YOU-PROJECT BLOG

YOU−PROJECTのウェブログです。
毎週金曜に「演出者の眼」を連載してます。

て:鉄人

2016年05月20日 | 演出者の目
前回公演では、久しぶりということもあってか、公演後に体調を崩しました。

大学のころに入団ワークショップを受けた劇団の主宰の方が、公演が決まるととりあえず走ると言っておられたことを思い出しました。
まずは、京都御所でひたすら走り込むそうです。やはり公演は体力勝負です。


劇場で働いていると、毎日が公演で、なんだかよくわからなくなります。1日14時間とか働いていると思考力がなくなります。
辞めて良かったと思う反面、公演にたいする体力というか慣れは、なくなってしまいました。

以前は鉄人だったのだろうかと思います。あるいは年4回とか年6回とか公演されている劇団や、1日二回公演される歌舞伎などの公演形態でされている方は本当に鉄人です。

YOU企画は機が熟すまで待つ辛抱強さが武器です。
好きな聖書の格言に「一握りの憩いは、二握りの骨折りと風を追うことに勝る」という言葉があります。
休憩が無理に働くことに勝るということです。働き過ぎの日本人には最適の知恵の言葉です。

公演のない期間がちょっと長い時もある劇団ですが、そういうことだとお思い下さい。


でも秋にちゃんと新作をやりますけど。
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つ:追伸

2016年05月13日 | 演出者の目
2004年にウィリアムサローヤンの「hello out there」という作品をやりました。
これは2003年に一度やったものをもう一度同じキャストでやったものです。

このブログでも何度か言及しているぐらい気に入っている作品です。
普通に読むだけだと30分超の戯曲を一時間まで引き延ばした、というか合間を創作したのですが、これが自画自賛であれなんですが、面白い。自分が見たいものを作っているので当たり前なんですけど。

でも最後に付け加えてしまったシーンが、今となっては訳がわからないというか、いらなかったなーってちょっと後悔してます。
セリフのないループのシーンでした。

作っていると、だいたい最後の方で、何かしら付け加えたくなるときがあります。
演出家の病というか。

でもそういう追伸は大抵いらないんですよね。


演技のポイントとして、コミュニケーションの黄金のアドバイス「聞くことに早く、語ることに遅くあれ」という聖書の言葉があります。

作者の声をよく聞いて、観客が耳をすます時、ラストには必要かもしれません。

どうしても伝えたらない気がして、追伸、追伸と連続したくなりますが。
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ち:地球

2016年05月06日 | 演出者の目
私たちがすむ地球です。
可能ならこのブログ、地球上の全ての人に向けて発信したいですが、そうするには英語に変換しないと難しくなりますね。
先日、英訳したスピーチをしましだか、実力のなさを痛感しました。海外で仕事したいと思っていましたが、明らかに力不足です。

とはいえ、今日お話したいのは、そういう感じで常に外からの視点を持ちたい、という話です。


古代、亀の上に四頭の象が乗っていてその上に地が乗っている、と考えられていました。
今、尾田栄一郎先生のワンピースでゾウ編が連載されていますが、海の上を移動する象の上に島が乗っている、という奇想天外な設定の中で物語が進んでいますが、かつてはそれが本当だと信じられていたのです。

でも聖書では、ヨブ記26章7節では「神は地を無の上に掛けておられる」とあり、イザヤ40章22節では「地の球体(円)の、さらに上に住む方」つまり神様について書かれています。聖書でエホバまたヤハウェと一般に呼ばれている神は、聖書が書かれた時点で、ガガーリンよりはるか昔に、漆黒の闇に浮かぶ球体を見事に描写しています。

まさに神の視点で、外から眺めた地球を正確に描写しています。
ガガーリンは青という色を足して、あの名言を残しました。

演劇も常に外からの視点を必要とします。
いつも作品を創る時に、勉強として大量の映画や小説、マンガ、絵画、音楽などを必要とします。
それは外から見た視点を取り入れるためもあるのかもしれません。
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た:多面性

