29日、気象庁の地震防災対策強化地域判定会(いわゆる判定会)から
今月の 『 東海地震に関連する調査情報(定例) 』 が発表されました。
これは、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況について、主に前回の判定会(平成28年7月25日)以降の調査結果を取りまとめたものです。
それによると、先月に引き続き、「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。」
とのことです。
国や自治体等で特別な防災対応はとられず、私たちも普段通りの生活をしていればよいというカラーレベル青(定例 - 表の下段)の発表です。
具体的には、最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)
「1.地震の観測状況
愛知県の地殻内では、平成28年4月頃から地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
7月25日から8月5日にかけて、三重県から愛知県西部のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。
2.地殻変動の観測状況
GNSS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。
平成25年はじめ頃から静岡県西部から愛知県東部にかけてのGNSS観測及びひずみ観測にみられている通常とは異なる変化は、
平成27年半ば頃からは、やや緩やかになっていますが、依然継続しているように見えます。
また、7月26日から8月7日にかけて、三重県、愛知県及び静岡県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しました。
3.地殻活動の評価
平成25年はじめ頃から観測されている通常とは異なる地殻変動は、浜名湖付近のプレート境界において発生している「長期的ゆっくりすべり」に
起因すると推定しており、 平成27年半ば頃からは、やや緩やかになっていますが、依然継続しているように見えます。
そのほかに東海地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られていません。
一方、上記の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域より西側の三重県及び愛知県西部のプレート境界深部において発生した
「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
以上のように、現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。
なお、GNSS観測の結果によると「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が、小さくなりつつありますが東海地方においてもみられています。」
この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成28年8月29日判定会(定例)「地震防災対策強化地域判定会会長会見」 のページ、
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。