成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

日曜はダメよ ヨルゴのダンスにホーマー君は思わず拍手喝采

2009-06-11 23:33:59 | スクリーン 舞台芸術
数年前カルチャーセンターで頭脳明晰元気な山形治江先生の講座
「ギリシア悲劇を読む」を連続して受講した
毎回大変に面白く今もその講義の楽しさは忘れられない

何回目かの講義の中で先生はギリシア語でケフィという言葉を教えてくれた
体の中から沸々と湧き上がるような高揚感というような意味だそうで
英語のヴィヴィッドに近い感じということだった

先生はギリシアを代表する映画「日曜はダメよ」のシーンを例にして
「ケフィ」を説明してくれた

現代のギリシアにも古代ギリシアの世界がまだあると信じているアメリカ人青年ホーマー君
休暇であこがれの国ギリシアへとやって来た
ある夜タベルナでホメーロスの本を読みながら食事をしていたホーマー君の前で
タベルナの常連ヨルゴという男がウゾーを飲むうちに気分が高まり
独りギリシア・ダンスを踊りだした

テーブルの上に乗り両手を広げ指を鳴らし
僅かながら体を揺らし足を折り曲げ陶然と名って踊るヨルゴ

そのダンスを見たホーマー君は
これぞギリシャの民族ダンス!感激し思わず拍手をした
と、その瞬間ヨルゴは突然怒りホーマー君を殴り飛ばしタベルナの中は大混乱

ヨルゴが怒った理由は
自分は人に見せるため拍手をもらうために踊っているのではない
踊りたくなったから、自分のために踊っているのだ
馬鹿にするなということだった

このダンスをしたくなったヨルゴの気分が「ケフィである」と山形先生は語った
わたしはケフィという言葉が大のお気に入りとなった


最新の画像もっと見る

コメントを投稿