あさか野の四季

      写真歳時記

豌豆(エンドウ)の花

2012年05月31日 | 家庭菜園に咲く花

スイートピーに似た蝶形花が美しい。紫、白花もある。
原産地は明らかでないが、日本には中国から来たとされる。
エンドウマメとも呼ばれ、いま、サヤエンドウが旬である。

エンドウには、未熟な莢を食べる莢エンドウ、完熟前の豆を食べるグリーンピース、そして、完熟した乾燥豆(煮豆や納豆などとして)を食べる実エンドウなどの種類がある。

一時期、スナックエンドウと言って未熟な豆を莢ごと食べるエンドウが流行ったことがある。これは、1970年代にアメリカから導入されたスナップエンドウ(snap-bean)のことであり、スナック菓子のように食べられるといったことから付けられた商品名である。

写真は実エンドウの花である。とても野菜の花とは思えない。
(写真:郡山市大槻町の家庭菜園にて)


姫射干(ヒメシャガ)の花

2012年05月22日 | 里山や野原の花

アヤメの仲間で、いま花盛りである。シャガに比べて小形なため、こうよばれる。福島県郡山市は、このヒメシャガを「花かつみ」として市の花に制定している。

「みちのくの あさかの沼の花かつみ かつみる人に恋ひやわたらん」
この歌が古今和歌集に収められて以降、都の歌人たちは、遠いみちのくの安積沼、花かつみを憧れの地、幻の花として数多くの歌を詠んだ。

江戸時代になり、松尾芭蕉は「奥の細道」の旅の途中、郡山市日和田町に立ち寄り、先人の歌に詠まれた安積沼、花かつみを探し歩いている。
 「沼を尋、人にとひ、かつみ かつみと尋ありきて、日は山の端にかかりぬ。」
結局、花かつみを見つけることは出来なかったようであるが、歌枕の地を訪ね歩いた様子を名文に残した。
(写真:郡山市日和田町の安積山公園にて)





大根(ダイコン)の花

2012年05月15日 | 家庭菜園に咲く花

去年の秋に穫り残したダイコンが花をつけた。なんとも清楚で美しい。
写真は淡紫色の花であるが白花もある。

ダイコンはヨーロッパ原産。中国を経て入ったとされる。
古くは、おおね(大根)、すすしろ(春の七草の一つ)と呼ばれた。

よく、芸の下手な役者のことを大根役者などということがあるが、
ダイコンにとっては、大変なほめ言葉である。なにしろ、煮る、漬ける、下ろす、どんな食べ方をしても当たらないのだから。
(写真:郡山市大槻町の家庭菜園にて)


たんぽ穂(タンポポ)の花

2012年05月08日 | 里山や野原の花

里山にひっそりと咲くエゾタンポポ(日本タンポポ、在来種)の花。
西洋タンポポの花はいつでも、どこでも見ることができるが、日本タンポポの花はこの時期に限られる。古くは鼓草(つづみぐさ)ともよばれ、タンポポ名は、鼓の音の連想から生まれたとの説もある。

残念なことに、年々日本タンポポの生育域が狭まり、意識して探さなければ見つけられない。日本タンポポが少なくなったのは、西洋タンポポに駆逐されたためだ、という話を聞くが誤解である。
どんな環境でも一年中繁殖できる西洋タンポポに比べ、年に一度しか開花せず、しかも近くに仲間がいないと種子を作ることが出来ない日本タンポポは、ひとたび生育環境が破壊されると再生不可能となる。
その環境を壊しているのは、西洋タンポポではなく他ならぬ私たちなのである。
(写真:郡山市逢瀬町内にて)


白菜(ハクサイ)の花

2012年05月03日 | 家庭菜園に咲く花

鍋物、漬物、キムチなどで馴染みの深い野菜、ハクサイの花である。
秋のうちに収穫されるので、花を見る機会は少ないがいま花盛り。

ハクサイは明治の頃中国から渡来し、大正以降に普及したとされる。全国的な普及のきっかけとなったのは、日清、日露戦争で大陸に渡り、その形と食味に関心した農村出身者の影響とか。西洋のキャベツに対して東洋の代表的な野菜で、精進料理ではダイコン、豆腐とともに「養生三宝」とされる。

写真は昨秋に取り残した株につけた花で、同じ仲間の菜の花(ナタネナの花)に劣らずきれいだ。
(写真は郡山市大槻町の家庭菜園にて)