を凌ぎ確実に一発一発入れていく。しかし連続技が出ない。身長差をものともせず攻撃を続けた芦原選手の攻勢が目立った。





村田VS笹本戦(村田選手優勢勝)

絶えず前進する村田選手に対し笹本選手は飛び後ろ回し蹴りを出していく。



しかしそれでも前に出る村田選手の下段回し蹴りが効いてきてあきらかに下がりだす。



体力の差がはっきり出た一戦だ。



阿部VS芦原戦(引き分け)

お互いにテクニカルファイターでもあるのでいろいろな技が出た一戦だ。
個人的にはやや阿部選手が押していたと思うがクリーンヒットを一発もさせなかった芦原選手の技術が目立った一戦でもあった。





村田VS白澤戦(村田選手一本勝)

基本的には一撃タイプの白澤選手が村田戦に限って猛攻を仕掛けてきた。
正拳連打に左右の回し蹴りとガンガン繰り出していく。



しかし持ち直して逆に村田選手が下からボディアッパーの連打を出してそのままKOしてしまった。



あわてず正確に入れていく冷静さが目立った一戦だった。



阿部VS笹本戦(阿部選手優勢勝)

笹本選手が多彩にせめて攻勢が目立ち膝蹴りも入れていったが



そのあとの阿部選手の反撃が凄かった。笹本選手の蹴りを捌き



中段回し蹴りの連打がバシバシ決まった。



笹本選手が技ありを取られスタンディグダウン、阿部選手のバネのある蹴りが目立った。



村田VS芦原戦(村田選手優勢勝)

芦原選手の多彩な攻撃が目立ち良いタイミングで村田選手に決まる。



しかし中段回し蹴りをカットされてから流れが変わった。



右スネにダメージを負った芦原選手をさらに下から突き上げる攻撃を続けた村田選手の優勢勝ち。





阿部VS白澤戦(白澤選手優勢勝)

優勝候補同士の大一番はお互いに観合ってからの探りあいだが



阿部選手のほうがやや有利だったが一瞬の隙を白澤選手がついた



右上段回し蹴りがヒットし阿部選手がバランスを崩した。
さすがは大一番、一瞬の油断も許されない試合だった。

しかしこの試合で白澤選手は足を負傷し
白澤VS笹本戦は笹本選手の不戦勝となった。



MSG点数方式でのリーグ戦の成績は下記の通りである。

優勝  村田選手(多摩・永山)
準優勝 阿部選手(緑・池辺)
三位  白澤選手(緑・長津田)
四位  芦原選手(港北・大豆戸)
四位  笹本選手(保土ヶ谷・峰岡)
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