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イリューシン Il-76

2011年07月18日 03時53分00秒 | 資料映像

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Il-76(イリューシン76;ロシア語:Ил-76イル・シェミジシト・シェスチ)は、ソビエト連邦のイリューシン設計局の開発した大型ジェット輸送機である。北大西洋条約機構(NATO)が用いたNATOコードネームでは「キャンディッド」(Candid:率直な、誠実な、の意)。


Il-76は冷戦下の1967年に開発が始まった機体で、6時間以内に5,000kmの距離を40tの貨物を運搬し、短く整備されていない滑走路でも使用でき、さらに飛行機が飛ぶ上では気象条件が最も悪い冬季のシベリアと北極地域でも運用できるという条件を満たすことが求められていた。

 

開発[編集]

イリューシンの構想の基本的なレイアウトはアメリカ合衆国のロッキードC-141 スターリフターと酷似していたが、それよりもはるかに機体サイズも大きくエンジンも強力であった。1971年3月25日に初飛行が行われた。

胴体延長型で輸送力の大きいIl-76MFは試作機が1995年8月1日に飛行したが、1997年頃にロシア空軍の緊縮予算のためにIl-76TFとともに生産不可能になった。民間用として近代化されたIl-76TD-90VDの開発は2004年から開始し、 ヨーロッパの騒音制限を満たすためにエンジンにPS-90を採用した。

2005年に中華人民共和国から30機のIl-76MDと8機のIl-78空中給油機が発注され、ウズベキスタンのタシュケントの工場にあった仕掛りの16機を完成させた。現在ではタシュケントで生産中である。またタシュケントの工場の協力の下ウリヤノフスクの新しい工場でも生産されている。.[3][4][5][6]

2012年7月5日に、グラスコックピットやデジタル装備等が搭載されている改良型が実験に引き渡された。

 

運用[編集]

Il-76は40t以上の積載能力のあるジェット貨物機としては最も広く使われており、世界の救援物資の90%を空輸している。その能力が買われて南極でも物資輸送に運用されている。南極で運用されるロシア機としては他にもAn-2などがある。

2005年8月ハリケーン・カトリーナによる災害の際には初めてロシアからの救援機としてIl-76が北アメリカに飛来し、ニューオーリンズとリトルロックに3回に分けて延べ6機が援助物資を輸送した。またインドからもIl-76が飛来している。

また消防飛行機としても多くの国での実績を積み重ねている。Il-76Pは比較的簡単に改造できる消防飛行機として1990年に発表された。VAP-2型給水タンクを1時間30分で取り付け、取り外しが出来、約40tの水を運搬できる。これはC-130の2.5倍の容量である。


構造[編集]

機体は高翼構造である。また4発のターボファンエンジンを主翼にパイロンで吊るす方式をソ連の大型航空機では最初に導入した機体でもある。機首下面には操縦席とは別の窓があり、ここには航空航法士が乗る。イリューシン76最大の特徴である。

 

 

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