10/26は原子力の日. 原子力---微妙...と思っていたら是非御一読下さい。

2007-10-24 20:31:11 | Weblog

(転載自由)

1 核燃料は原子炉で使ったあとは放射能が1億倍の厄介なゴミになる。
燃やせば減るかと思えば大違い。
よって 掘り出した山に元のようにうすめて戻すことはできない。
 深海に捨てる案も1980年頃検討されたが、大平洋の国々が反発(当然)。
宇宙に捨てる案は万一ロケットが落ちた時全世界が汚染。
 地層処分はたて穴の上部等から地下水が浸入。放射能ゴミをくるんで高温となったガラス容器と反応して割れるおそれ。花崗岩層のコアサンプルにもひび割れや変色が認められ地下水が通っていることが推定される。

2 原子炉は1000気圧の圧力釜
台所の100Kpaの圧力釜は2気圧。
 金属疲労(クリープ現象:応力による材料の変質)で突然割れて冷却水が抜ける。(美浜原発1991.2.9)中が高圧のため水が充分注入できない。
 中の水が抜けると空焚きになってメルトダウン。(スリーマイル1979.3.28)

3 原発労働者は1年働くだけで5000人に1人が放射能被曝でガンになる。(広島放射線影響研究所の評価値で計算)(諸説1500-15000人に1人。)
日本全体で1年に20人が発電職業被爆で将来ガン死へ運命づけられている。

4 使用済核燃料は冷えるまでプール(だいたい10m深の25mプール)につけて保存。3年でプールは一杯になる。
 万一プールの水がぬけるとメルトダウンがはじまる。(毎年1000トン。すでに20000トン。プール1つに3000トン)
他に低レベル廃棄物がドラム缶100万本分。

5 環境にやさしい??
廃熱は周辺海水温を上昇。

6 火薬ほぐしのように危ないプルサーマル。
再処理工場、廃液の冷却水もれによる爆発事故
ウラルの核惨事(1957.9.29) 1000 Km2 (半径 20km相当)が、人のすめない地域に
プルトニウム抽出中に冷却のための撹拌がとまると爆発危機。(フランス、ラ.アーグ再処理工場1980.4.15)
 輸送トラックの事故。道路に放射能がまきちらされる。(アメリカ1985.8月)

7 四国本川の揚水発電所60万kwは黒四ダムの2倍のパワー。
原子力は電力需要に応じた出力の微調整ができない。余った電力をすてたり、運転中止に対応するためバックアップのためのムダな発電所がつくられている。

8 地震で...
燃料棒周辺に振動が伝わって暴走(中性子濃度の変化)。(福島1983.7.2、1987.4.23、女川1993.1.27)
 チェルノブイリは暴走が始まって40秒で爆発。
 海水面がさがると冷却不能でメルトダウン。

9 伊方原発(愛媛県)がみえる場所でトンネル工事をしていた関係者の知人から私が聞いた話。 破砕帯が2か所、(ほると上からざらざら破片がおちてきて とまらない状態。薬液の注入などでとめるそうです。)昔、地層のずれでおしつぶされた証拠。そもそも伊方原発は構造線のうえに乗っている。

10 新世代エネルギーは天然ガス(可採埋蔵500年分)による燃料電池。
周辺国家も同様に核のリスクをかかえている。
 先進国日本として見本となるよう、世界60億人が仲良く暮らせるエネルギー政策を模索すべき。
(2019年追記) スズ化合物(Sn3O4)を触媒として、水に太陽光をあてることで、水素を取り出す技術ができている。 また熱に接触させると発電する素子ができている。 (斎藤勝裕 『世界を変える電池の科学』2019年3月シーアンドアール研究所)

参考書:
広瀬隆、藤田祐幸『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』東京書籍2000.11.18
西尾漠『新版 原発を考える50話』岩波ジュニア新書2006.2.21
原子力白書
西尾漠『むだで危険な再処理』 2007.2 緑風出版


私は本で勉強するまでは、原子力発電はCO2削減にもなるし、何とかなると思っていました。
特に自分の考えを変えざるを得なかったポイントを列挙させていただきました。
原子力発電の労働者は、少なく見積もっても1万人に一人の確率で「人身御供」1年に10人が将来ガン死へ運命づけられているのが現状。これは、交通事故死の確率でもあります。しかし因果が証明し得ず労災など補償されません。
医療的な立場から・・・
医師法19条1項により医師は診察治療の求めがあった時は、正当な理由がなければ、これを拒むことができません。原子力発電所事故や核戦争で被曝した放射 能を帯びた人々に対応する義務があります。共倒れは必至であり、医師は手を取り合って、核兵器や原子力発電に反対の声明を出すべきではないでしょうか。


 2017年6月追加  :必読の本
岩波新書 『原子力発電』(武谷三男)
 40年前の本(1976)なのに、ほかの原発関係の書と一線を画する。それもそのはず。著者の経歴参照。
 武谷三男; 京都帝国大学理学部を卒業後、湯川秀樹と素粒子論の研究を進めた。反ファシズム運動に参加したため、2度にわたって検挙された。戦時下には原子爆弾の開発(ニ号研究)にも関わっていた。

書籍の内容より;
・アメリカの濃縮ウラン政治戦略にそのまま乗ることはない(アラブ諸国による石油価格決定力を弱める)
コメント;本当に日本の将来を考えて原発を始めたのかいよいよ怪しい。

・炉内、減速材、黒鉛は、ブロック3万個(1600t)を積み上げた巨大な積み木の山
コメント:福島ではこれが崩れたのでは?

・燃料棒のうすい(0.6または0.9mm)ジルカロイ(ジルコニウム合金)のさや 高温状態で水蒸気と反応して水素を発生 1000度を越すとこの反応は目立って速くなり、1500度では10分もたたぬ内にボロボロに崩れる 1900度になると反応は爆発的におこる。
コメント:福島で正にこれがおこったのでは?

他の書籍より;

武谷三男 『罪作りな科学』 (1998 青春出版)p195
・潜水艦からロケットか何かで原発をポカポカやられたら、日本はひとたまりもありません。(だから)憲法9条は日本の死活問題

『安全性への考え方』 (1967 岩波新書)
・学者たちの不勉強に基づく”科学水準の後進性”と、法学で使われる局地的な”社会通念”を混同してはならない。(サリドマイド薬害へのコメント) {由太郎注;日本局地は低レベルだと嘆いている}。

 

 

 


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