この冬に前のblogで絶賛したラーメン屋「菜な笑」。
今は、餃子やチャーハンや茄子の味噌炒めも提供する中華料理店に変貌した。
濃厚な、まるでブラームスの六重奏のような中声部のみっちり詰まったあの汁で、つけ麺を食することはもうできない。
こちらの下の方にかつての材料などについて記載があるのでよろしければ一読していただきたいものだが、とにかくワタシにとっては前代未聞の完成度だった。「だった」と書かなければならないことが本当に悲しい。
客が増えなかったのだ。何かちょっとしたきっかけ、例えばTVチャンピオンの誰かの目に止まってマスコミで紹介されるとか、ネットでもっと話題になることがあれば、あっという間に数多の有名店の仲間入りをすることも、またその中でも頂点として君臨することもできたと、ワタシは思う。
今日、店は繁盛していた。「○○定食!」という注文がひっきりなしに飛び交う。大切な宝を失った引き換えに、経営が安定するのだから、結果としては正しい方向転換だったのだろう。メニューのみならず、すべてのアルバイト、調理人、ユニフォームまで総入れ替えとしたところに、経営者の悲しい決断が込められていたのではないだろうか。
食べたつけ麺は苦い味がした。