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新国立競技場:突然「白紙」…都知事「朝令暮改やるな」
毎日新聞 2015年07月17日 21時39分
2520億円という桁外れの総工費に批判が高まる中、安倍晋三首相は17日、新国立競技場の現行計画を白紙に戻すと表明した。計画反対を訴えてきた人々は歓迎するが、寝耳に水の開催都市・東京都はいらだつ。一方、宙に浮いた2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)の主会場を巡り、関係者の思惑はさまざまだ。
◇都知事「あまり楽しい気分ではありませんね」「こういう朝令暮改をやるなと言いたい」。東京都の舛添要一知事は17日の定例記者会見で不快感を隠さなかった。
知事は6月29日に下村博文文部科学相から伝えられた「19年5月完成、総工費2520億円」を国の決定事項と受け止め、「できる限り協力する」と繰り返してきた。今月15日には都内で開かれたラグビーW杯の関連イベントで、前日本ラグビー協会会長でもある森喜朗元首相の笛を合図に、下村文科相、遠藤利明五輪担当相とラグビーボールでパス回しをするパフォーマンスも披露してみせた。
ところが突然、蚊帳の外に置かれた形。知事は「一切この瞬間まで何の相談もない」といらだち、国から建設費の一部負担を求められていることに関し「ゼロからやり直すということであれば、我々もゼロから見直すしかない」と突き放した。
17日夜にはツイッターで「この大失策に至った経過を検証し、責任者を処分することが不可欠だ」と国批判をヒートアップさせた。【飯山太郎、山本浩資】
◇見直し派
計画見直しを訴えてきた建築家の槙文彦氏(86)は「『白紙に戻す』が、可動式屋根付き複合施設をやめて、単なるスポーツ施設にするということであれば非常に結構な話」と語った。その上で「五輪開催後も考え『負の遺産』とならないようなシンプルなものにしてほしい」と話した。
槙氏らの建築家グループは6月、可動式屋根や、それを支える巨大なキールアーチ構造をやめる代替案を文部科学省に示し、約1000億円の建設費縮小を見込めるとして「見直しのラストチャンス」と訴えてきた。
元五輪女子マラソンメダリストの有森裕子さん(48)は「社会感覚から外れた計画には反対だった。やっと皆さんの思いが届いた」と政府の方針転換を評価した。これまでも元アスリートとして新国立競技場が負の要素となることを懸念し、発言してきた。
現行計画に反対する市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」のメンバーで景観問題などに詳しい日置雅晴弁護士は「最後まで突っ走って最悪の事態になるのを防いだ。情報公開して、市民参加型で議論してくれば良かった」と批判した。
計画見直しを求めていた経済同友会の小林喜光代表幹事は「ハードがすばらしいというのは新興国の考え方。(外観が)さえなくても、中がすばらしいのが理想だ」と述べた。【藤野智成、新井隆一、赤間清広】
◇ラグビー関係者
新国立競技場でのラグビーW杯開催が不可能となり、大会組織委員会の嶋津昭事務総長は17日、「大変残念な事態となったが、災い転じて福となすという気持ちで頑張っていきたい」と述べた。今後はラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」と会場変更などについて協議を進める。
ワールドラグビーは開幕戦と準決勝戦以降の試合は6万人以上が望ましいとの目安を設けており、現在の開催地12会場のうち、新国立競技場を除くと、当てはまるのは日産スタジアム(横浜国際総合競技場、横浜市、7万2327人)のみ。
スタジアムを所有する横浜市は改修に膨大な費用がかかることを懸念している。開幕戦や決勝戦を開催すると改修費がどの程度かさむのか、現段階で見通しは立たないという。一方、神奈川県ラグビー協会の丹治明会長は「神奈川は日本のラグビーの発祥地で、注目の試合ができれば光栄。今後の動きを注視したい」と期待した。【大島祥平、水戸健一】
http://mainichi.jp/select/news/20150718k0000m040097000c.html
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