芽育塾ブログ

宇治市五ヶ庄一里塚にある学習塾。小さな個人塾の今日をつづります。

式の展開

2017年03月10日 22時03分12秒 | 学習
 中2は式の展開をやり始めた。分配はできるので、公式を覚えることが目標だ。まずは公式を覚えて式の展開ができるようになる。これはたくさんの問題を解かないといけない。たくさん解いたら覚えられる。
 しかし、最初は公式が頭の中でごっちゃになる。公式は3つしかないのだけれど、まあ、似ているしねぇ。この形はこの公式を使うというのを覚える。頭で覚えるのだけれど、たくさんの問題を解くので、体で覚える感覚かもしれない。

 数学を苦手にしている1人の生徒ができない。使える公式もあるのだが、使えない公式があって、半分くらい不正解になる。
 この公式は絶対に覚えなくてはならない。すべて分配法則で乗り切ることも確かにできる。できるのだけれど、それをして公式を覚えていないと、次の因数分解で爆発する。さらにその次の二次方程式でも…。

 半分が不正解になった生徒…洟(はな)をすすりながら勉強している。泣いている…? 女の子だ。男が泣いているならまだしも、女の子ではぼくには対処できない…。
 洟をすすりながらもすべて正解できた。全員に渡しているプリントを渡す。式の展開だ。繰り返しになるが、式の展開の公式は何が何でも覚えなくてはいけないのだ。しかし、今日できるようにならなくてもいい。次回、練習したらいい。そう思って、「別の教科を(勉強)してもいいからな」と声をかけながら、式の展開の練習プリントを手渡した。
 英語をするだろう。数学の授業を始める前は、英語の不規則動詞の変化表を覚えていた。不規則動詞を覚えた生徒から受け身を教えると伝えてある。今日は残り時間を英語に使ったらいい。

 そう思っていた。しかし、彼女は、ぼくが渡した式の展開のプリントを解き始めた。

「すごいっ!」

 この女子生徒は昔から数学が苦手だ。しかし、これも、昔からだが、数学から逃げない。この子は根性がある。

 めっちゃかっこいい姿を見た。

 嫌なことも辛いこともホントはいっぱいあるけど、こういう瞬間に出会えると「塾の先生をしていて良かった」と心から思う。