たぬきの美術研究室

たぬきによるたぬきのための、美術の考察だったり好きなものを紹介したり日常についてつらつら語るための場所。

子どもの遊戯(ブリューゲル)

2011-01-19 | 美術(西洋)

今日の一枚は、フランドルの画家ピーテル・ブリューゲル(1525~30?-1569)が

1560年頃に描いた「子どもの遊戯」です。

なんだかごちゃごちゃした絵ですが、よくよく見ると、この絵の登場人物たちは

それぞれ当時の子ども達が実際にやっていた遊びをしているんです。

たとえばこちら、

中央よりやや右下で、男の子達が馬とびをしてますね。

また、

左下の隅で女の子がお手玉であそんでいて、

真ん中上の建物の前では、男の子が

手すりのようなところにぶら下がって遊んでいます。

その後ろで棒を指先に立ててバランスごっこをしてる子もいる。

他にも探せば、竹馬、影ふみ、目隠し鬼で遊んでいる子がいるんですよ。

なんでも総勢260人くらいの子ども達がいて、90種類もの遊びが描かれているんだとか。

なんて気が遠くなるような数なんだろう・・・

描くにも根気が要りそうですね。

ブリューゲルは、他にもことわざがいっぱい盛り込まれた絵や農民の婚宴を描いた作品など

当時の風俗を一枚の絵にぎゅっと凝縮した作品を多数残しています。

よって、その時代のことを知りたい歴史学・民族学者などにとって貴重な資料にもなっているのです。

 

この絵はオーストリアのウィーン美術史美術館に収蔵されています。

ブリューゲルの絵は何回見ても新しい発見ができ、見れば見るほど奥が深くて楽しめるのが魅力です。

今回の絵の他にも紹介したい良作があるのですが、

それはまたの機会でご紹介しようとおもいます。

 

 

<たぬき>


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2 コメント

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Unknown (まり)
2011-01-20 00:56:34
ブリューゲルの絵は美術以外の授業でも見たことあるよ!
面白いよね(^w^)
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 (たぬき室長)
2011-01-21 09:30:32
まりさん>

世界史の先生とかはブリューゲルの作品をよく知ってるかもね。

私も大学でちょいちょい見せられた思い出があるわー(´ω`)
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