2016年04月28日 | 演出者の目
た:多面性

 前回の「ハーフ」からキャラクター創作に取り入れている方法があって、それは人の多面性を前提にしています。

よく人はいろんな役割を演じている、と言われます。父親、息子、兄、上司、部下、友などなど。

僕自身は、演劇とは究極に単純化すると「人と人が出会うものだ」と思っていて、

出会って人が変化する、その変化が上述のそれぞれになるのかな、と考えています。

しかし、それを創造していくとなると、どうするのか。


W.サローヤンを二度目にやった時に取り入れた手法で、絵画のポーズを借りてくる、というのがありました。

マグリットの絵を基にして、二人に見える絵の構図を完成させるのです。

ある時点(絵)からある時点(絵)への移り変わりの部分は俳優たちに創作してもらい、

マグリットの絵の構図に気づいたらなっているのです。

この作品は、今映像で見返しても、(ラスト以外は)非常に面白く感じます。

まあ、自分が見たいものを創っているからそうなんですけれど。

ハーフで試みたのは、小説版が元からあったので、そのキャラクターが似ている身近な人物を想定してもらい、その人のモノマネから始めました。

さらに「動物に例えると?」というのを聞いて、動物の真似も組み入れていきました。特に動作、仕草などをこのセリフのときはしてください、という感じです。

今回もそのように作ってみるつもりです。

「ウオレスとグルミット」の監督が、クレイアニメのアニメーターは役者だ、と言っていて、ちょっとした表情などを眉毛をかえたりして創っていきます。

でも僕たちはそれを見て、驚いているとか泣いているとか思ったり、恋人だった人が殺人者になったりするさまを見たりするわけで。

実際にはフィジカルな動きからキャラクターは造形されていくのだなあ、と思います。


とはいえ、俳優たちに眉毛を3センチあげてなどといったり、してもらったりするだけで感動が生まれるとも思っていません。

結局、そうしたもともと違う人や動物などを、一人の人格に統合したり、絵と絵の合間を創っていくのはやはり俳優その人なのだ、と思います。
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そ:相対化

