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父がくれた宝物 (子供の日に、ちなんで)

2012年05月04日 15時44分18秒 | 日記・ご紹介記事・つぶやき等

父がくれた宝物 (子供の日に、ちなんで)

      

土佐のくじらさんの日記からです

2012年01月08日


父がくれた宝物


私が、小学生の夏休みの時の話です。

父と、父の実家に数日間、滞在したことがありました。


父の実家は、高知県の山村の、平家の落人伝説の残る、
水墨画の掛け軸のような、僻地中の僻地の集落です。


父はとても無口で、不器用を絵に書いたような人でした。


夏休みと言っても、8月の終わり頃、
少し秋めいた風が吹き始めた、ある夜のことです。

夕食を終え、お風呂に入ろうか・・・という時に、
父は私に言いました。

「出かけるぞ。」
「お前に、宝物を見せてやる。」

そう言って、私を外に連れ出しました。

真っ暗闇のケモノ道に入り、木々の中、山中をしばらく歩きました。
子供心に、心細く、とても怖かったのを覚えています。

いくらほど歩いたでしょうか。
かなり暗闇にも眼が慣れ、足元の悪さも気にならなくなった頃、
急に開けた景色の場所に、父と私の二人は出ました。

私は言葉を失いました。
そこには・・・

満天の星空が、空一杯に広がっていました。

暗闇に慣れきった眼には、星々が・・・そう・・・

銀河の中心に、放り込まれたような、輝きに見えたのです。

「これほどの星々に、囲まれているんだ。」

そう思うのが精一杯で、言葉を失い、感動で涙が出そうでした。

筆力がなく、とても描写できませんが、
一つ一つの星が、とてつもなく大きく見え、
まるで、星が垂れて落ちてくるのではないか・・・

と、思った程です。

驚きの余り、言葉を失った私に、無口な父は言いました。

「お前が大人になり、もしも失敗して、無一文になったら、ここに来い。」
「一円も払わずに、手に入る宝が、ここにある。」

そして父は、続けてこう言いました。

「お前が大人になり、成功して、金持ちになったら、ここに来い。」
「いくら金を積んでも、手にできない宝が、ここにある。」

父も亡くなり、その場所がどこにあるかは、
もうわからなくなりました。

しかし父が見せてくれた、美しい星空は、
私の心に焼き付いて、今でもありありと思い出されます。

 

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/f9/8544b5f65ee10c5a85ea8d14830a632f.jpg


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土佐のくじらさんの、お話は、時々UPします。

http://blog.goo.ne.jp/ziyuunakaze/e/5e63cb5f0b20c4c96da20fd69f95b6bf

 


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