mixi からの移設ブログ

mixi の体裁悪化により、暫定的に日記機能を移設しました。これを機に、会員外の方々とも積極的に交わりたいと思います。

[sci][scicom] 去年(2016 年)の科学コミュニケーション活動

2017-01-09 20:00:00 | 科学技術・科コミ
 去年の振り返り第3弾。
 最後は、去年の科学研究、科学コミュニケーションの活動内容をざっと整理する。

 何だかんだで盛り沢山だったが、大きかったのは科学祭関連、そしてサイエンスアゴラの2つ。
 そして、人前でしゃべる機会が例年になく多かったことが今年の特筆かと(うち3回は内輪の会合だったが)。
 顔本の自前記事に書いた内容の転記改変になるが、手間軽減のためご容赦を。

 去年の活動初めは、1/8 の JST 市ヶ谷サイエンスプラザでのサイエンスアゴラ 10 周年記念冊子に載るためのインタビューだった。昨年末の段階で既に話があり、記念冊子に載る 10 人の功労者の中の1人に選ばれる幸運を授かった。出来上がってみれば、その 10 人のトップバッターを務めることに。完成版を見たときには、「え?オイラで良いの?」みたいに少し喫驚。

 学会参加は3つ。
 3/26~29 の日本薬学会年会(第 136 回;横浜)。11/25~27 の日本生物物理学会(第 54 回;つくば)。そして、(学会扱いするの?という声は承知の上で)JASC 年会(第5回;筑波大春日)。前2者、諸般の事情で振り返りが遅れているが、大小の収穫はあり、そしてやはり自称本業及び準本業の舞台にいることによる歓びと責任感があり、幸せな時間を過ごしたと思う。

 昨年は久々に人前での登壇機会が多くあった。
 サイエンスカフェが3件。1/24 の NPO くらしとバイオプラザ 21 主催のヘルスリテラシーバイオカフェにて、話題提供の一題「薬剤師と進めるヘルスリテラシー」。2/6 の第 12 回ソラオトサイエンスカフェにて「ジェネリックを飲んでいるあなたと私~安かろう悪かろうな医薬品?~」。もう一つ、後述の第8回東京国際科学フェスティバルの登録企画として、東京・根津のみのりカフェを会場に「あなたは、最先端医療を受けたいですか?」。偶然にも、薬関係のネタ2つを含め、医療と関係の深いネタが重なった。
 他の登壇機会が4つあり、全て科学祭関連。1/31 の JASC 地域連携委員会の研究会(@筑波大文京)にて「科学祭にかける夢~知と人の絆で科学文化を編むために~」。2/21 の JASC 定例会(@ポプラ社)にて「日本の科学祭を考える」。左記2つは内容的には大同小異。これに若干の独自研究の内容を加えたものが、10/16 の JASC 定例会(@筑波大文京)での「全国の科学祭の現状と今後の科学コミュニケーションの可能性」。もう一つあるが、後述する。

 4年前(2013 年)の第5回から運営に参画している東京国際科学フェスティバル(TISF)では、今回の第8回の実行委員会において、とうとう委員長になった
 一昨年末以来色々あり(その事情は時期が来たら後述する)、各方面の方々多数に相談したり、情報提供のご協力を頂いたりなど、就任を決断するまではかなり逡巡した。決断した後も体制の全面刷新で、自分の中では不安や重圧との闘いだった(ただ、今だから云うが、身分そのものは特に重荷でも何でもなく、本当に開催出来るかどうかがほぼ専ら不安だった)。その苦難の途たるや表に容易には書けないことも多いが、自分以外の実行委員の皆さんや、事務局とパートナーを組んで下さった関係各位の皆様、出展者としてご協力を頂いた関東近県をはじめとする全国の皆様には、感謝の限り。他方で、少なからずご迷惑をお掛けした方々もいらっしゃる。
 僕自身は、各地のイベント行脚(エコプロダクツ、東京モーターショー、SATOYAMA & SATOUMI ムーブメント、他地域の科学祭、真夏の青少年の科学の祭典・全国大会など)での出展のお誘い、科学祭の基本理念の醸成、他地域科学祭の視察や各地の関係者との関係作りの開拓及び維持など、運営の実務以外の部分を主に受け持った。企画参加をいただいた皆様への対応や本部企画の立案及び実施に関しては、事務局を信頼して任せた。反省点は多くあるが、何より「開催出来て、無事故で終えられた」ことを素直に喜びたいとは思う。