2016年04月22日 | 演出者の目
そ:相対化

演劇をやっていて一番大事なのは相対化していくことだと思います。

実はこれ、現代文を教えながら確信したことです。


学校の現代文の授業では、どちらかといえば美術や音楽のように文章をどのように鑑賞するのかに重きが置かれがちですが、受験では文章の読解力と論理力を見ます。

つまりどのように鑑賞するかは主観ですが、書かれた文章の筆者の主張の理解は客観でなければできません。

シャーロックホームズも言っていることですが、可能性を消していって最後に残るものが自分が信じがたいものであっても真実である、ということです。

4択あって一番適したものを選べという問題が主ですから、この方法論はとても大切です。

多くの生徒は自分が正しいと思う答えを書いてしまいがちですが、実際には筆者が言っていること、もっと言うと文章に書かれていることに根拠がなければ駄目だからです。

入試現代文の問題は、多くの人が解く問題ですから、誰が見ても正解だと分かるように論理的に作られています。


相対化するとは、自分の主観を絶対化しないということです。

それは相手の考えを理解し、わかる言葉を発しないといけない現場では本当に重要なことです。

自分のまわりだけに通じる作品を創っていてもしょうがないわけです。

世界に向けて公演を打つわけですから、身内の発表会ではなくて、いろんな考えがあることを理解して作品を創らねばなりません。

そんなことを考えています。
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せ:切羽詰まる

2016年04月15日 | 演出者の目
こういう逃げ方をしていいのか、と思いますが、今、いろんな企画を立ち上げていてせっぱ詰まっています。

今日からはなぎさ高校の「演劇入門」が始まり、今年は最初から一つの戯曲に取り組も追うと思っていて、綿密に計画を立てていて忙しい。

10月秋の公演は、稽古は進めてきたのですが、何かと新しい要素が加わり、新たな劇場でやったり、新たな人と組んだりで忙しい。

そんな中でも来年度のことを考えて動かないと、公的支援をもらう(お金じゃなくともけいこ場とかも)ためにはもう企画を立ちあげ始めないといけなくて忙しい・・・。

塾もより演劇的な素養を投入してさらなる進化をはかりたい。

と、いうことで今回は取っても中身がなくてすいません。

ここを踏ん張れば、いろいろと創作に集中していけるはず。

がんばります。
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す:素敵

2016年04月08日 | 演出者の目
す:素敵

心がひきつけられ、すばらしいと感じられる様。

この言葉を使い始めたのは、正直に言えば鴻上尚史さんの「発声と身体のレッスン」の中でつかわれていたのがいいな、と思って使い始めました。

でもこの、俳優が素敵に見えるように創っていくのが演出家の仕事の一部なのかもしれません。

そのためには、俳優さんについてよく知り、その良い面を引き出す必要があります。

そうです、ほめ上手にならなければなりません。

まあ昔褒め殺しするとまで言われた私なので、得意ではあるので、どいらかといえば俳優さんの話を引きだす努力の方が、必要かもしれません。

稽古場では実にいろんな話をします。恋愛ものをやっているときはもちろんその話をしますし、

それ以外にも現在のいろんなニュースから始まって、過去のいろんな話をします。

実際、魅力的な作品というのは、宝石のようにカットされていろんな面が見えるものが素敵です。

そのためには、演出家が多面的な知識と見識を持つだけでなく、関わるスタッフ・俳優とのおしゃべりが必須です。

人一人の創造性なんて、たかが知れていますから。
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今週は休載です

2016年04月01日 | 演出者の目
公演無事終了いたしました。

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

大変申し訳ないのですが、全力を出し切り、疲労困憊です。

今週は「演出者の眼」は休載します。
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し:仕事

2016年03月24日 | 演出者の目
一日早いですが。

し:仕事

仕事とはなんですか?そう聞かれたらどのように答えられますか?

私は、読んで字の如く「仕える事」だと思います。

どんな仕事も、だれかのためにやることであって、決して自分のためだけではありません。

必ず、相手を喜ばせる、相手のためになる、そうした他動詞の視点で行われるものでなければなりません。

高二のとき、文化祭の演劇公演で舞台監督、という重責を担いました。

そのときに一番学んだのがこのことです。自分から動いて、みんなのために仕える、そういう仕事でした。

演出へとポジションは変わりましたが、仕事であるのは変わりません。

どうか今週末、できるだけたくさんの皆さまにお仕えすることが、できますように。



演劇ユニットYOU企画設立15周年記念作品「ハーフ2」

原作:クスキユウ(文芸社刊) 構成・演出:松浦友
出演:佐々木思郎 氏田敦(劇団冬芽舎) 西岡佳美(CLAPxCLAP) 美帆 山本周

物語:記憶を呼び覚ます懐かしい景色。人の愁いと思いが風車を回す。
    「彼」を知る人々が集うホテルのロビー。
    擦れ違う思いのはざまに、咲く人々の笑顔。    
    会話の端々に散見する一人一人の人生は、観客たちの鏡ともなる。

公演日時:3月26日(土)19時/27日(日)15時〔開場20分前、上演予定時間80分〕

会場:枚方公園青少年センター3Fホール(枚方市伊加賀東町6−8)
    ※京阪本線枚方公園駅下車徒歩5分

チケット予約・問合せ:YOU-PROJECT事務局 half@you-project.com
 http://www.you-project.com/

やっとFACEBOOK始めました。よかったら「いいね!」ください。
https://www.facebook.com/kusukiyu
    
小説情報: 2012年文芸社文庫より「ハーフ―Where the heart will be―」として発売。
現在YOU-PROJECT事務局にて640円にて絶賛発売中!!!
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さ:再演

2016年03月18日 | 演出家の眼
今はそんなに珍しくないのかもしれませんが、同じ作品を何度も再演する、というのは、10年前はあんまりありませんでした。

お客様にとっては、同じ話だったら行かなくていいかな、と思われるかもしれませんが、作り手としては、ごく普通なんです。

最近やっと見つけた、僕の作品の見方の例えなんですが、絵画の見方に似ているのだと思うのです。

テレビドラマや映画との比較ですが、観客が自由に見る場所を決められるのが演劇の特徴です。照明や俳優の動線によって、誘導はありますが、受け手が能動的に観ていくことが出来るのが利点です。
好きな俳優だけをジーっと見たり、ある場所をじっくり眺めたり出来るのは、絵画をどんな距離で見るのか[近くで見るか離れて見るか]、人物中心で見るのか、背景中心でみるのかなどと楽しみ方が一様でないのに似ています。

絵画に連作があるように、例えばモネの睡蓮など、私たちが再演をするのはそんな感覚があります。

同じ作品や同じ作家をやっていくと、本当に研究というか、楽しみがあります。

ユニバーサルスタジオジャパンのような遊園地に行く感じとは明らかに違うところがあります。
あのわくわくはそれはそれで好きなんですけれどね。
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