これまでベトナムでエコノミーなホテルに宿泊していましたが、ハノイとホーチミンのホテルでは神様が祀られているのを見かけました。商店などでよく見かける光景だそうで、人目につくところに小さな祭壇があります。
ベトナム人にとっては商売の神様ですが、店主の性別、年齢等によってお祀りする方角や神様が異なります。神様には毎日、果物などの食べ物や香をお供えするそうです。
ハノイのWIN HOTELでのこと、祭壇の三角錐の香料に興味をしめしていると、これを管理している方が、香りをかぐようにと赤い箱から1個手渡してくれました。匂いを嗅ぐと、少し甘い香りがします。お礼を言って箱に返そうとすると、どうやらくれると言っているようです。お礼を言って赤い箱から1個いただくと、この人は箱ごと持って行けと言います。非常に恐縮しましたが、ご厚意に甘えて箱ごといただきました。
梅雨空の湿っぽい自宅の部屋でこの香を焚くと、日本の線香よりも微香で柔らかく、甘い香りが部屋に広がります。そうすると、ハノイの強い日差しと喧騒の記憶が戻ってきます。
この祭壇はホーチミンのリバティホテルのもの。