NTTドコモとタワーレコードは、おサイフケータイや音楽情報配信といった分野での協力関係構築を目的として、資本・業務提携を締結した。
ドコモとタワーレコードが提携、おサイフケータイなどで協力(ケータイWatch)
タワーレコードを傘下に ドコモ、音楽配信も検討 (共同通信) - goo ニュース
NTTドコモが音楽ソフトの小売り国内最大手のタワーレコードに出資して、資本業務提携することが明らかになった。ドコモは第三者割当増資を引き受けるなどして、発行済み株式数の約40%を保有する筆頭株主となり、実質的にタワーレコードを傘下に収めることになった。出資額は約100億円にもなるそうだ。
今回の両社の提携により、電子マネーやクレジットカードの機能を内蔵したドコモの携帯電話「おサイフケータイ」の普及を目指すとともに、携帯電話への音楽配信事業を検討するようだ。具体的には「おサイフケータイ」に対応した専用読み取り機を全国のタワーレコード店舗に設置することで、気軽にCDやDVDなどを購入できるようになる環境を整えるようだ。
また、携帯電話向けの音楽配信について、両社とも積極的に考えているそうだが、慎重に取り組む姿勢を示した。音楽配信事業では「着うたフル」を展開するauにどうしても出遅れてしまっているだけに、タワーレコードと業務提携した今後のNTTドコモの動向には注目である。携帯電話と音楽は今や、その相性の良さは織り込み済みなのは明らかであるので、実際にどんなサービスを提供するのか非常に楽しみだ。
そんなNTTドコモの今回の業務提携の一番の目的は恐らく、タワーレコードが米音楽配信大手ナップスターと共同で設立した「ナップスタージャパン」が来春にもサービス開始を予定している音楽配信サービスであることからも、NTTドコモが何らかの形で携帯電話向けにもサービスを始めることは予想できるだろう。時期はインターネット向けサービスの後にはなるのだろうが、近い将来に携帯電話にも連動してくるのではないだろうか。
ちなみにナップスターの音楽配信サービスが他の大手音楽配信サービスと異なるところは、1曲ごとに課金するシステムではなく、いわゆる定額制を採用しているところだ。月会費を払えば、提供されている楽曲をダウンロードし放題なのだ。最大手の「iTunes Music Store」のような楽曲ごとに課金されるサービスよりも、ある意味期待できるかもしれない。やはりどうしても1曲ごとに数百円を支払うのはやや割高に感じている人もいるだろうし。
アメリカを始めとした海外では、すでにこのシステムでそれなりの成果は上げているようなので、日本でも期待できるだろう。ただし、どうしても日本は著作権に厳しいところがあるので、その辺りの問題がクリアされればの話にはなりそうだ。音楽配信サービス自体も海外に比べると、かなり遅れている感が否めないので、定額制の音楽配信サービスをNTTドコモとタワーレコードがどこまでやってくれるのか非常に楽しみである。
とにもかくにも、各レコード会社との調整がつくかどうかでサービスの是非は問われてくるだろう。いくらインフラだけが整備されても、そこに魅力的なコンテンツを用意できなければ意味はないし、サービスの成功はないはずだ。果たして、どれだけ魅力的なコンテンツが用意されるのか注目である。