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ビジネスの読書メモ

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学問のすすめ(福沢諭吉)

2009-02-12 00:59:48 | 成功法則
1.天は人の上に人を造らず

○人に貴賎はないが、勉強したかしないかの差は大きい

○「実生活」に役に立つ学問を最優先しろ

○自由は「自分勝手」ということではない
・学問をするには、自分の立場を知ることが大切。
・自分の立場(分限)とは、天の定めた道理にもとづき、人間の情を大事にし、他
 人を妨げず、一身の自由を守ること。

○自由に「ものが言える人」になれ

○自分自身に対する「責任」とはなにか
・「愚民の上に苛き政府あり」
・国の平和を守るために、人民一人一人が自分の行いを正し、学問に志し知識を広
 め、各自の立場に応じて才能と人格をみがくことが何よりも大事。
・政府は、政治の施策をわかりやすく国民に知らせることと、その政策が国民に平
 穏な生活をもたらすことをこそ、目的とすべき。


2.勉強しない人ほど損な人はいない

○ただの「知識の問屋」ではいい飯は食えない
・世を渡るのも学問であり、商売の帳簿をつけるのも、時代の情勢を見つめるのも
 学問なのである。

○なぜ、この「平等」を大いに活用しないのか

○他人の迷惑にならない「欲望」はすべて善である

○自分の“職務”を尽くすことの意味
・百姓町人は米・税金を払い、かたく国法を守る。それは人民が責任・義務を果た
 すこと。
・政府は年貢米・税金を受け取り、正しくこれを運用し、人民を保護することが職
 務を尽くしたことになる。

○精神的にも物理的にも「手枷・足枷」はもうない
・人間たる者は、つねに平等の資格と権利を持つという精神を忘れてはならない。

○この「無知」ほど怖いものはない
・一国の圧政の原因は、一人の暴君や権力者のせいだけではない。人民の無知がみ
 ずから招くわざわいでもある。
・いますぐにでも学問に志し、才能と品格をみがき、政府に対抗して、同等の資格
 と地位に立つだけの、実力を持たなければならない。これが学問の目的である。


3.独立の「気風」をいかに育て、守るか

○努力は「天命」さえも変える
・貧富強弱の状況は、天から決められた運命・約束ではけっしてない。人間が努め
 るか努力しないか、その結果によって、今日の愚か者も明日は賢人たり得るし、
 むかし富強を誇った者も、現在は貧しい弱者になるかもしれない。
・わが日本国民も、ただちに学問に志し、気力を確かに持ってまずは個人としての
 独立を意図すべきである。個人が独立してこそ、国家の独立も可能である。

○日頃より精神(気力)を鍛えておくことがいかに大事か

○自由・独立の「気風」をいかに育て、守るか
・現代の日本人として国を愛すのならば、自己の独立を考え、他人の独立を援助す
 べきである。父兄は子弟に、教師は生徒に独立を進めなければならない。全人民
 がともに独立して、国を守らなければならない。
・人民を束縛して、政治家が自分だけで国事に苦しむよりは、人民に自由を与え、
 全人民と苦楽をともにするに越したことはない。


4.「人の上に立つ人」の責任とはなにか

○政治力と民力のバランスが大事

○権力だけでは、文明も文化も進歩しない

○なにが“無気力な気風”を生んでいるのか
・数千年にわたる専制政治
・政府は多くの智者が集まって一つの愚行を行うところ(役人根性・ことなかれ主義)

○人民はいても“国民”はいない情けなさ

○「役に立たないもの」には必ず“害”がある

○やってもみないで「事の成否」を疑うな


5.人間の「勇気」はどこから生まれるか

○「得意」の時こそ「悲しみの日」の到来に備えよ

○独立の気力こそすべての出発点

○自分の気力を発揮するところに運命は開ける

○中流の知識人が文明を発展させる

○インテリほど時勢に対する目のつけどころが低い

○読書、学問をふまえての経験こそ勇気と力の源泉


6.法律の貴さを論じる

○国民は「一人二役」の務めを果たすべき
 ①自分の代理人として政府を立て、国内の悪人を捕え、善人を保護すること
 ②政府との約束をかたく守り、法に従い保護を受けること

○法律の目から見た「忠臣蔵」事件は慎むべきもの

○手前勝手な天誅は「商売違い」もいいところ

○法は「簡にして厳」であるべきである


7.国民のなすべき務めを論じる

○国民はすべて商社の経営者(社員)と同じである
・国民の二つの務め
 ①政府の下に立つ一人民という立場で社員に相当
 ②人民が全員の合意で日本国という会社、つまり統合体をつくり、社の規則を決
 め、運営に当たる立場で経営者に相当

