大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

クスサンの幼虫 大移動

2012年08月04日 | 昆虫

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雑木林の林床を、そそくさと移動するクスサン(ヤママユガ科)の幼虫

クスサンの幼虫は、クリやサクラ、クヌギやコナラなどの葉を食べる害虫ですが、美しい黄緑色をしており、白くて長い毛がびっしり生えていることから「しらがたろう」の愛称で親しまれています。

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この日は、5m四方に6匹のしらがたろうを発見、石の山もなんのそのすばやく上り下りして移動し、蛹になる場所を捜し歩いていました。

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上へ上へと這い上がり、木の上でさなぎになる場所を探しているようです。体の側面には水色の目玉模様の気門が目だっています。

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クリの木の幹に産み付けられたクスサンの卵殻。

クスサンは卵で越冬、春に幼虫が出現し、この時期には体長7~8㎝の大型のケムシになります。

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すでに羽化した昨年のスカシダワラ(クスサンの繭)、粗い網目は、中の蛹が透けて見えるのでスカシダワラ(透かし俵)と呼ばれています。

8月、スカシダワラを作ってさなぎになる時期です。

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昨年の繭を開いて、中を覗いてみました。羽化した蛹の殻だけが残されていました。

糸をより合わせて作った楕円形の繭はとても丈夫です。幼虫の絹糸腺からはテグスのような糸がとれるそうです。

この秋には、クスサンの成虫との出会いを期待いたしましょう。