高橋睦郎さんの「花をひろう」は、雀(2)。
北原白秋が貧窮のなかで記した『雀の生活』が版を重ね、ようやく貧乏生活を脱したことが章子夫人の一文でわかる。
朝日新聞 2012.3.24
『雀の生活』、白秋全集15 (岩波書店刊)
「雀の生活の巻末に」 北原章子
「私たちの葛飾の生活も実にみじめでした。そのカサカサの米櫃(こめびつ)の中から、一握りの米を持ち出すのが、夫にはなによりつらい事のように見えました。それは庭先に遊びに来る、雀たちに食べさせる為でした。そんな時、夫は私をかえりみて云いました。
「ほんとうに済まない。あんたにもこれだけ苦労をさせていながら、やっぱり雀にも食べさせなければ可愛そうだから。」
もうそう云われてみると私は何とも彼とも云えないほど、胸がつまってきました。そうした悲しい、一握りの米をも雀の群れは喜んで毎日食べに来るのでした。ある時は夫に、こんなことを云ったことがありました。(それはもう慰める言葉もなくなったからでしたが)
「若しもあなたが立ち行くことが出来ず、もう餓え死にするばかりだと云う場合が来ましたら、この雀達が一粒ずつでもお米をくわえてきて、きっとあなたをお助けすると思いますわ。」
「私がかつて夫に申しました通り、とうとう、雀は私たちを餓死の境から救ってくれました。『雀の生活』完成後は、私たちの物質的生活もやや幸福になってきました。雀が夫を救ってくれました・・・」
高校2年生になる孫が遊びにきた。
パソコンはどうにか眠りから覚めた。原因はルーターではなかった。まだワードがおかしい。ソフトを入れ替える。
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