プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

お盆を前に

2011年08月12日 | 日記
 被災から5ヶ月が過ぎましたが、被災者の方々にとっては、先の見えない状況が依然続いています。被災者にとっては、世間で言う、ひと月ふた月の区切りはないとの声を聞きました。被災は、避難は引き続き彼等の身に降りかかっているのであり、これからも続くのです。(特に原発被災者にとって)復旧・復興も目に見えては進まず、いつ戻れるのだろうか、もう戻れないのではないかと、強い葛藤に苛まれる日々なのではないか、その一日一日が、苦しみに満ちたものなのではないかと、推察するのです。

 こうした困苦を訳も無く、突然受忍しなければならない、もしそれが生きるということならば、この世界こそ地獄のようなものです。天災ならば、まだ諦められます。それが人災となれば、人の心には様々な思いが時とともに湧き上がってきます。そうした思いが、さらに受苦の中にいる人々を苦しめます。そうした思いを抱えながら生きることに耐えられなくなるのです。そうした思いに苛まれる自分自身が耐え難いのです。苦楽といいますが、こうした苦に、楽が生じるものであれば良いのですが・・・

 明日からお盆ですが、多くの方々が新盆を迎えられることとなられると思います。奇しくも私にとっても亡き(義理)父の新盆でもあり、心を込めて魂をお迎えしたいと思うのです。こうしたものは、単なるしきたりなのかもしれませんが、少なくとも、生きている側の心を、少しづつ平らかに、静めてくれるもののように思います。生きていかなければならない、生き続けなければならない人間にとって、手を合わせ流すことのできる涙は、僅かながらのこの世の救いのようにも思えるのです。

 話は変わりますが、昨日の『朝日新聞』には、セシウム汚染のシュミレーションマップがカラーで掲載されていました。特に放射性物質の放出の甚大だった、3月14日深夜から15日の夜、そして3月20日午前から23日にかけての、風向きと汚染状況、そして蓄積量が一目にして分かります。せめてこうした情報が、空襲警報ならぬ放射能汚染警報として流されていたとしたら、かなりのヒバクが防ぎえたのではないかと、歯噛みするのです。そして、汚染された範囲の広大さに暗澹たる気持ちになるのです。

 この余りにも広大な(マップやシュミレーションが示すごとく、100キロ圏内は言うまでもなく、数百キロに及ぶ)汚染は、最早取り返すことのできないものです。もし生活し続けるというのであれば、膨大なコストと時間を掛けて、国家的なプロジェクトとして、除染を(広大な外側から中に向かって、同時に中側から外に向かって)行なわれなければならないでしょう。なんと苦しみに満ちた作業なのでしょう。その苦は耐え得るものとして、与えられたものだとしても・・・

P.S. 原発に関して明るい話題が一つあります。全ての使用済燃料プールで、循環冷却装置が稼働したのです。温度も、1号機40.5度、2号機36度、3号機33.8度、そして最も燃料棒の多い4号機も44度とかなり落ち着いてきています。不測の事態が起こらなければ(それが一番心配ですが)、取り敢えずはこうした安定した状態が続くのではないでしょうか。

P.S.2 京都の送り火(大文字)の話は残念でした。被災した岩手の松の木に、人々の思いを記した木片をお焚き上げしようとの試みは、非常に良いもののように感じられました。放射能の飛散を心配される方々からの苦情によって、中止となったそうです。(基本的に汚染の可能性のあるものを移動させてはいけないのですが、)正直、そのお焚き上げの木は洗浄されているでしょうし、本当に1回限りのものです。放射能検査(一応不検出)もしており、仮にこの木を燃やして飛散する放射性物質は、京都で毎日降り注いでいる量と同等のものでしょう。(科学的、統計的根拠はありません、申し訳ありません)反対された方の不安や心配は理解できるのですが、ここまでしてはいけないように思います。(インタビューを聞いても)多くの京都の方が同じように感じているのだと思います。ただ、哀しく、残念でした・・・

P.S.3 消えた原発労働者のカラクリをNHKで報道していました。東電は(多分他の電力会社も)下請けを3次までしか認めていないそうです。しかし実際は、元請けから7次まで下請けはあり、4次より下の作業員は、本当の下請け企業名は書けないので、無言の(と言いますか、指示されて)別の(3次までの)企業名を書くことになるカラクリです。結局、彼等は使い捨てで、作業員を次々に変えてヒバクを拡散させているのです。これもまた、2次的な人の手による汚染の拡大に違いはありません。東電は、知ってか知らずか(知っているでしょう)、今後は本人確認を行なうそうです。いずれにしても、原発労働者の「使い捨て」がなくなることはなく、これまで同様続いていくのでしょう・・・

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