生物物理計算化学者の卵

分子動力学シミュレーション研究に関することを主に書いていきます

【ノーベル化学賞】緑色蛍光タンパク質(GFP)解説

2008-10-09 11:42:51 | シミュレーション動画
下村脩博士のノーベル化学賞受賞の功績であるGFPの解説動画を作成しました。

緑色蛍光タンパク質(GFP)解説


私自身はGFPに関してはほとんど知識が無く、あれこれ資料を短時間で調べて動画作成をしましたので、間違っている点が混ざっている可能性があります。もしお気づきの点がありましたらコメントをお願いします。

実験的な意義等は「有機化学美術館」でより詳しい説明がありますので、ぜひお読みください。
http://blog.livedoor.jp/route408/archives/51289424.html


GFPは分子シミュレーションに関係する学会でも時々みかけた覚えがあります。(あのβバレル構造は印象に残ります)
発色団周りの構造や水素結合の有無によって吸光・蛍光する波長が変化することをシミュレートしたりしていたと思います。

クラウンエーテルのイオン取り込み

2008-09-19 18:38:18 | シミュレーション動画
【分子動力学シミュレーション】クラウンエーテルのイオン取り込み


[15]クラウン-5がナトリウムイオンと結合する様子をシミュレートしたものです。

最初の計算ではすんなりとナトリウムイオンが結合したので、すぐに結合するだろうと混合イオン系の計算を始めたのですが、結合するまで随分と待たされました。
このようなランダムな衝突によって起こる反応をシミュレートする場合は、運が良ければすぐに計算が終わりますが、運が悪いと延々と待たされることになります。


計算条件
・分子動力学シミュレーションの実行はAMBERを、可視化はVMDを使用。
・温度300K(27℃)、1気圧。
・周期境界条件、遠距離相互作用はEwald法を適用。
・原子数は約1100個。

界面活性剤を入れた系のシミュレーションをやってみた

2008-09-15 16:27:11 | シミュレーション関連

「水と油の分離シミュレーション」動画で、界面活性剤いれてシミュレーションしたらどうなるの?という質問があったので試してみました。

ミセルができたりするかな?なんて期待しながらやってみましたが、あんまりきれいな構造にはならず、途中で断念。
やっぱりきちんと水・油・界面活性剤の比率とか、界面活性剤の分子の種類とかを吟味してからやらないといけないかな?

使用した分子

油は前回使用したペンタンをそのまま使用。

界面活性剤としてはカプリル酸のナトリウム塩を想定。
実際の石鹸等に含まれている成分はもっと疎水性の鎖(CH2)が長いですが、シミュレーションを行う際には、小さい分子のほうが都合がよいので、カプリル酸を使用。
カプリル酸ナトリウムを水に溶かすとナトリウムが外れ、Na+イオンとして溶け出すのでNa+イオンも入れました。

カプリル酸は疎水性の部分を白で、親水性の部分(COO-)は赤・青で描画しました。

MDシミュレーション 1ナノ秒経過後の構造

ペンタン‐水系のシミュレーションとは違って、1つの塊になることはなく、いくつかの塊に分かれました。

カプリル酸の油とよくなじむ疎水性の部分(白色)がペンタン(水色)と固まっています。
一方で水とよくなじむ親水性の部分(赤・青色)は水と接するようになっています。

ちなみにこのシミュレーション系の原子数は約6万。
私の手元のコンピュータでやるにはこのくらいのサイズで限界です・・・
1ナノ秒の計算でほぼ丸一日かかりました。


水と油の分離シミュレーション

2008-09-13 16:47:40 | シミュレーション動画

【分子動力学シミュレーション】水と油の分離シミュレーション


 

 

水と油の分離する様子をシミュレートしたものです。
油としてはペンタン(CH3-CH2-CH2-CH2-CH3)を使用。これを選んだ理由は常温で液体、分子サイズが小さい、疎水性の分子という条件を満たしていたからです。

計算条件
分子動力学シミュレーションの実行はAMBERを、可視化はVMDを使用。
・温度300K(27℃)、1気圧。
・MDシミュレーション時間は1フレーム200フェムト秒、1秒あたりは30fpsなので6ピコ秒。
・周期境界条件、遠距離相互作用はEwald法を適用。


水と氷の分子動力学シミュレーション

2008-09-13 16:41:16 | シミュレーション動画
水と氷の分子動力学シミュレーション


動画作成と、ニコニコ動画へのアップロード練習を兼ねて作成しました

ブログ開設

2008-09-02 23:22:45 | Weblog
これからいろいろなことを気が向くままに書いていきます。