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水産特区構想―新たな漁業のモデルに
大津波で壊滅的な被害を受けた漁業の再生に向けて、宮城県は、漁業協同組合が事実上独占してきた漁業権を企業にも開放する特区構想を打ち出した。
養殖などを営むには知事の免許が必要だ。漁業法により、地元漁協はこの権利を優先的に得ることができる。漁協は免許を受けた海区を小分けし、それを使った組合員が漁協に使用料などを支払う仕組みだ。
村井嘉浩知事が政府の復興構想会議で提案した水産業特区案では、加工や流通などに携わる企業が希望すれば漁業権を与え、被災地に法人を設立してもらう。新規参入を促して復興を支える狙いである。
大津波で船や養殖施設を失った漁業者の多くが、資金繰りに行き詰まり、撤退を余儀なくされるおそれが強い。
水産業特区では、撤退する人たちが使っていたエリアを集約し、新たな海区をつくって新規参入の法人に開放することなどが想定される。
そうした場合、権利の売買を認めれば、撤退する人も借金の返済などに充てることができ、生活を立て直すきっかけになる。いったん県が買い取って、それを新規参入の企業に売却することがあってもいい。
参入する法人に地元の漁業者を優先的に雇用するよう求めれば、社員として漁業を続けることも可能だ。
宮城県漁協は「漁業者をサラリーマン化する」「大きな企業は経営が駄目になったら撤退する」と反対している。
確かに参入しても、短期間でやめてしまえば復興の後押しにならない。漁業権を与える際に、20年程度は続けることを条件に盛り込めないか。
漁協側も復興プランがあれば、提案してもらいたい。
漁業権をめぐっては、内閣府が規制改革の一環として4年前から、漁協優先を見直して参入制限の緩和を求めている。譲渡可能な制度も提案した。
しかし、水産庁などは「大手資本が参入すれば地域の漁業者が疲弊する」と抵抗し、漁業法の改正は手つかずのままだ。
改革が進まない一方で、漁業が衰退の道をたどっているのは明らかだ。漁業者の数は、漁業法のできた1949年に比べて5分の1に激減した。乱獲による資源の枯渇も深刻だ。このまま放っていてよいはずはない。
基幹産業である漁業の復興なくして、被災地の経済は立ちゆかない。
新たな漁業のモデルをつくる。そんな意気込みで水産業特区を試してみる機会だ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20110524.html#Edit2
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
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