金・隗よりはじめよ  

金を中心とした金融マーケットの動向を、毎日の市況から、筆者の個人的な相場観をもとに解説していきます。

◎ 東京ガソリンの展開予想

2014-12-25 14:30:16 | お金


東京ガソリンは、24日に62,440円と急落後の戻り高値を付けたが、海外原油の下落を受けて、同水準で戻り一杯となり60,000円台に反落している。

海外原油の暴落を受けて、東京ガソリンは10/1の高値81,250円から12/17まで24,590円、11/25の75,690円から19,030円もの下落を演じていた。

しかし、安値警戒感から売り方が買い戻しに動き反発に転じていたが、海外原油相場に下げ止まり感が表れない事で上値も限定的となり、再び下値を探る展開になっている。
 
NY原油は6月の高値107.73ドルから、12/16には53.60ドルまで下げており、約半年間で半値水準に下落。

地政学リスクの後退に加え、米国の需給緩和や中、欧の景気鈍化による需要減少観測を材料に下げ足を速めていたが、11月末のOPEC総会での減産見送りが下落に拍車を掛けた。

また、現在に至っても、サウジアラビアなどOPEC主要国から現水準に対する警戒感や減産姿勢が示されていない事から、原油の先安感は依然強い。

もともと、中、欧の景気後退懸念や米在庫増により根本的に需給緩和傾向となっている所に、過剰な生産が拍車を掛ける図式になっている為、産油国が価格に対する懸念を共有できる水準に行き着くまで、下落の流れを止める事は出来ないかもしれない。

とは言え、現在、WTIは50ドル割れに抵抗を示し、北海ブレンドも60ドル近辺で踏み止まるなど、ここに来て一定の下げ渋りを見せている。

また、米国経済が回復基調を強めている事も、海外原油の下落にブレーキを掛けている。

安易に値頃感だけで判断する訳にはいかないが、今年の米コーンを例に取って見ると、大豊作による供給過剰感から中期的に下落基調が続いていたが、豊作がほぼ確定し相場へ織り込み済みとなった後、弱材料への反応が鈍くなり、当初は自立反発と見られていたものが、値段の上昇に連れて強材料が付いて来て、基調が転換するといったケースもあるので、長期間に渡り売り叩かれている相場に対しては注意が必要だろう。

さて、東京ガソリンの展開だが、先ずは59,500円試す展開を想定。

戻り売りの流れに変化はないと見ているが、17日の安値56,660円は重要なポイントと考える。

ここを割り込んだ場合、一気に55,000円割れも想定されるが、海外原油にも下げ渋りが見られる事から、同水準は比較的固いと見る。年明け以降は、海外原油次第では50,000円近辺への下落も視野に入れているが、短期的には同水準を割り込まずに2番底形成の流れ。

その後、60,000円を中心とした値固め局面への移行を想定する。(了)

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