トンデモ八分@謎学の日々

気が向いた時に、いろんな謎や秘密を考えてみたい(とうぶん仮)

ロケットの国

2005-05-31 12:34:56 | きょうの新聞ナゾネタ(不定期)
久しぶりに毎日新聞が、らしいニュースを配信しています。
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <北朝鮮>ロケット初開発は朝鮮と主張 1300年前に

『【北京・西岡省二】「世界で最初のロケットは朝鮮で製造された」。北朝鮮の朝鮮中央通信は30日配信の記事で、朝鮮半島で少なくとも1300年前に「ロケット」が開発され、実戦使用されていたと主張した。
火薬の入った筒をつるし、火を付けて発射する方式。「現代的機能を備えたロケットとは比較できないほど単純なものだが、原理は同じだ」と説明し、北朝鮮こそが「ロケットの元祖」と強調した。
同通信によると、高句麗時代(紀元前1世紀後半~668年)に「クァンフィ」と呼ばれ、7世紀ごろの唐との合戦で威力を発揮した。高麗時代(918~1392年)には「ファジョン」の名前で知られ、大量生産されて「国防上、主要な場所に配置されていた」としている。
核問題を巡る6カ国協議が暗礁に乗り上げ、国際社会での孤立化が進む北朝鮮。同通信は「ロケットのすべての属性を備えた世界最初の『ロケット』は、朝鮮民族の知恵と創造的才能、愛国心を示す貴重な歴史遺物だ」と結んでいる』

なかなか興味深いので、記事全文を引用してしまいました。
ちなみに『核問題を巡る6カ国協議が暗礁に~』という一文と最後の部分のつながりは、僕には意味不明です。ここだけ毎日の記者が挿入した文章なのでしょうが、入れれば良いというものではありません。

ロケットというか、火薬等の燃焼を推進力にした兵器の起源は、僕たちの理解では中国だと思っていました。
そう、あの日本を襲った蒙古来襲(元寇)でモンゴル軍が使った「火矢」と呼ばれるものです。この「火矢」は、実は中国・宋の時代、モンゴル軍が宋の首都(現在の開封)を包囲した戦いに(1232年)初めて使われたという記録が残っているそうです。
ロケットのルーツ
その後、モンゴルが中国を征服し西へと拡張していくとともに、ロケット(のようなもの)も世界へ広がっていきます。

1379年の当時のイタリアの戦争でもロケットが使われたました。
ロケットという言葉の語源は、このイタリア語:ロケッタだそうです。ロケッタとはイタリア語の「糸巻器(Rocchetto)」からきているとのことです。
ロケットの古代史

同じく14世紀の中国・明では「飛火槍」という武器が使われています。
ジャンヌダルクの時代、オルレアンの防衛戦(1429)でイギリスと戦ったフランス軍には、ロケット部隊があったそうです。
日本では関ヶ原の戦(1600)に備えて、徳川軍が350本のロケット弾を輸入したという記録が、オランダ船リーフデ号の積載荷物の記録に残されているそうです。
18世紀には、東インド会社(イギリス)に抵抗するインド軍がロケットを主力兵器として使い、イギリス軍を苦しめます。 このイギリスが開発したのがコングレーブロケット。ナポレオン戦争やアメリカ独立戦争、ワーテルローの戦いなど19世紀の著名な戦争で活躍しました。

と、簡単にロケットの起源史を見てみたわけですが、ロケットのルーツが東アジアにあったのは間違いないことです。
しかし、その最古のルーツが北朝鮮にあったのかどうかはわかりません。
『朝鮮半島で少なくとも1300年前に「ロケット」が開発され、実戦使用されていたと主張』しているのですから、8世紀初頭には北朝鮮で開発されたということなのでしょう。
良いですよ。ロケットのルーツは北朝鮮にあった、ということで。自慢して下さい。

朝鮮半島のひとたちは、良く、◯◯の起源はわれわれ国だ、と主張したがります。
こう主張することが、ほとんどアイデンティティになっているかのようです。
アメリカのテキサスでは、ジョークで「何でも世界一のものはテキサスにある」というのがありますが、まぁ同じようなものです。
日本にはこういったメンタリティはあまりないですね。良くわかりません。
もうひとつ、今この時期に「ロケットのルーツは北朝鮮」と主張するほど、北朝鮮にとってはロケットが重要なものなのでしょうね。
瀬戸際外交や恫喝外交の切り札にする、われわれ人民の求心力の源泉にする、重要な外貨獲得商品にする、など北朝鮮にとってのロケットの存在は大きいのでしょう。
重要な外貨獲得商品ということではニセ札や麻薬なんかもありますから、ニセ札も実は北朝鮮の発明である、と発表したら良いかもしれません。

朝鮮半島のひとたちが、いかにわれわれ国やわれわれ民族を自慢したいか、については面白いサイトがありましたので最後に紹介しておきます。興味がある方は訪れてみて下さい。
朝鮮民族(韓民族)は優秀民族