雑木林の林床を、そそくさと移動するクスサン(ヤママユガ科)の幼虫
クスサンの幼虫は、クリやサクラ、クヌギやコナラなどの葉を食べる害虫ですが、美しい黄緑色をしており、白くて長い毛がびっしり生えていることから「しらがたろう」の愛称で親しまれています。
この日は、5m四方に6匹のしらがたろうを発見、石の山もなんのそのすばやく上り下りして移動し、蛹になる場所を捜し歩いていました。
上へ上へと這い上がり、木の上でさなぎになる場所を探しているようです。体の側面には水色の目玉模様の気門が目だっています。
クリの木の幹に産み付けられたクスサンの卵殻。
クスサンは卵で越冬、春に幼虫が出現し、この時期には体長7~8㎝の大型のケムシになります。
すでに羽化した昨年のスカシダワラ(クスサンの繭)、粗い網目は、中の蛹が透けて見えるのでスカシダワラ(透かし俵)と呼ばれています。
8月、スカシダワラを作ってさなぎになる時期です。
昨年の繭を開いて、中を覗いてみました。羽化した蛹の殻だけが残されていました。
糸をより合わせて作った楕円形の繭はとても丈夫です。幼虫の絹糸腺からはテグスのような糸がとれるそうです。
この秋には、クスサンの成虫との出会いを期待いたしましょう。