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日本の「ルールなき資本主義」のなりたちと解決策

2017-02-19 04:12:25 | 日記
世界的に資本の横暴な搾取から労働者とその家族の身を守る「社会的バリケード」が発展してきたころ、日本はどういう状態だったのでしょうか。
 イギリスの労働者が10時間労働法を勝ち取った頃、日本は徳川幕府の時代です。1917年のロシア革命の時には、日本は大軍をシベリアに出して、革命鎮圧をめざす干渉戦争の先頭にたちました。日本国内では、「社会的バリケード」の世界の流れを学ぶどころか、社会運動への大弾圧が行われました。フランスで労働者が有給休暇を勝ち取ったなどヨーロッパで人民戦線が広がった時代には、1931年の「満州事変」はすでに始まっており、1937年の中国への全面侵略戦争に進む戦時体制強化の時代でした。日本にも労働組合はありましたが、ストライキなどは「国民の敵」とされました。
 このように「社会的バリケード」の世界的な発展の時期に、日本は専制政治の体制下にあり、資本の横暴を抑えるルールづくりどころか、労働者、国民の無権利状態が強まる一方という状態にありました。
 敗戦後、ようやく政界のそういう流れに接する条件ができましたが、労働時間の制限という根本のルール自体が「賃金さえ払えば長時間労働もこれまでどうり」という調子で受け取られ、その社会的弱点が解決されないまま今日まで続いているのということです。
 失業の問題は世界共通ですが、ヨーロッパ各国では失業保険の額も多く支給期間も日本よりはるかに長く、次の仕事までの職業訓練の仕組みもずっと整備されています。
 こうした結果から、ここ10数年でみても、日本ほど賃金総額が下がっている国はないのに、資本だけがぼろ儲けで膨大な内部留保をため込んでいるということなのです。

 こんな日本の状態を経営者の立場から見て、危機的だと考えて、転換を提唱した財界・大企業の代表者がいました。ソニーの会長であった盛田昭夫氏(1921年~1999年)「文芸春秋」の1992年2月号に「『日本型経営』が危ない」という論文を書いて、こんな経営をやっていると世界から相手にされなくなるという警告を発しました。私も学習のため現物を購入して読みました。
 日本のこの状態をどうやって抜け出すのか。盛田氏が出した結論は、日本の経済社会のシステムを変えて、社会がすべての企業にこれを強制する仕組みをつくるべきだ、という提案です。なぜか、個々の企業でやると、必ず競争で叩き潰されるというのです。
 マルクスも「社会による強制が必要だ」と言いましたが、資本の代表が「社会的強制が必要だ」同じことをいったのは、物事を真剣に考えると同じ結論に達するということでしょうか。

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