 サイエンスアゴラでは、今年は直近5年間では最もラクをした。そして、自前ネタでも直近5年間では最も良い準備と流れ作りが出来たことを実感している。
 4年前(2013 年)から、第1回(2006 年)及び第2回(2007 年)に実施した「広がる草の根サイエンスコミュニケーション」(NPO サイコムとして出展)と同じ設計及び思想で、TISF 実行委員会のクレジットにて、科学祭の主催者や地域で活動する方々の相互交流のための企画「広がりゆく科学のひろばの担い手たち」を3年間実施した。それを事実上継承した形で、今年は2つの企画が実施され、筆者もその共同出展チームの一員に。演題は、JASC 地域連携委員会、静岡科学館る・く・る、名古屋大学産学官連携推進本部のクレジットでの Aa-031(ブース)「広がりゆく科学のひろば」、Ab-108(ステージ)「サイエンスフェスティバルの担い手たちをつなぐ対話集会」の2つ。後者は事実上の本部企画扱いで、僕もその場に登壇。というわけで、栄えある本部企画デビューを果たし、これが上記で後述扱いにした科学祭関係の登壇機会その4ということになる。
 もはやライフワークになりつつある研究問題ワークショップ「本音で語る」は、サイコム時代以来、今年も 11 年連続 11 回目の出展を果たした。今年のテーマは生命操作。特に、先端医療とそれを裏打ちする科学技術、患者や専門家(研究者、開発者)や技術者(医師、薬剤師、看護師など)のそれぞれの思いとその齟齬を直視し、新しい医療技術の開発やそのための医科学研究をしなやかに進めるにはどうすれば良いのかを本音で考える場にした。演題は Cb-351「本音で語る生命操作~基礎と臨床の距離どうする?~」。その開催報告は現在鋭意執筆中だが、ネットワーキングチャット Twitter での生中継の記録はこちらにある。
 そして、この Cb-351 のプレイベントとして、TISF 登録企画の「あなたは、最先端医療を受けたいですか?」を開催した。自分で主宰する任意団体 #phdjp-WG のクレジットによる、サイエンスアゴラと JASC のイベント以外での実績は、実は今回が初めてだったりする。
 去年出来なかったプレイベントが今年は出来て、ネタの仕込みも苦戦したもののどうにか出来て、ゲストをお願いしたお三方(河本宏さん@京大再生研、鈴木信行さん@患医ねっと、粥川準二さん)も考えられる最高の皆さんだった。それでもやっぱり反省点等は少なからずあるが、当日までの流れと当日の盛り上がりに関しては、毎年ご協力を頂いているお2人(榎木英介さん、三輪佳子さん)と、今回のゲストのお三方、ワークセッションをお願いした山本伸さんとそのお仲間、来場者の皆さんに大いに助けられた。
 余談一つ。この企画の打ち合わせのために京都大学再生医科学研究所まで赴いた際、別件で京大 CiRA に来ていた坂内さん@理研 BSI や、商用で京都に滞在していた aeru 社長の矢島さんとニアミスしたのは、ただの偶然です。

 色々忙しかった分、各地のイベントには余り行けなかった。
 それでも、一通り列挙すると、1/11 の国際光年シンポジウム(東京理科大森戸記念館)、3/20(開催は 3/19~20)の SATOYAMA&SATOUMI へ行こう 2016(パシフィコ横浜)、4/23 の理研和光地区一般公開、7/31(開催は 7/30~31)の青少年の科学の祭典・全国大会(科学技術館)、8/14(開催は 8/13~14)の第8回サイエンスリンク(日本科学未来館)、9/4 の KEK 一般公開(→TISF にご登録頂きました。感謝!)、9/25(開催は 9/23~25)の東京国際ブックフェア(東京ビッグサイト)、10/9(開催は 10/8~9)の千葉市科学フェスタ・メインイベント(千葉市科学館、きぼーる@千葉市)、10/23 のサイエンスアゴラなごや「熊本地震を見た名古屋の眼」(あいちサイエンスフェスティバル参加企画;TISF 実行委員会が企画連携)、10/29 のペイシェントボイスカフェ vol.20(みのりカフェ@東京・根津)、そして 11/13(いずれも開催は 11/12~13)の東京オレンジバルーンフェスタ(帝京平成大中野)とつくばサイエンスコラボ(つくばカピオ)、12/4(開催は 12/3~4)の NHK サイエンススタジアム(日本科学未来館)、12/9, 10(開催は 12/8~10)のエコプロ 2016(東京ビッグサイト)、12/10 の第 17 回ソラオトサイエンスカフェ(ソラオト@東京・三軒茶屋)。
 なお、10/9 の千葉市科学フェスタのときは、同日午後と翌日(開催は 10/8~10)の TISF ミドル企画「そら博がやって来た@東芝未来科学館」(神奈川・川崎)とハシゴで、身体的にはきつかった。

 こうして振り返ってみると、科学祭の実行委員長として、その自覚はあまりなくとも実は頑張っていた1年間、明けても暮れてもサイエンスアゴラと日本の科学祭、及びその周辺で閉じていた1年間だったのかな…という気がしてくる。上でも少し書いたが、自分の中では新たな挑戦として頑張った自覚や実感は余り無い。これまでの積み重ねで、無理のない範囲で出来ることを出来る範囲でしようとして、自前ネタでは各種の制約で出来ないことが多かったような良い準備が今年は珍しくちゃんと出来て、且つ人前でしゃべる機会がたまたま例年になく多かった(アゴラ、サイエンスカフェ、科学祭関連を併せて8件;例年は2~3件)。

 既に、今年の科学コミュニケーション活動において、一発目の予定は決まっている。
 1/21 に茨城県水戸市で、理研 STAP 騒動をネタにしたサイエンスカフェの登壇を頼まれている。

 年始の挨拶でも少し述べたが、アゴラ用の自前ネタを含めて、今年は研究、調査を少し拡充して、そちらでの出力を増やしていきたい。諸事情あって、東京国際科学フェスティバルの取り組みに関しては、関与の度合を見直すことになると思われる(四半期単位で数単位分の時間を要するが、事情は後日後述する)。取り組みの継続性は重要だと思うし、やっていることに関する目的意識や問題意識はあるが、続けることそのものの自己目的化懸念や負担感の問題もあり、また次世代の育成や次世代に委託することも考えていかねばならない。今年は見直すべきは見直しつつ、自分が重要と思う取り組みへの優先度を上げたいと思う。

 というわけで、去年の振り返りはおしまい。
 今年もぼちぼち頑張ろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