伊豆の夢を拓く 菊地ゆたか

伊豆には日本の全てがあります。天城連山、狩野川、海、里、温泉。閉塞感のある現代こそ、夢を、未来を語りたい。

こういう手もある

2007-06-29 15:39:53 | Weblog
 僕は、マコトに残念ながら、小学校の同級生たちには全く信頼されていません。その理由は「給食」にあります。

 40年以上も前のことです。当時、狩野小学校(映画「しろばんば」の舞台となった木造の校舎)は校内の調理場で「給食のおばさん」が調理してくれていました。おばさんに責任はないのでしょうが、とにかく嫌いだった。その最たるものが肉。給食に肉が入っていると全く食べることができず、一番楽しい昼休みの時間を全て潰して、泣きながらカネの食器と向き合っていました。
 5時間目が始まる前にようやく許され、自分でお盆を抱えて調理室に行き、「ごめんなさい、残しました。」 これがほぼ毎日ですから、「児童虐待」と言わずして何と言おう! 狩野小は1学級で、全員が6年間(狩野保育園も入れれば7年間)同じクラスですから、菊地少年に敬意を抱く同級生などいるわけがないし、その関係は40年間維持されてしまうことに。

 僕はずっと、「給食廃絶協議会ができたら、オレが絶対会長になってやる!」と思い続けていました。でも、まあ、大人になって冷静に考えれば、子供の栄養を考えるのは大人の使命。それに、給食でないと母親の負担も大きくなるし・・・。

 そんな折、ふと立ち入った修善寺駅前、JA伊豆の国修善寺支店の裏にある食堂「千草」。親父さんが、「うちはカレーライスが自慢。全部ミキサーで混ぜてしまう。」 試してみたら、本当に肉も野菜も形がなくなるまでに砕かれ、混ぜ合わされています。とても美味しく、完全喫食させていただきました。
 
 子供には、なるべく好き嫌いを作らせない工夫が良いのでしょうが、こんな手もあるのかな、と。

景観について

2007-06-29 10:52:19 | Weblog
 伊豆日日新聞の「記者コラム」で、伊豆域内道路沿いのゴミについて再三指摘されています。その主旨に大いに賛同しますし、5月10日付のブログで記したように、街から見えないところに捨てられた粗大ゴミだって大問題だと思います。

 ただし、ここで触れたいのは、ちょっと別の観点。同じ廃棄物なのですが、もっと規模が大きいものです。それは、旅館や住宅の廃屋。かつて熱海などでも大きな議論を生んだようですが、観光地、景観が命であるところで、廃屋の処理は大変難しい問題です。処理の方法を大別すると、商業・住宅地域では、「新たに建設するものを周辺景観と調和させること」。そして観光地では「更地にすること」だと思います。自然そのものが財産である湯ケ島や土肥では、「何も作らないこと」が景観改善策であることを共通認識にしてもらう必要がある。

 いちばんの障害は、私権との関係でしょう。ここで写真を出せないのも、処理策が決まっていない物件(廃屋)を特定できる形で言及することは、むしろ解決を遠ざける可能性が高いので。私有地の処理に公金を投入する場合には、何らかの工夫が必要でしょうし、社会的に好ましくない勢力が関与している可能性も否定できません。

 いずれにしても、「廃棄物を撤去して、美しい景観を築き上げる」ことは伊豆の価値を高めること、そしてその廃棄物には大小様々なものがあり、私権が複雑に絡んでいる場合がある、ということの事実認識を共有し、その上で実行可能な解決策を模索する努力が必要なのではないでしょうか。

ちょっとコマーシャル

2007-06-25 21:46:48 | Weblog
 以前、次のようなコメントをいただきました。
 
『伊豆の玄関を、「ゲームセンターでなく、英会話教室にする。きれいな、玄関先にする。」 とても、素敵な考えだと思います。遠くまで、通えない人のためという所だけが、ポイントですか? 興味があるので、内容、特徴知りたいです。特記すべき他の教室とのちがいとかも、もし、あるのなら教えて下さい。』

 自分のビジネスのことなので、ブログで取り上げるのは控えていたのですが、ちょっとCMタイム。

 僕は、合計6年、自衛官としては異例に長い国外勤務を経験しました。その際、いつも考えていたこと、「伊豆は良いなあ、故郷は良いなあ。」 日本が大国であり、「何かの時には国がバックアップしてくれるだろう。」という安心感も大切ですが、真に自分を支えてくれたのは「素晴らしい故郷があるという誇り」でした。

