プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

もう一つの人災 アスベスト災禍

2011年04月27日 | 日記
 東日本大地震、大津波、そして福島第1原発人災(事故)と、三重の天災、人災に苦しむ被災地に、さらなる災禍が今後加わってきます。アスベスト禍です。もう既にその前兆は出ています。被災地では肺炎が急増しています。多量の粉塵が飛散しているのです。粉塵は、無害な物でも物理的に肺を害します。そして今後、倒壊した建物に使用、或いは吹き付けられていたアスベスト、様々な物に含まれていた膨大な量のアスベスト(及び有害重金属類)が乾燥によって飛散し、極めて深刻な被害をもたらすことが予想されるのです。

 これまで何度か、ブログにも書かせて頂きましたが、アスベストは戦後日本最大のストック公害で、その蓄積していたアスベスト(爆弾)が、地震と津波によって破裂してしまったのです。肺癌や中皮腫を発症させ(中皮腫に関しては、「しきい値」がありません)、その害は放射線にも劣らないほどの有害性を持っているのです。(以下、アスベストの記事を転載させて頂きます)

「東日本大震災の津波被害を受けた宮城県の沿岸部で、仙台弁護士会の弁護士らがアスベスト(石綿)の飛散状況を調べたところ、調査した4地点すべてから検出された」、「建物の倒壊で、建材に含まれていたアスベストが飛散したとみられる。検出量は大気汚染防止法で定める基準を下回ったが、がれきの撤去作業で飛散量が増える恐れもあり、同弁護士会は早急に対策を取るよう近く国に要望する」、「各地で採取した大気を分析会社が測定した結果、塩釜市で1リットルあたり2本、その他3地点ではそれぞれ0・5本のアスベスト繊維が検出された」(4月20日付け『読売新聞』)とのことです。

「心配なのはアスベストの飛散。海水も乾いてきた今頃から天気が良くなるに従って飛ぶ可能性が出てくる。これは目に見えない。放射能も怖いけど、こっちも注意しないと。阪神・淡路大震災のときも被災地域のアスベスト濃度は、長期にわたり高かった。このときは70年代に建てられたビルからでした。住宅でも屋根や天井、壁、フロアタイルなどの建材に使われています。それ以外にも水道管、自動車部品、パッキング材など工業材料にも入っています。家庭用品としても石綿織物やヘアドライヤー、トースターなどたくさん利用されていました。避難のときは水で濡らしたタオル等で口や鼻を覆うことが必要です。作業中も防御マスクをつけたほうがいい。行政も報道もこうした点を注意喚起していない。救助作業者や復興の作業者があとでガン発症などで苦しい思いをするのを出来る限りさけないと」(ブログ「暖頭冷心」より)まさにこのとおりです。

「平均30年から40年の潜伏期間を経て発症することから、今後40年間に悪性中皮腫による死亡数は10万人に達する可能性がある。このアスベスト公害を放置した最大の責任は、行政にある。実はアスベストが極めて危険、有害な物質であることは、20年以上前から指摘されていた。ゆえに欧米では既に70年代からアスベスト規制がはじまっていたのだ。ところが日本の政府や官僚はこの事実を知りながら、建築業界の利益を優先して有効な規制をしてこなかった。今後懸念されることは、・・・首都直下型地震や東海、東南海、南海などの巨大なプレート型地震により、とんでもない量のアスベストが環境中に飛散してしまう危険性があることだ。実際、阪神・淡路大震災の際、被災地域の環境中アスベスト濃度は、長期にわたり全国平均よりも高いレベルを維持していた」(「Liberal Utopia 持続可能な世界へ」より)のです。

 昨日の衆議院予算委員会での(社民党の阿部議員の)質疑で、瓦礫の総量が2,940トンもあるそうです。今後瓦礫撤去が本格化し、飛散するアスベスト(や重金属類)の量は飛躍的に増えると思われます。実際、散水しながら撤去することは不可能に近いでしょうから、性能の良い防塵マスクを着用しての作業や、被災地で暮らす住民も同様にマスクの着用が必須となるかと思います。(夏の暑い日にも、外出時にはマスクをしなければ危険です)兎に角、アスベストの暴露を防ぐことは、放射線を極力浴びないのと同じくらい重要なことなのです。9・11のビルの倒壊の時も心配されましたが、今回倒壊した建物の量は比較になりません。しかしその危険性を、多くの被災者の方々は知らないと思います。行政の早急な対応が必要だと思います・・・

P.S. 福島第1原発の1号機は、依然高温が続いているようです(圧力容器上部の温度が134度)。その為東電は「水棺」(格納容器に水を満たす)にするそうですが、やはり格納容器からは水が漏れている(密閉性が保たれていない)ようです。「経済産業省原子力安全・保安院によると、・・・格納容器内の水位低下を示唆するデータが得られたことから、ある程度の水が外側の原子炉建屋へ漏れているとみている」(『読売新聞』)そうで、それでも冷やす為には「水棺」 しかないのか、それほど状況が切迫しているのか、心配です・・・

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