Re-Set by yoshioka ko

■ふと、目にした記事から

 以下の記事は今日(10月28日付)の『朝日新聞』から転用したもの。記事中の名前に明確な記憶が蘇ったからだ。普段はしないのだが、全文を引用する。

《以下引用》
 ロシア南部カルムイキア共和国トップのイリュムジノフ氏(48)が24日、任期満了で退任した。事実上の「大統領」として首長の座にあったのは、1993年から17年間。ロシアのメドベージェフ大統領に解任された前モスクワ市長のルシコフ氏と並ぶ「古株」首長の一人だった。チェス好きで、「宇宙人と会った」など変わった発言や行動で知られた。旧ソ連共産党幹部から共和国トップに選出された後は、大統領権限を強めて金と権力を思いのままにする、典型的な新生ロシアの地方指導者だった。人口30万弱、農業中心でロシアでも最貧レベルの共和国。住民の支持は低下する一方だった。「高齢、多選、不人気」首長は不適格だとするメドベージェフ氏の人事刷新策を無視できず、10月の任期満了をもって引退すると表明した。地元は清新な後任人事を期待したが、メドベージェフ氏が示したのはイリュムジノフ氏にごく近い人物。「地元にとどまる」とするイリュムジノフ氏の影響を受けるのは必至で、「結局、クレムリンは変化を望んでいなかった」と住民の間に落胆が広がった。メドベージェフ政権は最近、チュワシ共和国やバシコルトスタン共和国などでも、90年代初めから大統領の座にあった「古株」首長を退任させた。だが、新体制になっても、政府の顔ぶれが変わらなかったり前大統領が顧問として残ったりしたままだ。首長の刷新は、汚職や政治の停滞を一掃し、メドベージェフ氏が掲げる「ロシアの現代化」の実現に不可欠なものだ。だが、それが中途半端にみえるのは、2011年の下院選や12年の大統領選を前にした政権が、確実な勝利のためクレムリン関係者ら安心できる人材に絞って送り込み、足元固めを優先させているからだ。抜本的な現代化にブレーキをかける、形だけの「刷新」。政治の季節の皮肉だ。(モスクワ=星井麻紀)《引用ここまで》

 現在のロシア政治を語るつもりは、今はない。(キルサン)イリュムジノフ氏のことについてである。

 私が彼に会ったのはまさに1993年に、旧ソ連崩壊後に行われた地方共和国の大統領選挙で、南部カルムイキア共和国の大統領に初当選した翌年のことで、保守派議会対エリツィン政権という構図の中で、モスクワにあるベールイ・ドム(ロシア議会ビル)で起きた銃撃戦で、イリュムジノフは仲介役を務めた。仲介が十分功を奏したかどうかは意見が分かれるところだが、イリュムジノフは仲介を終えると、専用機でさっさと自分の共和国に帰った。何しろ石油をバックに当選した若きエリートで、金はある。

 そんな彼の専用機に私は乗せて貰った。

 当時「どこに向かうのか、ロシア》といったテーマで動いていた私は、イデオロギーに左右されない新しい国家指導者のひとりだと白羽の矢を立て、イリュムジノフに密着・同行取材を申し出てOKを貰っていたのだ。

 それから16年経った今日、この記事を目にしたのだった。これも近々にこのブログで、当時のインタビュー内容を披露したいと思うのだが、この記事を読んでひとつだけ言えることは、かの国は、崩壊しても結局は同じ体質を維持しているのだな、ということだ。

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