 外国語、外国の文化を学ぶことで、日本の良さ、伊豆の素晴らしさを子供達に(大人の方にも、ですが)教えてあげたい。これが英会話教室を手がけた理由です。また、静岡空港開港が2年後ですので、今から始めてもらえれば、初心者の方でも何とかお客様の相手をできる程度にはなる、という思いもありました。それが中国語も始めた理由ですが、残念ながら中国語の方はまだ生徒さんがいません。

 僕は、英語とドイツ語を数カ所の学校や教室で勉強しましたが、特に大手の英会話教室が「?」。最近話題になった最大手も幾度か通いましたが、レッスンを取れない、ということに本当に苦労しましたね。それに、全く不要のテキストも。そんな不満を排除した、生徒さん志向の学校を作りたいと思っています。まだ道半ばですが、先は長いので少しずつでも前進していればOK。

 修善寺の店先に椅子とテーブルを置きたいのですが、白の鉄製(ペンションのテラスにあるようなヤツ)と丸太作り、どちらが良いかな? どなたか、アドヴァイスを!

女性パワー(2)

2007-06-24 21:19:49 | Weblog
 静岡県の人口が微増している中で、残念ながら伊豆市の人口は減少傾向にあります。何とか子供を増やす施策が必要だと思いますが、人口全体を増やす方向に持って行くことは至難の業であり、下げ止めることが現実的目標の最大値かも知れません。

 そこで、以前に記したとおり、女性達に大いに活躍してもらう必要があります。河津桜が盛りの頃、某厚労相が「女性しか子供を産めないのだから、ひとりあたりで頑張ってもらうしかない。」と発言し、大顰蹙を買ったことがありました。僕がここで述べたいのはそんなことではなく、「男性と同じ役割」についてです。考えて見れば、出産は女性にしかできないけれど、男性にしかできないことって、あんまりありませんよね。

 でも、そのためには、まず女性達から街作りや社会のあり方について声をあげてもらわなければなりません。「意見を言うのも、決めるのも男。女は、男が決めて実行する際に、ちょっとだけ手伝え。」と言われて、やる気がでる女性などいないと思います。もちろん既に、考え、意見を述べ、計画立案し、実行に移している素晴らしい女性達も少なくありませんが、まだ「男性と同数」には至っていないように思えます。

 防衛大学校では、毎年卒業時に全員参加のダンスパーティを行っています。防大創世時、辻政信参院議員(元陸軍参謀)がパーティ会場に乗り込み、「士官候補生が、裸同然のオンナを抱いて踊るとは、どういうことだ!」と叫んだとか。初代校長の槙さんが静然と「辻さん、国民の半分は女性ですよ、女性を理解できない人間は立派な将校になりませんよ。」 50年前の話です。

言葉の使い方(2)

2007-06-23 16:43:38 | Weblog
 ひとつの逃げ方として、「外来語を使う」ことがあります。我々日本人は、非正規職業のことをドイツ語を用いて「アルバイト」と俗称していますが、ドイツ語で「アルバイト」は正規雇用で働くこと。ドイツ語の非正規職業は、英語の「ジョブ」を使います。つまり、「非正規」というあまり肯定的ではない表現をしたいときに、日本人もドイツ人も外来語を持ってきているわけです。

 他方、ある国が独自の政策に基づいて特殊な用語を当てている場合も、翻訳する際に一般的な用語に置き換えてしまうことも。身近な例が、「自衛隊」。米軍は自衛隊のとの交流・共同訓練に慣れているので、SDF(Sefl Defence Force)をそのまま使いますが、軍人以外の米国人と話すときにはArmy や Military を使わないと通じません。

 ドイツ語で「陸上自衛隊」は、Boden-Selbstverteidingungsstraitkraefte、とても長すぎて使えない。どうしても、「陸軍」の「Heer」をそのまま使います。
 一方、日本と同じ第二次大戦敗戦国のドイツでも、軍事用語の使用に気を配っています。陸軍のトップに「司令官」(Kommandeur)を使わず、本来「査察官」の意味である「Inspekteur」を。でも、日本語では司令官の意を含んだ「陸軍総監」と訳しています。つまり、ドイツ人と日本人は、お互いに「自分は特別な基本政策を維持しているけれど、相手は普通の国。」と看做しているのです。
 
 ですから、言葉の用い方は、個々人がときに重い意味合いを抱いて使いながらも、他者には別の意味で理解される、ということが少なくないと思うのです。
 限界と弊害をよく自覚したうえで、言葉によって自分の考えを他者に理解してもらう努力を、これからも続けて行きたいと思う日々です。