斬剣次郎の鉄道・バス斬り2

管理人が撮影した鉄道・バスの写真をUPします。

ユーロツアー80貸切会

2016-10-02 23:27:48 | バス
 9月25日に
 ユーロツアー80貸切会
 が開催され、お誘いをいただきましたので、参加してきました。その時の様子をレポートします。



 ユーロツアー
 は日デのフィリピンが日本向けに製造した観光車で、ヨンケーレ社の技術供与によって生まれたモデルです。基本的にフィリピンで生産されているので、低コストがポイントでした。1996年に発売され、東京空港交通が100台以上の大量投入を始め国内各地に投入されていましたが、品質や整備性などに問題があり、2001年を最後に製造中止となってしまいました。ユーロツアーは最終投入が2001年である事が故に経年のために引退が進み、最大ユーザの東京空港交通では2015年に全廃となっています。
 茨城交通では2000年に79~81の3台が投入され、高速バスに充当されていましたが、一部が引退しており、予断を許さない状況です。尚、茨城交通向けは高出力が選択されているようで、JA530RANとなっています。




 ユーロツアーの特徴といえば、
 窓周り
 です。元々ユーロツアーは欧州のバスをベースにしている事から、窓周りがいかにも日本らしからぬ造りになっています。逆T字窓の窓枠が細いんですよね・・・。日本のメーカーなら太くするところなんですよね。それだけではありません。窓枠の多さや窓枠の大きさが不均一になっている事もポイントです。これは車体の剛性を優先した結果です。日本なら美観優先で窓枠を均一かつ均等にしているんですよね・・・。また、安っぽい感じがありますね。



 車内です。補助席付きの4列シートとなっています。まぁ、どちらかというと高速バスとしては標準的な座席配列となっています。でも、シートカバーに茨城交通の文字が入っている点はご愛敬ですね。




 便所です。茨城交通のユーロツアーは元々高速車として投入された事もあり、後部にトイレが付いています。しかし、そのトイレはユニット式のようです。構造そのものは国産とあまり変わりませんが、トイレに窓が付いている事がポイントです。スモークガラスになっている事もあり、外からはさすがに見えませんが、中からは外がはっきりと見えます。しかし、トイレと窓枠の位置が中途半端な感じがあります。


 冷房の吹き出し口と電灯です。吹き出し口は回転させることによって塞ぐ事が出来るのですが、しっかりと出来ているんですよね・・・。


 運転台です。元々日デの車両とあって、標準的な日デタイプとなっています。シフトはフィンガシフトとなっていますね・・・。


 80は現役の高速車なので、運賃箱が付いています。ただ、ICカードには対応していないため、レシップ製の旧型のを付けています。


 先頭部についているドアコックですが、ユーロツアーは前面灯の側に付いていて、ドアコックを操作するためには何と前面灯カバーを開ける必要があったのです。こういう構造は面白いのですが、何か分かりにくい感じですね・・・。あのBRC並みでしょうか?



 ユーロツアーに掲げられている日デのエンブレムと銘板です。ユーロツアーは外車をベースにしているとはいえ、元々日デの車両なので、「UD」の表記が各所で見られます。しかし、エンブレムいいですね~


 さて、貸切のスタートは
 笠間営業所
 です。80号車は笠間所属で、秋葉原~笠間・益子間の関東やきものライナーに充当されています。なので、80には関東やきものライナーのボードなどが用意されていました。ここで数名の参加者が集まり、出発します。笠間を出て、やきもの通りなどを通り、水戸線と並行する道路を通ってゆきます。


 そして、笠間から約15分で
 友部駅
 に到着し、残りの参加者と合流します。概ね2人掛けシートに1名づつといった感じでした。しかし、よく考えてみると友部駅に高速車が来る事は滅多にないですよね・・・。にしても、友部駅変わりすぎです(旧駅舎以来行ってなかったもので・・・)。


 友部駅を出て約15分で
 茨城交通鯉渕営業所
 に到着しました。鯉渕営業所は元々茨城オートの営業所でしたが、茨城交通への吸収によって茨城交通の営業所になりました。鯉渕営業所って意外と友部駅に近いんですよね・・・。駅から県道105号線で東に行くだけでしたからね・・・。
 営業所に到着するといきなり茨城オート塗色の日デRMがお出迎えしていました。ここで撮影会です。







 まず、茨城オートからの引継ぎ車である日野ブルーリボンの111Hによる幕回しが行われました。幕は茨城オート時代そのまま残っており、茨城オート独特の表示スタイルも健在です。特に友部駅発着路線の循環線の表示スタイルは特徴あっていいですね・・・。更に廃止路線の表示も残っていました。岩間駅~茨城町役場線など・・・。




 そして、茨城オートからの引継ぎの日野+富士7Eや元東武バスのいすゞ+富士7Eや特別支援学校スクールバスの新型エアロスターの撮影会も行われました。茨城オート色の車両はごく一部の中型車が茨城交通色に変更されたぐらいで、全ての大型車や大半の中型車はそのまま茨城オート色で残っているんですよね・・・。
 そして、鯉渕はオート時代から特別支援学校(養護学校)のスクールバスを受託しており、専用車も多数いますが、専用車の代替に当たって茨城交通色の新車を入れるようになったんですね・・・。しかも、三菱ふそうとは(オート時代から日野を入れていましたからね)。



