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近代自然科学は、弁証法的な見方で発展

2017-05-06 04:44:03 | 日記
昨朝は、石頭式な形而上学とは何か、みたので、反対に弁証法的な見方の3つの特徴をみます。

 1、ものごとをバラバラでなく、連関のなかでとらえること。
 2、ものごとを不動の固定したものとしてではなく、変化、運動、発展のなかでとらえること。
 3、不動の対立や固定した境界線をみとめず、ものごとにある対立した側面や契機を見落とさないこと。ある場合には、この対立が変革や
   発展の原動力になる。

 エンゲルスはこのことを、「事物とその概念による模写を本質的に、それらの連関、連鎖、運動、発生と消滅においてとらえる弁証法」と特徴づけています。
 そして、自然科学と弁証法との関係も根本から変わったとします。「自然は弁証法の試金石であり、近代の自然科学はこの検証のためにきわめて豊富な、日ごとに積み重ねられていく材料を提供し、そのことによって、自然においては、結局、すべてが形而上学的にではなく弁証法的におこなわれていること、自然は永遠に一様なたえずくりかえされる循環運動をしているのではなく、本当の歴史を経過していることを証明した、とわれわれは言わなければならない」と書いています。

 そして、自然を弁証法的な変化のなかで見るという見方の例に、ダーウィン(1809~82)を上げています。ダーウィンの進化論です。カントは、観念論(不可知論)の哲学者ですが、カントは、太陽系は星雲上の物質の回転する塊のなかから生まれてきたという太陽系の発生論を書きました。これはのちの天文学によって見事に証明されています。

 またエンゲルスは、生命とはなにか。「タンパク質の存在様式である」と書きました。その後の研究によりそれは見事に証明され、同時にタンパク質と核酸が結びついて生命活動を担っていることがわかりました。20世紀の後半に、タンパク質をつくったりする司令塔の役目を果たしている核酸の集合体DNAがつきとめられ、エンゲルスの指摘を現在的に言い直せば、「生命とはタンパク質と核酸の存在様式である」ということになります。

 このように近代自然科学は、弁証法的な見方で実証され発展してきたのです。よっていまでは生命論の領域でも観念論の成り立つ余地はなくなっているのです。   つづく