○「社員」としての国民の義務
・法を守り、われ・人、同等の道義に従うべき

○「経営者」としての国民の権利
・人民は国の主人である

○税金は払え
・人民は国家の主人なのだから、その費用を払うのに不平な顔をしてはならない

○一度「節」を曲げると、その悪習は子々孫々にはびこる
・政府が暴政を行った時の上策は、力に訴えず、身を捨てて正しい道理を政府に訴
 えること。

○千万人の命、千万両の金よりもはるかに重い「マータダム」の意義
・世を憂えてわが身を思わず、生命を捨てて人民の犠牲となる者のことを<マータ
 ダム>殉教という。


8.自分の考えだけで他人を評価してはならない

○人間の心身に備わる5つの自由(「モラルサイエンス」)
 ①人間にはそれぞれ身体がある。
 ②人間には智恵がある。
 ③人間には情欲がある。
 ④人間にはそれぞれ、生まれながらの心の誠実さがある。
 ⑤人間はだれでも意志を持っている。

○自分の「分」を越えない限りの「生きる自由」
・上記5条は、人間に欠くことのできぬ性質であり、この5つの性質を自在に使っ
 てはじめて、自己一身の独立が可能になる。
・人たるものは、他人の権利を妨げさえしなければ、自由に行動すべきで、他人の
 利害に関係せぬ以上は、はたからあれこれ口を出されるいわれはない。


9.学問の目的とはなにか

○蟻と同等ですっかり満足している人間もいる
・心身の働きにより、衣食住の安定を求めるのは、自立した個人として当然のこと
 である。現在、人間を囲んでいる自然界の物で、一つとして人間に役立たぬもの
 はない。
・過度な欲心は慎むべきだが、わが心身の活動も活発に推し進めず、人間本来の目
 的を達成しないような者は、虫けらと同じ愚か者である。

○「世の中のため」と意識して勉強し、仕事をする
・人間の性質はとかく集団を作りたがり、孤立し独力で歩くことを避けたがる。そ
 こに人間の交際が生まれ、社会が構成される。
・しかしまた、世の中に生きて、他人と交際する以上、自分も社会の一員なのだか
 ら、そのための義務は当然あるはずである。

○感謝しようにも相手がいない「莫大な遺産」
・文明開化の発端がようやく開けたのは、こうした先人たちの遺産・恩恵に浴して
 いるからである。

○あたら才能を持ち腐れにしないために
・むかしから多くの有能な人物は、心労を重ね世のために力を尽くしてきた。彼ら
 は社会における人間の義務を重んじ、高く大きな理想を抱いて努力した。
・現在、学問に励むものはみな、先人たちの遺産を受け継いで進歩の先端に立って
 いられるのだから、さらに文明の発展に尽くすべき。
・学問に進む絶好のチャンスは、いまをおいてない。社会の人々の精神を高い水準
 に導き、学問の魅力を教えるためには、まず諸君(自ら)が、なによりも学業に
 励まねばならないのである。 


10.明日に希望が持てる生き方を

○若いうちは易きについてはならない
・学問の目標は、高いところに置くべきである。

○外国崇拝はいいかげんにやめよう

○明日の幸福を望むからこそ今日の不幸も慰められる

○いまあらためて自分自身の「気概」を問え


11.ニセモノ紳士の実態

○人の上に立つ人の基本的な考え
・上に立つものの基本的な考えは、世の民衆などはみな無智で、かつ善良だという
 ところに立っている。だからこそ、民衆を指導し、教育しなくてはならぬ。そし
 て、上の命令に従わせ、民衆につまらぬ意見などは言わせず、上の考えてほどよ
 く治めようというのである。

○なぜ他人同士の関係に「親子のあり方」をあてはめようとするのか
・実現しにくいことでも、実現した場合の理想の姿を想像すると、その想像を実行
 に移してみたくなるのが、人情の常。

○一見「綿のように柔順、木石にように無心」だが、これでいいのか。

○“無理”という薬をいくら調合しても迷惑ばかり
・小手先だけの“仁政”はいつか苛酷な政治にすり替わる。

○たとえば、こんな“使いこみ”は誰の責任か
・自分よがりのワンマン的な経営方針が、忠義者を狂わせることもある。

○なぜいつまでも“ニセモノ紳士”が横行するのか
・地位身分に伴う権限だけを主張し、自分の一存で事を運ぼうとする風潮が世には
 びこり、社会に謀や偽りという流行を招いた。この流行にかかった者をニセ紳士
 という。
・ニセ紳士は、むかしの人々が、世の人民を無知で善良で、あつかいやすいもの
 と、思い込んだ妄想の結果である。

○少数の「義士」では頼りにならない

○地位身分と職務とはまったく別ものとして区別しなければならない


12.
効果的なスピーチのすすめ

○スピーチのほうが「文章」よりも数段説得力があるわけ
・文章ではさほど意味のないことでも、話したいことばで直接伝えるから、その理
 解が速く、聞き手も感動する。

○自他の「見識を高める」ための議論とスピーチ
・学問の真の本質は、ただ読書だけにあるのではなく、精神の働きにあるのである。
・観察・推論・読書は知識を蓄積する手段、議論は知識交換の、そして著作・演説
 は知識を広める手段である。