 鯉渕を出て約20分で
 イオンモール内原
 に到着しました。イオンモール内原には路線バスが乗り入れていますが、高速車が乗り入れるのは滅多になく、しかも駐車場に乗り入れですからね・・・。貸切となるとコンビニなどに路線車を乗り入れさせるのは定番になりつつありますし(今回のユーロツアーはれきっとした路線車ですし)。
 ここで昼食休憩です。


 休憩を終えてイオンモール内原を出て、常磐道の水戸ICを通りかかりました。この近くには大塚バス停があり、みと号の大塚ルートがここを通っています。あっ、よかっぺ号もここを通りますね・・・。しかし、バスは赤塚駅方面へは向かわずに国道50号線をひたすら通って南下していきます。そして、県庁に近づくと、そのままみと号県庁ルートに従って進んでいきます。



 そして、バスは
 水戸駅南口
 に到着しました。ユーロツアーはかってみと号に充当されていましたが、今は既にみと号の運用から離れているみたいなので、久々の乗り入れなんでしょうね・・・。過去にみと号に入っていたユーロツアーを水戸駅で撮影した記憶があります。




 水戸駅南口でフォトランを行いました。水戸駅南口は再開発によって近代的な雰囲気になっていますが、ユーロツアーもその中に染まって走っていました。でも、後輩たちの中に混じって走っている姿は印象的でした。


 水戸駅南口を出発し、先ほど行った道をそのまま引き返す形で進み、
 県庁
 に到着しました。みと号県庁ルートは県庁を通るものの、バスターミナルには乗り入れないのでユーロツアーがバスターミナルの中に入るのは珍しいかと・・・。



 県庁にてユーロツアーの撮影会及び幕回しが行われました。幕にはいろんな行先が入っており、東京駅行きはもちろん、特急などの表示もありました。


 県庁を出てみと号県庁ルートをそのままなぞる形で南下していきます。そんな時、県自動車学校では県庁ルートに充当された茨城交通の東京駅行きのエアロエースに追いつき、そのまま抜き去りました・・・。丁度バス停に到着したところのようで、乗客はエアロエースの後ろに現れてきたユーロツアーの姿にさぞ驚いたのでしょうね・・・。こっちも高速車ですが、貸切運用中なので乗車できません(笑)



 茨城町東ICから
 東関東道
 に入りました。高速車らしく高速道路を通ります。因みに茨城町東ICの近くには三菱ふそうのディーラーがあり、関鉄観光バス向けのエアロエースが置いてあるのが見えました。



 高速道路を快走しています。ユーロツアーは車軸懸架ゆえ操縦安定性に欠けるという難点がありますが、高速道路やと尚更でしょうね・・・。茨城町JCT、友部JCTと短距離で二つのJCTを通りますが、こっちは友部JCTで常磐道に入ります。しかし、常磐道に入ってすぐに・・・


 友部SA
 に到着し、ここで休憩に入りました。当初はここで撮影会を行う予定でしたが、環境面などで断念し、単なる休憩で終わりました。でも、隣には新常磐交通のいわき号が丁度休憩しているところで、車両が並ぶ形になりました。
 友部SAにはETC専用のICがあり、バスはそこを通って高速道路を出ていきます。暫く走り、友部駅に到着し、ここで半数以上の参加者が下車して行きました。



 そして、行きと同じルートを通って
 笠間営業所
 に到着し、ここで貸切はお終いとなりました。最後にちょっとした撮影会を行いましたが・・・。


 今回はユーロツアーを貸し切っていろんなところを回ってきたのですが、ユーロツアーは東京空港交通が大量に投入したものの、全国的に投入例があまり少なく、見かける機会も少なかったです。なので、1度も乗車した事が無く、今回の貸切で初めて乗車する形になりました。ユーロツアーに乗車してみて、ユーロツアーの特徴を色々眺めたり、感じたりすることが出来ました。全国的に数を減らしているだけに乗車できるチャンスは今回で最初で最後になりそうな気がします・・・。
 主催者様、運転手様、参加された方々、お疲れさまでした。そして、この場にてお礼を申し上げます。おかげさまで充実した一日を過ごすことができました。
 以上です。

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2 コメント

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ユーロツアー (本郷学園)
2016-10-06 17:25:45
ユーロツアーはもともと日産ディーゼルのフィリピン現地法人NDPC(日産ディーゼルフィリピン)が製造したいわゆる“逆輸入車”で、日本到着後の完成前検査は富士重工の担当でした。正式には「スペースアロー ユーロツアー」という名称だそうです。このユーロツアーは東京空港交通で数回乗ったことがあります。
東京空港交通で日産ディーゼル/UDトラックス車が増加したのはこのスペースアローを大量に導入したことがきっかけで、その後もUDがバス事業を終了するまで富士重工や西日本車体製のスペースアローを積極的に導入、それまで主力だった日野や三菱ふそうに代わって主力となっていました。
茨城交通は現在日立駅と羽田空港を結ぶ路線を日立電鉄交通サービス、京急バスと共同で運行しており、かつては東京空港交通も算入し(現在は撤退)、両者のスペースアローが運行される路線でもありました。
Unknown (斬剣次郎)
2016-10-14 01:08:22
 本郷学園様
 コメントありがとうございます。

 東京空港交通に投入された車両は大量入っただけにいろんな路線に入り、茨城県でも姿を見せていたんですね。

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