見識が人間の「品格」をつくる

○見識を高める唯一の秘訣・・・けっして自己満足するな

○学校の評価を決めるものはなにか
・学校の名誉とは、学問水準が高いこと・学問の教え方が巧みであること・学内の
 人物の品行が高潔で、議論にすぐれていることにある。風紀・取締りが厳しいこ
 とに求めるべきではない。

○あれほど繁栄したインド、トルコが凋落した最大原因
・人民の考えが自分の国の中だけにとどまり、その状態に満足して外国と比較せ
 ず、外国のすぐれたところを見なかったことにある。


13.怨望は何よりも有害であること

○欲望は取り扱い方ひとつで立派な「美徳」にも

○他人への“怨望”こそは諸悪の根源

○貧困そのものは不平の原因ではない
・なぜ自分が貧しく賤しいのかと考え、その原因が自分にあると了解したときは、
 けっしてみだりに他人を怨望したりしない。

○孔子が自分で播いた種に“しっぺ返し”をくった嘆きのことば
・「女子と小人とは近づけ難い。なんともはや困ったものである」

○欲望がはびこった大奥の実態

○“大奥”体質がまだ脱げ切れていない現在の日本

○「面と向かってまさかそんなふうにも」・・・この心情が大事
・物事を相談するとき、伝言や文通だけではまとまらないことも、実際にあって話
 し合えば解決することもある。


14.自己の精神を再点検する

○人間には思わぬ失敗が多い

○これが商売でいちばん大切なこと
・日々の帳簿を正しく記入し、定期的に在庫高を点検し、商売上の損得をはっきり
 させておくこと

○人生の「損益計算」のしかた
・一身のあり方を明らかにし、将来の方針を立てるには、知識と精神との、活動を
 点検する<棚卸し>が必要。

○「世話」の意味に二つあること
・保護…人の傍に付き添って、金や物を与え、時間をさいて利益や名誉を守ってや
    り面倒をみることを言う。
・命令…人のために役立つことを指図し、損にならぬよう意見し、心を尽くして忠
    告することを言う。
・保護と命令または指図の、両方を備えるのが真の世話。

○「保護」はしても「指図」が欠けては何にもならない

○政治にも二種類の「世話」が必要


15.「取捨選択」を誤るな

○真理の探究はつねに「懐疑」からはじまる

○なにを信じ、なにを疑うか
・学問とは、つまるところ、この判断力を養うことにある。

○判断力を養うのは学問しかない


16.「物質的独立」なくして精神の独立はない

○「独立」にも二種類ある
・有形(物について)の独立と無形(精神)についての独立

○こんな「ばかげたこと」で自分と一家の暮らしを台なしにしている人
・いまの世の中には、物質的なことにとらわれて、精神の独立が妨げられている場
 合が非常に多い。

○精神の独立を守るためにも金は賢く貸せ

○理論を実行に移す法

○仕事の結果(功)以外は信用するな
・理論と実行とは、寸分も食い違うことなく、一致させなければならない。

○判断力・行動力をつけるためのエンジンとかじ
・人の活動には大小・軽重の別がある。これを選択させるのはその人の自身の考え
 であり意志であり、これらをもった人を理想の高尚な人という。だから、人の理
 想は高尚でなければならない。
・人の活動には、その難易とは別に、どれだけ役立つかという点での大小がある。
 確かな判断力がないと有益な結果を残せない。
・人間の行動には、おのずから制約がなければならない。また行動するには時と場
 所をわきまえていなければならない。これらをよく制御するのも確かな判断力に
 よる。

○この世の中でいちばん「気の毒な人」
・考えばかりが高尚遠大で、行動力が伴わない人

○他人を批判するのは簡単だ


17.人望は人間の大きさ・仕事の大きさに比例する

○人望とは信用を言う
・人望とはその人の才能と智恵の働きと、正直な心、つまり誠実さによって、徐々
 に得られるものである。

○「ホンモノ」と「ニセモノ」はどこで差がつくか
・「ニセモノ」は人望・栄誉を避ける。

○「自己宣伝」こそ必要である
・栄誉・人望は努力して求めるべきである。
・一身に備わった自分の性格、実質的な実力を存分に発揮し、社会に貢献するには
 3つの条件がある。

○第一…「ことば」の効果的な使い方を学ばなければならない
・現代の日本語に十分に習熟して、スピーチがうまくなるよう努力すべき

○第二…顔かたちを明るくし、人と会ったとき、人から嫌われないようにせよ
・見栄を捨て率直になれ

○第三…旧友を忘れず、新しい友を求めよう
・世の中に人の数は多いが、人は鬼でも邪でもない。自分に害を加える悪人が、そ
 うそういるわけもない。恐れず遠慮せず、真情を率直に表して付き合うべきだ。
・交際を広くする要点は、この心の動きを活発にし、多芸・多能を心がけ、多方面
 の人と接することにある。